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■2018年8月15日
クラスターカップ(Jpn3)(盛岡)
ダートでも戴冠!ネロ
全国公営競馬専門紙協会 エイカン

【中央所属馬の評価】
 ネロは芝1000~1200mで全8勝をマーク。一昨年、昨年と京阪杯(G3)を2連覇、直芝のアイビスサマーダッシュ(G3)を2番人気で2着、一昨年のスプリンターズS(G1)は6着ながら勝ったレッドファルクスから0秒1の僅差だった芝の一流馬。ダートは今のところ4戦して未勝利だが、昨年11月のJBCスプリント(Jpn1)ではニシケンモノノフ、コパノリッキー、ブルドッグボスの上位3頭と同タイムの4着だから、ダートでも頂点を狙える存在であることは間違いない。今シーズンは前走のさきたま杯(Jpn2)こそ距離が長かったか2秒2差の8着と崩れたが、3月のオーシャンS(G3)4着、続く高松宮記念(G1)11着はともに見せ場十分の内容。そしてグレイスフルリープの3着だった4月の東京スプリント(Jpn3)は昨年のこの競走の1~2着馬・ブルドッグボス、ラブバレットが5~6着だから、ここでダート初勝利をマークする可能性は十分にある。

 ディオスコリダーは全5勝をダートの1200mでマーク。3歳春の時点でドバイ遠征し、マハブアルシマール(G3)→ドバイゴールデンシャヒーン(G1)とこの条件の世界レベルを経験してきた。帰国後、7月から始動すると3・1・3・1・1着。12月のカペラS(G3)は国内のオープン初戦だったが、3歳の身で見事に古馬重賞制覇を達成した。今回はそれ以来の8か月ぶりの実戦。仕上がり具合が問われる局面だが、イレ込み気味に行きたがる面があるだけに、鉄砲は利くタイプではないだろうか? 注目の地方初登場となる。

 ブライトラインは2~3歳時に芝で3勝。ファルコンS(G3)を勝ち、ニュージーランドT(G2)3着からNHKマイルC(G1)やダービー(G1)にも駒を進めた。4歳の春にダートに転じると3・1・1・3着ののち、みやこS(G3)を制覇。JCダート(G1)4着、フェブラリーS(G1)5着、ドバイのゴドルフィンマイル(G2)でも5着に健闘。5歳の段階ではG1も狙えるポジションまで出世していた。ダートの勝ち距離は1400m、1600m、1700m、1800mを各1勝。1200mの経験は2戦のみだが、ダート初戦の京葉Sがスノードラゴンから0秒1差の3着、4走前の東京スプリント(Jpn3)がキタサンサジンとアタマ差の2着だから適性は十分。2016年4月のオアシスS以来、勝ち星がない9歳馬だが、1年ぶりの前走=プロキオンS(G3)を叩かれての上積み次第では上位に食い込んできても不思議ではない。

 オウケンビリーヴは3歳いっぱいまでは芝だけを走って1200m、1400mで各1勝。主な戦歴としてアネモネS7着がある。4歳の3月に初めてダートを使われると、いきなり1000万条件を快勝。同年10月には再び1000万下を勝ち、今年の4月には1600万下の陽春Sを堂々1番人気で勝利。オープン初戦の天王山Sがテーオーヘリオスから1秒0差の7着。ここまではすべて1200mの競馬で、前走、川崎のスパーキングレディC(Jpn3)が初めてのマイル戦。牝馬限定戦とはいえ、勝ったリエノテソーロと半馬身差の2着。現在の充実ぶりを示すとともに、1番人気の支持にも十分に応えたと言えるのではないだろうか。前走で初の地方遠征、そして2度目の左ダートを経験。牡馬とのここは相手強化となるが、あらゆる面でまだまだ伸びしろを有する存在。

 コパノマイケルは全5勝すべてをダートの1200mでマークしてきたこの条件のスペシャリスト。今年1月の初春Sを競り勝ってオープン入り。オープン初戦は3月の黒船賞(Jpn3)。2番手でレースを進めたが3分3厘で手応えが怪しくなり、勝ち馬から2秒9差の10着。やはり1400mは長かったということだろう。続く6月の北海道スプリントC(Jpn3)は勝ち馬から1秒2差の6着。まだオープンキャリア2戦の5歳馬だけに、これから通用してくる余地は十分にありそうだ。

【地方所属馬の評価】
 岩手生え抜きのラブバレットはこの競走2年連続ダノンレジェンドの3着ののち、昨年はクビ差2着。直線で逃げる1番人気のサイタスリーレッドを捕え、勝利が見えたところをブルドッグボスのレコード駆けに遭った。その後、12月の兵庫ゴールドT(Jpn3)がグレイスフルリープの2着。今年6月の北海道スプリントC(Jpn3)がテーオーヘリオスのクビ差2着だから、悲願のダートグレード競走制覇はもうすぐそこまで来ている。

 道営のメイショウアイアンは中央時代にダートの1400mで4勝をマークしてきた8歳馬。準オープンで頭打ちとなり、今春、道営へ移籍。ここまで3戦を消化し、1200m戦を2勝。重賞のグランシャリオ門別スプリント(門別1000m)ではクビ差の2着。道営を代表するスプリンター・タイセイバンデットやトドイワガーデンに先着し、差し脚の健在ぶりをアピールしている。中央時代のクラスが1600万条件だから、ここに入ると格下ということになるが、本格的な短距離の差しタイプであり、先行勢がヤリ合うような展開になれば直線台頭のシーンがあるかもしれない。

【解説者の予想】
 この競走3・2・2着の地元の雄・ラブバレットにとって、今回登録があった、中央のマテラスカイ、そして天敵とも言えるブルドッグボスが回避。地元での戴冠に向けて御膳立ては整ったかに見えるが、今夏は岩手も酷暑だっただけに自身のデキがベストかは疑問。前走の栗駒賞は目一杯ではなかったとはいえ、地元限定重賞でタイセイファントムとクビ差。そしてこの3年間、クラスターCの前には必ず使っていたトライアル・岩鷲賞を回避。中央馬相手に本命に期待するのは荷が重い局面とみた。3歳12月の時点でカペラS(G3)を制したディオスコリダーはそれ以来の骨折休養明け。いきなりトップコンディションで登場するとは思えないだけに、こちらも主軸には推しにくい。ならば芝~ダート問わず素晴らしいスピードを発揮するネロが最も計算が立つ存在であろう。この馬は使わなかったが昨年もこのレースに登録があった。現在の実力では前記による三つ巴。状態次第で休養明けを叩かれたブライトライン、充実・オウケンビリーヴが迫り、前残りの流れでコパノマイケル、逆の展開でメイショウアイアンに上位食い込みの可能性。このような構図になりそう。

 ◎ネロ
 ○ディオスコリダー
 ▲ラブバレット
 △ブライトライン
 △オウケンビリーヴ
 △コパノマイケル
 △メイショウアイアン



※投票の際は、締切間際を避け時間の余裕を持ってご利用ください。


馬単 9→10 9→5 9→12 9→4 9→7 9→8
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