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■2021年6月16日
関東オークス(川崎)
唯一のJRA3勝馬ウェルドーンが勢いに乗る
全国公営競馬専門紙協会 日刊競馬

【中央所属馬の評価】

 ウェルドーンは1800m3勝。とりわけUAEダービー4着馬タケルペガサスら骨っぽい牡馬を悠々堂々と差し切った前走鳳雛ステークスは、価値がある。父ヘニーヒューズはモーニンやワイドファラオなどマイラーを多く輩出しているが、ケイアイレオーネのように距離に融通が利く産駒もいる。一連の成績からも距離は問題なさそうだ。鞍上武豊騎手に期待感。

 ベルヴォーグはダート参入後1800m2勝。前走3歳1勝クラスでは四角8番手から大外一気、切れとパワーを同時に示した。激戦に強いイメージ。父ジャスタウェイはマスターフェンサーなどダート中~長距離での活躍馬を輩出。むろん2100mは歓迎だ。

 ランスオブアースは前走兵庫チャンピオンシップ3着。初の地方競馬、その中でも乗り難しい園田競馬場で、3コーナーで不利があり、かつ勝負どころで厳しい手ごたえにみえながらも最後まで外をしぶとく伸びた。地方ダートの経験は大きく、厳しい位置取りでも我慢した精神面は評価できる。

 リフレイムは外に逸走した新馬、1勝クラス、いずれも芝で連勝した絶対能力がある。初ダート、折り合いに苦しんだ前走青竜ステークスも、末脚は合格点がつく。血統・馬格を含め当然上積みが期待できる。カギになるのはスタートと位置取りだろう。

【地方所属馬の評価】

 ケラススヴィアは圧倒的な牝馬二冠。今回試練のダートグレード競走2100mだが、スピードは群を抜く。メンバーに強力な同型は不在だけに、単騎逃げの期待。サウスヴィグラス産駒だが、前走1800mの東京プリンセス賞で7馬身差の快勝なら、マイペースで行ければ持久力はあるはずで、折り合い優先。

 ディアリッキーは対ケラススヴィア3戦3敗。しかも前走の東京プリンセス賞で7馬身差は、決定的な差か。それでも父ホッコータルマエ、息の長い末脚に期待は残る。流れに乗って自分の競馬をしたい。

 ウワサノシブコは絶対女王ケラススヴィアを外から差したユングフラウ賞。期待された桜花賞感冒で取消たが、東京プリンセス賞は取消明けで4着、叩かれた前走カサブランカオープン1着と好内容で、再び態勢は整っている。ノンプレッシャーの怖さがある。

 グロリオーソはイン強襲の桜花賞2着は好内容だったが、以後、東京プリンセス賞7着、留守杯日高賞3着と2戦展望の開けない内容だった。距離適性も疑問で、鞍上矢野騎手の腕に期待か。

 レディブラウンは前走2000mのカサブランカオープン2着は、スローの単騎逃げだけに強調しづらい。さらに相手が上がって厳しいレースになりそうだ。

 スセリヒメの前走カサブランカオープン3着は、勝ち馬から9馬身差。2分14秒6の時計も含め高い評価はできない。ダートグレード競走では追走も厳しそうだ。

 金沢のネイバーアイランドはホッカイドウ競馬デビュー馬だが、9戦目で初勝利。以降金沢、佐賀、再び金沢に移籍も、結局は門別の1勝のみ。420キロ前後と馬体も小さく、現時点では厳しいと言わざるを得ない。

 高知のサンシェリダンはJRAデビュー。6戦未勝利で高知に移籍し5勝。ル・プランタン賞、東海クイーンカップでいずれも2着と、西日本地区交流レベル上位。前走完敗も相手はハルノインパクトなら仕方ない。今回さらに相手上がるし、健闘期待も。

【解説者の予想】

 8年連続優勝のJRA勢。筆頭は唯一の3勝馬ウェルドーンだ。初勝利までは6戦を要したが、その後は4、3、1、1着。特に前走の鳳雛ステークスはUAEダービー出走のタケルペガサス、良血タイセイアゲインなど3歳牡馬の期待馬を相手に快勝と勢いに乗っている。この父なら地方ダート適性も問題なさそう。

 JRA勢も参戦の南関牝馬クラシック最終戦。06年チャームアスリープ以来の三冠牝馬を目指すのがケラススヴィア。東京プリンセス賞も桜花賞に続いて道中逃げて上がり3ハロンも最速と完璧なポールトゥウィン。2着馬との差も3馬身差から7馬身差に広げて、南関勢との力の差を決定的にした。この父でも距離万能のタイプで、5月生まれなら単なる早熟とも言えない。今回もマイペースに持ち込み、偉業達成の可能性は十分。

 ベルヴォーグはダート路線に切り替えて1、8、1着。馬体どおり牝馬ながらパワーを感じさせるタイプで、前走は後手に回ったこともあり後方からのハナ差差し切りだったが、本来は前々の競馬もできるはず。

 リフレイムもこの血統なら本質はダート向きの可能性。距離も問題ないが川崎の小回りがプラスに向くとは思えず割り引き。素質に期待といったところ。ランスオブアースの兵庫チャンピオンシップは3コーナーでの不利が響いたが、最後は盛り返してきたし内容は悪くなかった。コースが違うとはいえ地方馬場を一度経験している点は強みになる。
 ケラススヴィアに東京プリンセス賞でちぎられた南関勢は、コース変わりでも逆転まではさすがに厳しい。ただ、2着ディアリッキー、少頭数とはいえカサブランカオープンを勝って立て直しを図ったウワサノシブコはJRA勢の走りしだいで上位進出も十分。

 ◎(6)ウェルドーン
 ○(7)ケラススヴィア
 ▲(9)ベルヴォーグ
 △(1)ランスオブアース
 △(5)リフレイム
 △(8)ディアリッキー
 △(11)ウワサノシブコ



※投票の際は、締切間際を避け時間の余裕を持ってご利用ください。


馬単 6→7 7→6 6→9 9→6 6→1 1→6 7→9 9→7 6→5 6→8