おすすめ注目レース
■2020年12月3日
第66回 クイーン賞JpnIII(指定交流)3上 牝馬オープンサラ系3歳以上 ハンデ(船橋)
実績上位サルサディオーネが逃げ切る
全国公営競馬専門紙協会 日刊競馬

【中央所属馬の評価】
 ハンデ戦のJpn3だけに、斤量を背負う実績馬はほぼ不在で、ハイレベルとはいえないメンバー。それだけに重賞初制覇を狙う上昇馬には注意が必要だ。

 今回注目はパールデュー。前走2勝クラスを勝ったばかりの3勝馬だが、通算【3-1-1-2】、3勝は1700~1800mで、着外2戦は休養明けとまだ底をみせない好素材。ダートの一流馬も多数輩出してきた父キングカメハメハに、母もG1マイルチャンピオンシップ勝ち馬のブルーメンブラットという良血馬。今回は初重賞でキャリアの差がどう出るかだが、軽量51キロなら一気に重賞制覇の期待は十分。

 アッシェンプッテルはこれまでレパードS12着、平安S13着と重賞2戦は大敗だがいずれも牡馬混合。前3戦オープン特別で5、4、3着からも、牝馬限定戦なら重賞でも十分通用する感触はある。前走太秦Sは軽い馬場とはいえ驚異の上がり3ハロン35秒1。1800~2000mで4勝。初の地方馬場と、過去2戦大敗している左回りを克服できれば。

 メモリーコウも重賞初制覇が十分視界に入る。これまでダートグレード競走の牝馬限定戦では3、2、4、2着。1800m【3-1-4-0】と着外なく、船橋コースもマリーンカップ2着と良績。減点材料が少なく、安定して信頼は出来るが、反面詰めの甘さがあり、さらに今回は骨折明けの久々をどう克服するか。

 シネマソングスは最近3戦、ダートグレード競走の牝馬限定戦で4、7、8着とトーンダウン。まだコンマ差接戦の競馬がなく、前走は馬体減で上積み要素にも乏しい感じ。相手緩和と斤量減に望みか。

【地方所属馬の評価】
 実績最上位のサルサディオーネは、マリーンカップ勝ち含む船橋【2-2-0-1】のコース実績からも当然有力だ。唯一大敗の日本テレビ盃はアナザートゥルースにマークされ、前半3ハロン33秒8という超ハイペース。前半36秒台の逃げならまず好勝負は過去のデータからも明らかで、この顔ぶれならそうなる公算はきわめて高い。

 その他51キロの軽ハンデで一発を狙う地方勢からはナムラメルシー。前走のシンデレラマイルトライアルは強敵ダノンレジーナ相手にに、高速馬場を積極策で3着と上り調子で、恵まれたにせよ今春のエンプレス杯2着の再現が狙える。

 前走シンデレラマイルトライアルの57キロから一気に6キロ減の51キロとなるサルサレイア。JRA在籍時は2勝クラスで惜しいレースが続いていたが、転入後は牡馬相手のオープン、牝馬Jpn1とさらに相手が強化し苦しいレースだったが、前走は0.9差5着、上りも勝ち馬と並ぶ最速、中央時左回り1800m2勝、牝馬限定戦で相手が軽くなったこのレースなら、好走の期待も。

 ラインカリーナは関東オークス制覇、クイーン賞3着の実績だが、以後詰めの甘さで足踏みが続いた。成長力に疑問符もつくが、浦和に転入し再起を計る。初戦で手探りだが、前述の通り実績は確か。

 アブソルートクインは昨秋から中~長距離路線に舵を取り確かな充実。前走トライアルのクイーンズオーディション2着も、忙しい1600mを思えば評価できる。母系は地方競馬の良血。

 ステラモナークは園田6勝。充実中の3歳良血だが、今回能力基準は前々走ヴァケーションの2着になるか。経験を積む遠征ではあるが、3歳戦では卓越したスピードで逃げ切ってきたが、このメンバーでどこまで通用するか楽しみもある。

 マルカンセンサーは1800m【3-2-0-5】、昨年のTCK女王盃2着だが、以後ゲート難とズブい気性で足踏みが続く。経験の少ない左回りではあるが、ここで何か再浮上のきっかけがつかめれば。

 ナラは昨年のこのレースは殿り負け。地元A級なら勝負になるが、ここはいかにも相手が強い。今回は補欠から繰り上がりで出走。

 ペイシャゲランは地方3勝は転入時の名古屋B級で。以後目立つ進境もみられない。本質的には芝向きだけにどうか。

 アンシンカブルの10勝は金沢、佐賀のB級。地方競馬交流でも苦戦で、ダートグレード競走で通用の根拠は……。厳しい挑戦。

【解説者の予想】

 ハンデ戦のJpn3ということもあり、ダートグレード競走上位の強豪馬不在で、復活、あるいは初重賞のチャンスある馬が多い。
 JRA勢が相手でも、サルサディオーネのダートグレード競走実績は最上位で、船橋【3-3-0-1】の実績、そしてマイペースに持ち込めそうなメンバー構成も、この馬には有利な条件が揃った。
 以下も拮抗しているが、ハンデ51キロが魅力なパールデューは父母ともにJRAのG1馬で、2勝クラスを勝ち上がったばかりでも、その底力は侮れないだろう。アッシェンプッテルも終いを生かす脚質だけに届かないことも多いが、牝馬限定戦なら可能性は十分。ただ砂を入れ替えたばかりの今の馬場は、基本的には前有利だ。
 1800m【3-1-4-0】のメモリーコウにとっては、なんとしてでもここでタイトルが欲しいところ。シネマソングスはまずスタートに集中したい。ポンと出られれば、レースはしやすいはず。調子を取り戻してきたナムラメルシー、浦和転入で心機一転復活目指すラインカリーナも、実績的には見劣りしない。

◎サルサディオーネ
○パールデュー
▲アッシェンプッテル
△メモリーコウ
△シネマソングス
△ナムラメルシー
△ラインカリーナ

 



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馬単 9→3 3→9 9→8 8→9 9→4 4→9 3→8 8→3 9→12 9→2