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田中 純 騎手(佐賀)

2022年09月26日

8月27日に地方通算1000勝を達成した田中純騎手。そのジョッキー人生は2003年に荒尾競馬場でのデビューから始まりましたが、荒尾の廃止、北海道の育成牧場への転職、再びジョッキーを目指しての歩み、と波乱万丈でした。大きな一つの区切りを迎えてのいまの気持ち、そして奇しくも同時期にスタンド取り壊しが行われた荒尾競馬場について伺いました。

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地方通算1000勝、おめでとうございます。

ありがとうございます。みんなから「もうすぐ1000勝」と言われていて、意識はしていました。1000勝はジョッキーにとって最初の大きな節目の数字で、あと数勝まで迫ったところでちょっと足踏みをしてしまいましたが、達成できてよかったです。

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ダイメイソテツに騎乗し地方通算1000勝達成(写真:佐賀県競馬組合)

田中騎手は荒尾競馬場でデビューし、2011年の荒尾廃止後は北海道の育成牧場に移るも、再び騎手を目指し、12年に再デビューを果たしました。いろんなことのあったジョッキー人生だと思います。

本当にいろいろありました。荒尾競馬場のスタンドがこれまで場外馬券売り場として使われていたようなのですが、それが取り壊されることになって、ちょうど1000勝を達成した頃に最後のお披露目会があったので家族と行きました。スタンドなので、自分たちが仕事をしていた場所ではないですけど、パドックも見て、昔と雰囲気が変わらないなと思いました。もう騎手を続けている人も少ないですし、自分も大きな怪我を経験して、無事にここまで来られただけでも良かったかなと感じました。

いま、各地の地方競馬が売上レコードを更新する好調ぶりを考えると、廃止の悔しさや寂しさに襲われませんでしたか?

廃止からだいぶ時間が経っているので、感傷に浸ることはなかったです。ジョッキーとしてデビューした場所ですし、「ここで乗っていたんだな」という気持ちはありましたけど、実家に帰る時にたまに通る道で、「厩舎が取り壊されたな」とか、「馬場がなくなっている」と見てきていました。言葉に表すのは難しいんですけど、改めてスタンドを見に行って、「頑張ろう」という気持ちになりました。

再デビューを果たし、現在は佐賀競馬場で活躍をしています。ここまでのジョッキー人生を振り返っていかがですか?

18年に2度目の九州ダービー栄城賞を勝った後、落馬して顔面の多発骨折をしたことが一番キツかったです。失明の可能性もあると言われて、手術も6回くらいして。家族に一番迷惑をかけましたし、復帰できるかどうかも微妙なくらいでした。

それでもまたジョッキーに戻りたい、と突き動かされた理由は?

家族もいますし、子供もまだ小さかったので、できる限り頑張りたいなと思いました。それに、言葉では「嫌だ」ということがあっても、心の底ではジョッキーが好きなんですかね(笑)。

最近では重賞を含む5連勝中のタガノキトピロとのコンビで大活躍です。

春には第1回九州クラウンで重賞を勝たせてもらいました。いまは夏休みで休養に上がっていますが、もうすぐ帰ってくると思います。普段はすごくやんちゃなんですけど、レースに行けばすごく優秀で、僕も自信を持って乗っています。この秋は相手がこれまでとはまた違うので、また頑張っていきたいですね。

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3月13日、タガノキトピロで第1回九州クラウン制覇(写真:佐賀県競馬組合)

これからの目標は?

1000勝という区切りができたので、一つ一つ与えられた仕事を全うして、一つでも多く勝てるようにしていきたいです。細く長く続けていけたらいいかなと思っています。

最後に、オッズパーク会員のみなさんにメッセージをお願いします。

インターネットを通じてたくさんの方が応援してくださって、ファンの皆様には本当にいつも感謝しています。最近はいろんな公営競技でYouTubeで発信をしていますが、他競技とのコラボがあれば、僕もどんどん参加したいです。もう昔みたいなことにならないように、競馬場全体で協力して盛り上げていきたいです。

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※インタビュー / 大恵陽子

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