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山田 庸平選手

2022年08月18日

佐世保記念(GIII)を制し、記念競輪初優勝を飾った佐賀の山田庸平選手(佐賀・94期)にお話を伺いました。

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大津:佐世保記念優勝おめでとうございます。

山田:ありがとうございます。

大津:GIII初優勝です。お気持ちはいかがですか。

山田:自分の中では通過点としてやってきたのでホッとしています。

大津:「よっしゃー!やったー!」っていうような感じではないですか。

山田:そうですね、言葉に表すのは非常に難しいんですが、決勝戦も自力ではなく先輩のおかげですし、上手く言えないんですけど嬉しさもありますが、そこまでって感じです。
僕みたいな大した選手じゃない人間がいうのもアレなんですけど、GIでどれだけ勝負できるかっていうので日々練習しているので。

大津:Twitterでもファンの方たちからGIを獲ってほしいっていう声がたくさん届いてましたもんね。

山田:今年からTwitterを始めてみて、思った以上に応援してくれる人たちが多くてビックリしています。

大津:何故今年からTwitterをやろうと思ったのですか。

山田:最近競輪が盛り上がってきてますし、その中で競輪を知らない人たちに競輪のことを知ってもらいたくて始めてみました。

大津:実際やってみてどうですか。

山田:ファンの方々のコメントが参考になってます。細かいところまで見てくれる人が本当に多いんですよね。選手より分析してるんじゃないかって人もいますしね。

大津:ファンからのコメントも全部目を通しているんですね。

山田:はい、全部読んでます。
今年の平塚記念が終わった後に投稿した記事に、決勝戦で平原さん(平原康多選手・埼玉87期)の先行について触れられている方がいたんです。その人が僕に足りないのは平原さんが見せた気迫と2車でも先行する勇気じゃないか、って言ってくれたんです。
だから、もっと先行を増やしてみようとか参考になりました。けっこう細かいことを言ってくれるんで本当にありがたいです。

大津:練習仲間とかではなくて、お客さんからのアドバイスも取り入れるなんてとても柔軟なことですよね。

山田:今までなかった視点からの指摘もされるので、そういった意味でもTwitterを始めたことがプラスになってます。

大津:武雄と佐世保は距離も近く、解説の方々は佐賀-長崎は同県みたいなものだと仰るんですが山田さんもそのような意識をお持ちですか。

山田:高校生まで長崎県の五島列島で育ったんで地元なのかなって意識で走っています。

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大津:今回のシリーズを迎えるにあたって状態面はいかがでしたか。

山田:サマーナイトフェスティバルから期間があまりなく詰まってたのでけっこう練習をやってきました。

大津:詰まっていると練習をしないほうが良いのかと思いました。

山田:自分は練習をしないと調子を落としてしまうので、ギリギリまで追い込んできました。調子はいつも通りでした。最近ムラがないんですよね、良くもなく悪くもなくっていう状態で走ってるので良かったかどうかは正直分からないです。

大津:成績だけ見ると調子は良いように感じてしまいました。

山田:うーん、これも上手く言葉にしづらいのですが普通っちゃ普通なんです。
絶好調とかがなくて、でもその中で毎回練習でやっている力を出せているって感じなんですよね。

大津:ムラがなくなったのはどうしてなんですか。

山田:元々めちゃくちゃ成績にムラがあるタイプだったんです。
気持ちのムラがまずあったので、そこを直していって、後は練習をしない時があると成績にもムラが出てしまうので直前まで練習で追い込んだりしていった結果ですかね。この二つをしっかりと高い位置まで上げてやれることが大きいと思います。

大津:それはレースグレード関係なくですか。

山田:関係ないですね。自分はFI戦だからとかGI戦だからとか関係なく毎回やっています。だからこそ安定に繋がってきたのかなと思います。

大津:以前オッズパークのインタビューで兄の英明さん(山田英明選手・佐賀89期)にお話を伺った際も、目の前の一戦一戦を戦っていきたいと仰っていました。

山田:僕や兄も最初から抜けた脚力があった訳ではなく、デビュー当初から強かったという訳ではありませんでしたから。コツコツと目の前の戦いで結果を出して積み上げてきたタイプだから、一日一日が本当に大切なんです。

大津:佐世保記念の初日特選では九州勢は山田-井上(井上昌己選手・長崎86期)-中川(中川誠一郎選手・熊本85期)での並びとなりましたが、どういう経緯であの並びになったんですか。

山田:昌己さんが最初3番手回るって最初にコメント出してたんですが、昌己さんも地元だし、そこは俺が3番手回るよって誠一郎さんが言ってくれて、それで僕が先頭になって走ることになりました。

大津:初日は新田さん(新田祐大選手・福島90期)の巻き返しが早かったですね。

山田:正直あそこで巻き返してくるとは思ってなかったです。初日特選だし新田さんも試したかったってのもあったと思うんですよね。
でも、そこを読み切れませんでした。僕自身もしっかり先行出来ればと思い踏んだのですが、新田さんには対応できなかったです。
レース後に誠一郎さんとかが「新田さんが出ようと思って踏んできたら、どう頑張っても俺らは出られちゃうよ。仕方ないよ。」って励ましてくれました。

大津:レース後は悔しいというお言葉もありましたが2日目以降は3連勝と立て直したイメージがあります。

山田:2日目も金ヶ江君(金ヶ江勇気選手・佐賀111期)と連携外してしまったのが反省点です。3日目はしっかりと走れました。

大津:2日目は連携外されましたが、そこからもう一度捌いて車間を空けて援護してという動きが光ったように感じたのですが。

山田:落ち着いてはいました。内でも外でも追い上げて、流れの中でもう一度金ヶ江君の後ろは必ず取るぞって。

大津:準決勝戦は本当にこれぞ山田選手っていう動きでしたよね。

山田:周回中は思ってた位置ではなくてヤバイなって感じでした。あの並びだと自分がジャンからカマシて先行する流れで志田君(志田龍星選手・岐阜119期)ともがき合わないといけないですから。
気づいたら自然と体が動いて、先に切って良い位置を取れました。最近そういう動きが自分の中で増えてきました。

大津:体が良いように反応してくれてるってことですか。

山田:そうですね、考える前に体が動いてるってレースが多くなってきました。練習もそうですし、さっきのTwitterのコメントもそうですし、細かい修正をしての積み重ねかと思ってます。

大津:山田さんは緻密にレース前は作戦を考えるタイプですか。

山田:いや、僕は考えないです。番組が出た時に大体の流れは分かるんですが敢えて考えないようにしています。考えちゃうと寝れなくなっちゃうんで。アップ中に考えるくらいです。

大津:その考えを先輩に伝えてって感じですか。

山田:どちらかと言えば聞きに行くことが多いですね。どうしたら良いですかって、先輩に任せることが多いです。

大津:逆だと思ってました。

山田:それこそ最近は昌己さんと連携するときは、昌己さんのいうことを聞いてその通りに走ってます。めちゃくちゃ的確に教えてくれるんです。僕の脚力や、その時の調子も踏まえて作戦を考えてくれるので。

大津:山田さんの中で九州の名参謀は誰なんですか。

山田:それこそ昌己さんですよね。当たるんです、昌己さんの言うことって。「この選手はこうするよ。」って動きが。
後は兄貴に聞いたり、同級生の中本匠栄(中本匠栄選手・熊本97期)とかもよく話しますね。

大津:決勝戦は九州勢の並びが中川-山田-井上と特選とは変わりましたね。どう並ぶんだろうって僕らもとても気になってたんです。

山田:初日も元々昌己さんが3番手って言ってたし、ラインとして誠一郎さん、自分、昌己さんで並ぶのが一番強くなるんじゃないかと思いその並びになりました。

大津:この位置は山田さんとしてもかなり気合いの入る位置だったんじゃないですか。

山田:そうですね、でも走る直前の表情見てると誠一郎さんが一番気合い入ってましたね。もちろん自分も番手を回してもらったので精一杯という思いはありました。

大津:郡司選手(郡司浩平選手・神奈川99期)が当日欠場によりレース展開がガラリと変わったように思います。

山田:これは全選手が感じてたと思うのですが走りづらかったです。九州勢としても郡司選手が居なくなったことで、僕らのラインの2番手3番手に絡んでくる選手も出てくるだろうなって思いました。

大津:流れの中では分断に来られるぞって思ってたんですね。

山田:はい、早い段階から来るんだろうなとは覚悟してました。ただ、そうはならず強い二人が4番手で併走をしてくれたので、九州勢に展開が向いたように思います。

大津:あそこ和田健太郎選手(千葉87期)も守澤選手(守澤太志選手・秋田96期)も引きませんでしたもんね。

山田:同じメンバーで戦うことは滅多にないんですが、似たようなメンバーで戦う時に楽しみですよね。ああいう動きを見せてくれると。
自分も含めてなんですが、「あっ、この選手はこうなった時に引くかな、引かないかな」っていう駆け引きが出来るんで。
守澤さんも和田健さんもああいう場面では引かないって分かったので、それも今後に向けて勉強になりました。

大津:このレースだけではないってことですもんね。

山田:そうですね。例えば僕があの位置に居たら絶対引いてくれないだろうっていうのも分かりましたし、あれがGIの決勝だったらもっとどうなってたんだろうとかって先々のレースにも繋がりますからね。

大津:そういう意味でも実りのある決勝戦になったんですね。

山田:はい。でも、今でも思うんですが反省してるのは昌己さんとワンツーを決めることが出来なかったことです。
自分の中では誠一郎さんが保つかなって感じてて、僕が早く番手から出すぎてもいけないし出なかったら守澤さんと絡まれるとは分かってはいたんですが、その判断が難しくて・・・。
絡まれない位置でいったんですが、やっぱり絡まれてしまってラインで決められなかったっていう反省点があって、終わってからもモヤモヤしながらずっと過ごしてました。

大津:自分は勝ったから、それで良いってわけではないですもんね。

山田:だから今日の最初に優勝した気持ちを聞かれた時にも素直に嬉しいっていう気持ちを伝えられなかったんです。それこそ佐世保記念終わった後のTwitterにも色々書かれてましたから。
先輩が先行して、僕が早めに出て行って後ろの選手とワンツーを決めればファンからしたら信頼はあるでしょうけど、まだ前の選手が踏めてるって思ってる中で、僕が番手から早めに踏むと選手からの信頼はどうかなとか考えてしまいますしね・・・。
もちろん、その逆もあります。選手からすれば良い走りでも車券も買ってるファンからすると良い走りじゃないって思われることもありますから。色んなことを考えながら走っています。

大津:本当に葛藤のあるレースだったんですね。

山田:元々横が好きで追い込み選手になりたかったんです。だけど、番組によっては前を走ることもあるので前も走るんですが。そういった意味で今回の決勝戦は番手を回って、先輩が先行してくれたのに番手で仕事をするっていうことが出来なくて・・・。自分としては横できっちり止めてラインで決めたいっていうのがありましたから。だからこそモヤモヤしちゃってるのかもしれないですね。

大津:ただ、ご自身の成績に目を向けると現在賞金ランキング7位と高い位置にきてますね。

山田:高松宮記念杯競輪で2着に入ったのでたまたまかなって思ってますけど。今年は賞金ランキングの争いに参加出来るようにってやってました。

大津:現実味が帯びてきましたか。

山田:うーん、まぁでも本当に一戦一戦ずっとやっていくって感じなので、どうなるか分からないですが頑張ります。

大津:それでは後半戦に向けてオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いいたします。

山田:一戦一戦頑張るのみです。応援よろしくお願いいたします。

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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。

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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社

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