原田 研太朗選手
2024年03月04日
選手生活13年6カ月という早さで通算500勝を達成した原田研太朗選手(徳島98期)。
ここまでの選手生活の振り返りや、思い出に残ったレースなど様々なお話を伺いました。
大津:500勝達成おめでとうございます。
原田:ありがとうございます。
大津:原田選手らしい豪快な捲りでしたね。
原田:一回脚を使って最後方からの仕掛けになったんですが思ったより伸びてくれて良かったです。
大津:13年6カ月での達成です。
原田:昔から1着は多いなと思っていました。300勝を達成した時に表彰されたんですが、「こんなに早く達成出来たんだ。」って感じましたね。
大津:2着3着よりも1着が突出して多いですもんね。
原田:自分でも1着選手なのかなって思います。スタイル的にも1着が取りやすいっていうか、自力型なので自分のタイミングで仕掛けられますしね。今は違いますが昔は人の後ろで1着を取らせてもらうこともありました。展開上恵まれることが人より多かった気がします。
大津:ここまでのレースで思い出に残っているレースはありますか。
原田:区切りでいうと100勝、200勝の時ですかね。前半の時のレースのほうが印象には残っています。僕は特別昇級とかして上のクラスに上がったわけではなく、普通の定期昇級で2年かけてS級に上がったんですけど、S級最初のレースが地元の小松島記念(GIII)でした。その予選で勝ったのが100勝目でした。「S級で本当に戦えるのか」って思ってた頃なので、めちゃくちゃ嬉しいという感じではないのですが、思い出に残っています。
200勝は京王閣のダービー(GI)で逃げ切ったんです。特別競輪での逃げ切りですし、その開催では初めてGIの決勝にも乗ったのでよく覚えています。
大津:節目の勝利が地元記念とダービーとは持っていますね。
原田:そうですね。その後、300勝、400勝、500勝と段々淡々としてきてしまっています。「あー、もう300勝なんかー。」って感じで。
大津:それにしても早いペースで勝ち星を積み重ねてきた印象があります。
原田:最初は2年~3年くらいのペースで勝ててました。
大津:勝ち星に対しての意識はかなり持っていましたか。
原田:どの競技でも選手として1着を目指してっていうのは誰しもが持っていることだと思います。
その中で競輪というスポーツはラインという特殊なものがあり、その中での兼ね合いということになるんですが、それでもやはり1着への意識というのは強くあると思います。
狙って取りに行っているわけではなく、頑張って走っていたら結果として1着になったっていう感じですかね。着は後から付いてくるんで。
大津:神山雄一郎選手(栃木61期)が持つ12年1カ月という500勝達成の記録も塗り替えられるのかなって思ったのですが。
原田:400勝を達成した時にはイケるかなぁなんて思ったんですが、最近はあまり勝ててなかったので、500勝まではけっこうかかっちゃいましたね。
大津:勝てなくなった要因として7車立てのレースは関係ありますか。
原田:周りからは7車のほうが良いんじゃないかって言われていたんですが、あんまり僕はそうは思えなくて・・・。やっぱり競輪は9車が良いです。
大津:9車が良いっていうのはどうしてなんですか。
原田:7車はレースが単調になってしまうので9車が良いです。若手や力のある選手はやりやすいかと思うのですが。両方体験しましたけど、走ってて9車のほうが楽しいですね。
大津:2021年から2022年にかけて16連勝したこともありました。
原田:あの時は自転車と身体がマッチして非常に良い感覚でした。脚も綺麗に回っていましたし、上半身の使い方も良かったです。
僕、けっこう波が激しい選手なのでそれが毎度続いているんですが、あの時期は練習の時から凄い良かったです。選手人生の中で一番良かったかと言われるとそうではないですけど30歳を超えた中では、あの頃が感覚一番しっくりきていました。
大津:2022年には「人の後ろは回らない。」という決意表明もありました。
原田:技術的に人の後ろを回るのが向いていなかったというか、けっこう迷惑をかけることも多かったので、そういう話をしました。スタイルとしても前を走るほうが向いてるな、と。色んな人からアドバイスをいただいて答えを出しました。
大津:近年、中四国勢の若手選手の活躍が光りますが、後ろにつけたいという思いはありませんか。
原田:そうですね、でも大概は過去に付いてますからね。多分付いたことのない選手のほうが少ないと思います。
大津:仮に今の犬伏選手(犬伏湧也選手・徳島119期)をマークしたらどうなりそうですか。
原田:付いていけんのちゃいますかね。過去にも離れてるので離れる気がします。
映像で見てても凄いダッシュですし、僕が連携してた時よりも確実に強くなってますから。
大津:このスタイルは今後も変わらずにされる予定ですか。
原田:何歳までやりたいとかは全然決めてなくて納得いくまではやり続けたいです。
年齢を重ねると力は落ちてくるので、その時はもしかしたらスタイルを変えるかもしれません。今のところは前でやりたいって気持ちが強いですね。
大津:今後の目標って何かありますか。
原田:500勝を達成した時にもたくさん聞かれたのですが、今は一戦一戦目の前のレースを頑張るだけです。
以前は特別競輪のレースを頑張りたいとかありましたけど、これまで立てた目標ってのはある程度僕も達成してるんですよね。それ以上の目標ってなると特別を優勝することってなるし、それはさすがにまだまだそこまでのレベルではないですから。なので一つ一つのレースを大切にすることですかね。その積み重ねが特別の出場に繋がりますし、出場すれば勝つチャンスも生まれてきますからね。
大津:最近また調子が上向いている感じがしますがいかがですか。
原田:色々と考えてやっていることが実を結びつつあって、これを継続してやっていければ以前ほどではないですが感覚的には良くなっていくんだろうなって感じています。
大津:高松記念(GIII)では落車のアクシデントがありました。
原田:数年ぶりの落車ですが、幸い大事には至りませんでした。
大津:近況のレースでの課題はありますか。
原田:淡白なレースが多いので位置取りとかをしっかりしていきたいですね。
ただ、この部分に関しては練習というよりも実践の中でしか得られないものがあるのでちょっとずつ勉強と思ってやっていきたいです。淡白なレースは僕らしいといえば僕らしいですが、その中で変化を求めていきたいです。
大津:原田選手らしい破壊力のある走りを期待しているファンの方が多いと思います。
原田:話題のあるレースが出来たら、またオッズパークで取材をしてください。
大津:最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願い致します。
原田:これからも自力選手として頑張りますので僕を一着で買ってください。
これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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