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篠崎 新純選手

2017年09月22日

この夏2度の優勝を果たした102期の篠崎新純(しのざき ますみ)選手(千葉県)。苦しい時期を乗り越えて、2年ぶりの優勝を手にしたお気持ちを伺いました。

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赤見:この夏は絶好調で、2度の優勝本当におめでとうございます。特に8月の佐世保は完全優勝でしたね。

篠崎:ありがとうございます。優勝したのは2年ぶりくらいだったんですけど、いろいろと試行錯誤して自分に合ったトレーニング方法をみつけることができました。もちろん優勝できたことはすごく嬉しかったんですけど、佐世保はコレクションの裏開催だったんですよ。トップの選手が出ていない中での優勝なので、ここでゴールではなくて、まだまだ自分にはできることがあると思っています。調子は上がってきているけど、まだ途中だと思いますね。

赤見:2年間優勝から離れていた期間というのは、葛藤もあったんじゃないですか?

篠崎:そうですね。わたしは102期で1期生として入ったんですけど、ガールズは毎年新しい選手が入って来て、どんどんレベルアップしているんです。競技としてはレベルアップするのはとてもいいことなんですけど、その分勝つのが難しくなっていって。代謝制度が始まって、レースもどんどん厳しくなってます。前のように成績が上がらなくなって、もう優勝できないんじゃないかって弱気になった時もありました。それでも必死に練習をするわけですけど、トレーニングをしても、自分に合っていないものだと成績が下がってしまう。その頃は、「今は新しいことをしているので、成績に繋がらなくても仕方ない」と思いながら踏ん張りました。

赤見:苦しい時期を乗り越えて来たんですね。

篠崎:悩んでいる時、いろいろな方からアドバイスをいただいたんですよ。S級の強い選手からも教えていただいたんですけど、みんな言うことが違っていて。サドル上げた方がいい、下げた方がいいとか、ハンドルについても真逆のことを言われるし。もちろん、みなさんご自分の経験からよかれと思って言ってくれているんですけど、混乱してどうしていいのかわからなくなってしまって。でも今のトレーニング方法にたどり着いて、体的にもですけど、気持ち的にもいろいろなことが腑に落ちたんです。みんな体格が違うんだから、それぞれ合うことは違うんだって。悩んだからこそ今があるので、苦しい時期もいい経験になったんだと思います。

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赤見:篠崎選手は高校生の頃から自転車競技で活躍されていましたが、自転車を始めたきっかけというのは?

篠崎:父がロードが好きだったんです。中学生の時、わたしは陸上部に入りたかったんですけど、学校に陸上部がなくて部活に入っていなくて。父は何かさせたかったみたいで、自転車を勧められました。最初は全然興味なかったんですけど、自転車は競技人口が少ないので、上を目指せるのではないかという思惑に乗せられた感じです(笑)。

赤見:お父さんの思惑通り、日本を代表する選手になったんですね。

篠崎:高校大学と打ち込んで、国内では成績を挙げることができました。本気でオリンピックを目指していたんですけど、でも出場枠を取ることさえできなかったです。世界との壁は大きいと感じました。当時はまだガールズがなかったですし、大学を卒業した時にいったんは自転車から離れたんです。でも3ヵ月くらいで結局戻ることになって。自転車屋さんで働きながら、実業団に入って上を目指すことにしました。

赤見:ガールズ復活と聞いた時はいかがでしたか?

篠崎:復活が決まる前に、エキシビジョンレースをしたんですけど、その時にも呼んでいただいて。本当の創成期の頃から携わらせていただきました。ただ、復活が決まった時にも「すぐガールズへ」という気持ちにはならなかったです。その時働いていた会社にすごくお世話になっていて、土日も大会を優先させていただいていたし、理解してもらって競技を続けて来たので。でも、やっぱりオリンピックを目指すには、働きながらよりも自転車1本でやった方が集中できるのではないかということで、競輪の世界に入る決心をしました。

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赤見:ガールズ1期生である102期はかなり手探りだったそうですね。

篠崎:使用する自転車がカーボンに決まったのは卒業直前だし、試験合格のタイムも決まってなかったんですよ。目指すところがわからなかったのはキツかったですね。教官たちも本当に手探りで、大変だったと思います。いざデビューした時には、ものすごく緊張しました。 競技として自分自身の緊張感があるのはこれまでも経験していましたけど、お客さんの大切なお金が賭かっているという責任を感じました。

赤見:その後何度も優勝して活躍するわけですが、冒頭のお話しのようにここ2年は優勝から遠ざかっていたんですね。

篠崎:気持ちがへこむこともありましたけど、結局自分にはこれしかないという原点に戻りました。父に勧められて始めたことですけど、自転車が好きですし、この世界に入って本当に良かったと思っています。

赤見:今の目標を教えて下さい。

篠崎:自分はまだ上を目指せると思っているので、もっともっと練習して強い選手になりたいです。今は調子が上がっているので、ここからさらに上を目指します。

赤見:では、オッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。

篠崎:まだまだ成長途上ですが、一生懸命がんばるので応援していただけたら嬉しいです。それに、わたしだけじゃなくて、他の選手もみんながんばっています。今は層が厚くなって下の選手はなかなか成績が上げられないのですが、それでもみんな一生懸命上を目指してがんばっているので、応援していただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!

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※インタビュー / 赤見千尋
※写真提供:公益財団法人 JKA

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