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渡邉 一成選手

2018年08月15日

松戸競輪場で行われた『第14回サマーナイトフェスティバル』を優勝した渡邉一成選手(福島88期)。
競輪も、そしてナショナルチームの一員としても長年活躍されている渡邉選手に、サマーナイトフェスティバルの振り返りと、今後や東京オリンピックについてお伺いしました。

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山口:サマーナイトフェスティバル、優勝おめでとうございます。

渡邉:ありがとうございます。

山口:決勝戦は動ける選手が多くいたレースでしたが、振り返っていただいて良いでしょうか。

渡邉:前に壱道(菅田壱道選手・宮城91期)がいたので、全て任せていたんですが、一つだけ「脚力を発揮できる展開にして欲しい。
発揮できずに終わらないで欲しい」と伝えました。
後方になって不発という意味ではなく、インコースに詰まってしまい、仕掛けられない等の展開にはならないように走って欲しいという事ですね。
後方になるのは、全く問題ないです。

山口:注文通り、最後は菅田選手が大外一気に捲っていきましたね。

渡邉:そうですね。彼もこの展開を狙っていたんだと思います。自分も想定はしていましたし、ああいう形(もつれた所を捲る展開)になれば、後は捲れるか捲れないかだけですから。
(菅田選手が、深谷知広選手の番手を取った平原康多選手から)けん制を受けた時に、ちょうど3コーナーにさしかかってしまいました。
そこからは(菅田選手の)スピードが止まって、併走して捲れないように感じたんです。なので自分も前に踏ませてもらったし、4コーナーを回ってから外を踏んだのでは、きっと松戸の短い直線では1着まで届かないと思いました。
申し訳ないですが、自分も壱道のスピードをもらって伸びていたのでそのまま前に、という形でしたね。

山口:深谷選手とも終わった後に検車場でお話しされている様子もありましたが、どんな事を話されていたんですか?

渡邉:はっきりとは覚えていないんですが、今は一緒にナショナルチームでトレーニングをしているので「今のトレーニングだから出来たレースだった」とか
後は決勝の展開の話だったと思います。

山口:今のトレーニング環境はナショナルチームが中心ですよね。

渡邉:そうですね。ただ自分はナショナルチーム在籍も長いので、特に最近どう変わったとかはないです。
もう8年ほど伊豆を拠点にして基本的なトレーニングをしていますね。
『競技との両立』という訳ではなく、ナショナルチームのトレーニングを日々している形ですね。

山口:ナショナルチームの監督がフランス人のブノワ氏に交代してからは、変化はありましたか?

渡邉:最初はやはり戸惑いはありましたね。ただ2年前の9月に交代して、昨年は1年間、自分としては競輪の結果もしっかり出せました。
(昨年は8月オールスター競輪(いわき平)と10月寛仁親王牌(前橋)を優勝しGI2冠)。
今年はまだGII(サマーナイトフェスティバル)優勝だけで、競輪としてはなかなか走れていないんですが、ブノワ氏に交代してからのトレーニングは、結果には繋がっていますね。

山口:サマーナイトフェスティバルでの優勝インタビューの際に「今はすごく調子も上がっているので、オールスター競輪も期待していてください」と答えていましたね。それは今の充実ぶりが言葉になったんでしょうか?

渡邉:もちろんそうです。後は、日々のトレーニングがようやくレースに活かせるようにシフトしてきたという事もあります。
基本的には競技のトレーニングですが、それを競輪に活かせるようにどう変化していくか、自分なりにコツを掴んだという感じですね。
道が見えた気がしたので、自分自身にプレッシャーをかけるつもりもあり、また今年もオールスター競輪は地元のいわき平で行われるので、あのような言葉になりました。

山口:トレーニングが競輪に活かせるようになったというお話について。より実践に近いトレーニングをするようになったということですか?

渡邉:そういう事でもないんですよ。時期によってトレーニングは変化していきます。例えば体が強い人間だったら同じトレーニングをしていても強くなっていくと思うんですが、個々の特徴の差があるので自分には当てはまらない時もありました。
それが、より自分の長所を伸ばしていくようなトレーニングに変わっていきました。
後はナショナルチームとしては8月に大きな大会があるので、それに向けて磨きをかけるものにシフトしていった形ですね。
自分は8月の大会には出られないんですが、日々のトレーニングはチームのみんなと一緒にしているので、自分にも変化が出てきたんだと思います。

山口:競輪の斡旋についても伺いたいんですが、今は監督が決めたレースしか走れないんですか?

渡邉:そうですね。今はS級S班なのでGI、GIIしか出られないんですが、その中でも競技の日程やトレーニングのスケジュールを見ながら決めていくんです。
なので9月の共同通信社杯は自分は出られないんですよ。自分たちの希望も伝えますが、基本的には監督の決めたものですね。

山口:外国人の監督、コーチは日本の競輪については詳しいんですか?

渡邉:ううーん(苦笑)競輪を走ったことのあるコーチもいて、彼は監督に対して「競輪は意外と難しいよ」と言ってくれていますが、監督はまだよくわからないようで、2年経った今もいろんな疑問や「どうして〇〇なの?」と言ってきますね。

山口:不勉強で申し訳ないんですが、東京オリンピックに出るためには、まだいくつか大会に出ないとだめなんですか?

渡邉:今シーズンは10月からワールドカップが始まるんですが、今シーズンと来シーズンのワールドカップと世界選手権、アジア選手権で獲得したポイントの合計でランキングを作り、それにより出場枠が決まるんです。

山口:他の競技にある『自国開催枠』のようなものはないんですか?

渡邉:他の自転車競技(マウンテンバイク、BMX、ロード)は自国枠があるんですが、トラック競技についてはないですね。
というのも、近年トラック競技は好成績を残しているので、自国開催枠がなくても出場権が取れるだろうという判断みたいです。

山口:渡邉選手は東京オリンピックが決定する前からナショナルチームとして活躍されていらっしゃいましたが、2020年が東京に決まった時はいかがでしたか?

渡邉:正直、複雑な心境でした。「やりたい」という自分の思いと「続けなきゃいけない」というプレッシャーが同時に来ましたね。
年齢的なものもありますし、精神的にも。そのくらい4年間は大変です。
さっきも言いましたが、まずはその前の2年間で出場枠を取らないといけない。
出場できるのが決まっていたら、4年に一度ピークを持っていけばいいですが、2年は継続的にモチベーションとコンディション高いところでキープしないといけない。
それはかなりしんどいというのが、今までの経験で判っていますからね。

山口:その中で競輪も、そして東京へ向けても頑張っていらっしゃるんですね。ご家族も一緒に伊豆にいらっしゃるんですか?

渡邉:そうですね、妻と子どもたちも一緒です。家族がいて色々手間のかかる事もしてくれているので、そういう意味で自分は楽をさせてもらっていますし、苦労もかけているし感謝の気持ちは大きいです。

山口:先ほどのお話でも、東京オリンピックへはまだ出場権をかけて戦っていらっしゃいますが、目標など伺っていいですか?

渡邉:自分がどの種目に出るかはわかりませんが、もちろんメダルを狙っています!スプリント、ケイリン、チームスプリントの3つしかないんですが、その時の体調だったり調子で、どの種目で活躍できるかが変わります。まだ本当にどうなるかはわかりませんが、しっかりと自分を高めていくだけです。

山口:オールスター競輪も迫ってきていますが、渡邉選手は連覇がかかりますね。

渡邉:そうですね。今は本当にオールスター競輪だけに集中していますし、連覇しか考えていないです。
それはナショナルチームの監督やコーチにも伝えてあります。

山口:それは連覇ということもですが、一つGIを優勝することで年末に繋がる、という意味もありますか?

渡邉:そうです。今年の出走本数から考えて、絶対賞金ランキングではKEIRINグランプリは走れない、どこかでGIを優勝しないといけないと思っています。
そうなると、去年も優勝しているし、更に地元であるいわき平のオールスター競輪は狙いたいですね。

山口:東京オリンピックも2年を切りましたが、その間に今年のグランプリがあります。渡邉選手にとっての今年のグランプリはどんな風に感じるんでしょう?

渡邉:グランプリ自体はGIを優勝した選手のおまけのレースだと思っているので、まずはやっぱりGIを優勝することですね。
でもその先にグランプリがあれば勝ちたいと思うし、更に先にはオリンピックがあります。
全部に良い結果が伴えば嬉しいですが、もちろん全てがそんなに上手くいくとは思っていないです。
そこは自分の強い意志を持って、良い結果が出るように集中して臨むだけですね。

山口:オールスター競輪へ向けて、特別にしている事はありますか?

渡邉:先ほど話した日々のトレーニングを、少し弱めにと言いますか、疲れを残さないように意識はしています。

山口:いわき平は地元ですが、ご声援も力に変えたいですね。

渡邉:なかなか震災以降は、自分も拠点が伊豆なので、現地のファンの方々と顔を合わせる機会は少なくなってきているので、その前で走るのは楽しみです。
最低限、決勝ですし、優勝までも最低限したいというのが今の気持ちです。

山口:自信もあるように感じられます。それだけ充実している実感があるんですね。

渡邉:はい。それが今年の最大の使命だと思っています。

山口:それでは、最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。

渡邉:きっと皆さんの僕のイメージは、かなり競技色が強くて、競輪というイメージが無く買いにくい、応援しにくい選手だと思うんですが、地元で連覇が出来るように、一戦一戦集中して最高のパフォーマンスで走りたいと思います。
ぜひ買っていただいて大会自体を盛り上げていきたいですし、僕や新田くん(新田佑大選手・福島90期)などナショナルチームのメンバーが活躍すれば、それが新たな競輪のステージに繋がると思います。
そういう新しい部分を期待して、応援していただければ嬉しいです。

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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。

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※写真提供:公益財団法人 JKA

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