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■2020年12月29日
第66回 東京大賞典(GI)(大井)
史上初大賞典3連覇へ オメガパフュームに追い風
全国公営競馬専門紙協会 日刊競馬

【中央所属馬の評価】
 オメガパフュームは目下東京大賞典2連覇中。いずれも早めスパートから、力で押し切る王者の走りをみせた。大井2000m【3-3-0-0】とこのコース、距離は連対パーフェクトだ。今年これが4戦目、一昨年、昨年はJBCクラシック→チャンンピオンズカップのローテだったが、今年はJBCクラシック2着から、チャンピオンズカップをパスして直行と盤石のステップ。チャンピオンズカップ組が参戦しない今年のメンバーなら負けられないところ。

 ウェスタールンドは休み明けの浦和記念をハナ・アタマ差の3着。大外を上がり最速36秒1で伸びている。ひと叩きされ万全の態勢で臨める。大井コースは初めてだが、ダイオライト記念2着と地方の砂は経験しているし、JRA6勝すべて右回りを思えば今回大井も減点がない。持ち前の切れで逆転を狙う。

 ダノンファラオのジャパンダートダービー2分5秒9はクリソベリルを凌ぐ好時計。初の古馬相手となった日本テレビ盃は4秒差7着大敗したが、続くJBCクラシックでは1.5秒差5着、そして前走浦和記念を接戦で制し、古馬相手にも目処がたち、再び勢いがついている。レース振りは自在性あり、川田騎手続投も好材料だ。

 ハナズレジェンドは前走が初ダート、それも骨っぽいオープン勢を相手に、上り37.0で直線一気。砂を気にするところもなく、今後の展望が広がった。距離、右回りは問題なく、あとは初の地方競馬の馬場がどうかだ。

 デルマルーヴルは昨年の名古屋グランプリ以降、勝ち星から遠ざかっているが、末脚は一貫して堅実だ。ジャパンダートダービー2着、川崎記念3着JpnIの実績からは展開ひとつだろう。大井2000mを熟知した鞍上戸崎騎手がどう乗るか。

 ヒストリーメイカーはJRA1800~2000mで4勝の中距離型だが、スローペースの2番手を追走し、結果5着だった前走浦和記念からも、このメンバーではまだ力差を感じる。上りも37.5と遅くジリ脚だけに。

 テーオーケインズは今秋1800mで2連勝、前走はベテルギウスSで2着の3歳馬。好位、中団から末脚の切れを活かすタイプで、常に上位の上りをマークしている。南関で好走馬を多く出しているシニスターミニスター産駒。いきなりこの相手は厳しい挑戦だが、素質と勢いは警戒したい。

【地方所属馬の評価】

 モジアナフレイバーの前走勝島王冠は10キロ増、南部杯帰りで調整が遅れ、ある意味想定内の3着だった。南部杯3着の好内容から、昨年より地力アップは間違いない。大井2000m【2-0-1-4】。2勝は大井記念と3歳限定の準重賞、そして昨年の東京大賞典0.6秒差3着。昨年以上の走りを期待したい。

 ミューチャリーはイメージ的にはマイラーだが、1800~2000mのダートグレード競走で3、4、4、4着。期待(人気)以上の走り、結果を残している反面、そこからもう一歩上となると壁がある。馬体も成長し、パドックでもだいぶ落ち着いてきた。切れ味生かして上位を狙いたいところ。

 ノンコノユメはイン強襲で昨年の東京大賞典2着。かつての鬼脚のイメージこそ薄れたものの、反面しぶとさ・勝負強さは8歳にして進化を感じる。昨年同様のステップで臨めるし計算できる。

 ワークアンドラブは前走サンタアニタトロフィー圧勝。素質の高さを認められている反面、掴みどころがない。過去大井2000m1勝は2分9秒4。はやりベストはマイルだろう。

 カジノフォンテンの前走勝島王冠は、ノンコノユメ、モジアナフレイバーを完封の重賞2勝目。中距離にも確かな適性を示している。ただ、今回は初のダートグレード競走。予想される展開も楽ではない。あらためて試金石。

 ノーブルサターンは2000mで3歳時ジャパンダートダービー5着(2分6秒4)、マーキュリー2着(2分3秒5)。転入2戦大幅に馬体を増やし、絞れてくれば…の期待はある。前々でしぶとさを活かしたいが。

 クロスケは再転入2戦とも後方のまま見せ場がなかった。かつて黒潮盃を制した中距離型だが復調途上だけに厳しい。

 ナイトオブナイツはJRA6勝ながらダートは未経験で、今回が転入初戦。いきなりGI挑戦は無理がある。

 エイシンスレイマンのJRA3勝は芝の1600m。地方移籍後は反応の鈍い競馬が続くだけにどうか。

【解説者の予想】

 GIチャンピオンズカップからの参戦がゼロ。浦和記念プラスアルファ程度のメンバー構成という今年の総決算になった。
 今回前人(馬)未到の東京大賞典3連覇を狙うオメガパフュームには絶好のレースとなった。これまで大井2000mのGI【3-3-0-0-】、前2戦はクリソベリルに敗れたが、今回はその宿敵も不在。早めに王者に食らい付いていかざるをえなかった前2走と違い今回は自分のペースでレース出来る。直線で得意の決め手勝負に持ち込めば、まずかなう相手はいないはず。
 相手も18年チャンピオンズカップ2着など、GI級の決め手を秘めるウェスタールンドが有望か。前走浦和記念は適条件とは思えぬ小回りの舞台で、早めに追い上げ上がり最速の3着なら十分地力と個性は示したといえる。8歳でも使い込んでおらず、今回大井2000mのなら末脚が活きる。オメガ逆転の可能性もないとは言えない。
 地方勢も今年レベルなら2~3着は狙えるか。昨年の3着馬モジアナフレイバーは、今年好時計の南部杯3着などさらに進化。前走はいかにも…のプラス10キロで、あくまでも叩き台でここで真価を問う。ノンコノユメは昨年の2着馬。今年まだ未勝利と勢いは一歩も、叩いた前走から軌道修正し駆けごろの3戦目で再度一発を狙いたい。
 ジャパンダートダービーを制した3歳馬ダノンファラオも、古馬との競馬もだいぶ慣れてきた。前走は折り合い面にも格段の進境をみせゴール際二枚腰を発揮。前記2頭との瞬発力勝負では若干分が悪い印象も、叩き合いの消耗戦ならチャンス。
 ミューチャリーもGI格では連対にあと一歩届かないが、無欲の差しで展開が向けば複穴も。JRAのデルマルーヴルヒストリーメイカーもダートグレード競走の常連だが、GIとなるとやや底割れた印象もある。それなら未知の魅力でハナズレジェンド。前走は初ダートで一頭別次元の切れを発揮。今回一気にGIでキャリアの差を埋めきれるかどうかがカギになる。

◎オメガパフューム
○ウェスタールンド
▲モジアナフレイバー
△ノンコノユメ
△ダノンファラオ
△ミューチャリー
△ハナズレジェンド



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馬単 7→9 9→7 7→3 7→8 7→5 7→16 7→10 9→3 9→8