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オートレース選手インタビュー
大病からの復活!!!|加賀谷 建明選手
2022年12月19日

今年の夏に脳と脊髄の腫瘍摘出の為に休場を余儀なくされました。ファン、関係者が心配する中、11月の飯塚GI開設記念で復帰しそのまま優勝!GI初制覇となりました。そして、その次の節には浜松のGIIオートレースメモリアルでも優勝!!とにかく驚かされた2節間。どんな状況だったのか、年末に向けてのお話もお聞きしてきました。

(取材日:2022年12月5日)

インタビュー / AKI

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AKI:大病から復帰節のGIで優勝!そして、GI初制覇!おめでとうございます!お気持ちいかがですか?

加賀谷:ありがとうございます!!いやー、とにかくびっくりです!

AKI:復帰節、まず1走した感触はいかがでしたか?

加賀谷:最初の1レースは"まずはちゃんと走れるのか"というところを確認する感じでした。なので、レースを見てもらったら分かると思うんですが外しか走ってなくて、とにかくレースに参加しようと思って走っていました。けど、走っていくうちに「もう少し大丈夫かな?もう少し行けるかな?」と思って走っていたらどんどん進んで行っちゃって(笑)そのまま進んでいくと「あれ?これ行けんじゃね!?」と思うようになって完全にレースモードになっちゃいましたね。「勝てるかも、勝ちたい!」という思いに変わっていきました。最後はタイヤを滑らしたけど、滑らしたということは全力で勝ちに行っているということだからゴリゴリ行っていましたね。

AKI:レース後の周りの反応はいかがでしたか?

加賀谷:とりあえず走れて良かった!と言われましたし、復帰初日とか関係ないね!とも言われました(笑)走る分には何も問題はなくて本当に良かったです。エンジン自体も悪くなく、もう少し伸びてほしい感じはあったけど、乗り味は良かったです。

AKI:2日目には1着を取りましたが、その時の気持ちはいかがでしたか?

加賀谷:2日目も、初日に1着取れているからとは言え冷静に行こうと思っていたんですが、思った以上にスタートが切れて。あれ?と思った時には同ハンの選手が前にいなくレースモードに切り替わりましたね。「もしかして...?」と思って走っていくうちに先頭に立っちゃって(笑)落ち着いてまずは完走と思っていても、走り出しちゃうと勝ちたいモードになっちゃいましたね。

AKI:そんな中、準決勝戦まで進んでいきました。

加賀谷:復帰節のGIで準決まで進めて満足という気持ちもあったけど、準決はスタートが物凄く切れたんです。1回目のスタートは別府選手(飯塚23期:別府敬剛選手)がフライングを切って再発走に。自分は1回目スタートで浮いてしまって失敗。仕切り直して落ち着いて行こうと思ったら好スタート!2番手、3番手まで切れちゃって。なんか、流れが良かったですね。

AKI:優勝戦は得意の雨予報で走路が濡れるかもしれない、という中でしたがどういう気持ちで過ごされていましたか?

加賀谷:いつもだったら優勝したい!とか思うんですが、やっぱり復帰節で気持ちはまずは無事完走。なので、勝ち上がって優出してもここまで来れたことが凄いことだし、雨予報でも良くて掲示板と思っていました。走路が濡れている方が着はよくなるだろうなぁとは思っていましたが、優勝できるなんて考えてもいませんでした。試走も1番時計でしたが、周平(伊勢崎31期:青山周平選手)もいたし、連に絡めれば!くらいの気持ちでした。常に謙虚な気持ちでいました(笑)

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AKI:ただ、優勝戦はぶっちぎりというレースになりました!!

加賀谷:まずはスタート、空回りさせないようにと思って切ったので外枠の選手には先行されるという想定までしていました。けど、先行されず。少し外の選手が見えて「ここで引いたら行かれる」と思い2コーナーで突っ張りました。そこで展開がよくなり「あれ?これはチャンスだな。」と思っていたら先頭に立っちゃって。「あら!?」と。

AKI:その後、ぶっちぎりの競走になりました!

加賀谷:あれだけ離れていたら音は聞こえないはずなんだけど、なんとなく聞こえてる気がして。追われてる!と思って自分で自分に鞭打って必死でした。誰も来てなかったけど(笑)周回も長く感じましたね。

AKI:ゴール線を切った時はどんな気持ちだったんですか?

加賀谷:「え?まじ?まじ!?嘘でしょ?なにが起こったんだ?」と驚きが大きかったです。けど、レース後に先輩、同期、後輩とみんなが祝福に来てくれて実感しました。嬉しいもありましたが「みんなにありがとう。」という気持ちが強かったですね。みんな本当に心配してくれたし。やったーよりも感謝の気持ちでしたね。

AKI:しかも、この優勝がGI初制覇でした!

加賀谷:20年どんなに頑張っての獲れなかったのに、このタイミングかよ!!となりましたね(笑)ここ!!?って(笑)

AKI:表彰式では涙もありましたね。

加賀谷:ウイニングランで走路に出てきた時点で「あぁ、ちゃんとまた自分のレースが出来るんだなと」と思ったら涙が出てきて。お医者さんには「最悪、麻痺が残ったり今まで通りレースが出来なくなるかもしれない。」と言われていました。なので、またレースが出来たんだなぁと思ったらもう。嬉しい涙というよりホッとした涙、安心した涙でしたね。お客さんも沢山心配してくれていて、SNSでも沢山応援の言葉も貰っていて。表彰式ではファンの方を目の前にしたらまた涙が出てきました。本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。

AKI:その表彰式が終わった後、また雨が降ってきて驚きました!!

加賀谷:いやーびっくりしましたし凄かった!雨予報もなかったのに飯塚オートから出る時に土砂降りになって。もうね、大輔(飯塚27期:故重富大輔選手。今年の4月に病気のため逝去。)が応援してくれていたとしか思えない。準決勝のフライングの時から大輔がいてくれたと思う。優勝戦の日の雨が伸びたこともそうだし。帰る時の雨も祝福の雨みたいでした。一瞬で止みましたし「何、今の雨?」という感じ。絶対に大輔はいたと思います。

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AKI:その感動から、浜松のGIIオートレースメモリアル優勝です!!

加賀谷:こんなの出来過ぎだから、また悪いことが起きないように気をつけないと、と思いながら浜松に入りました。冷静にと。そんな中、エンジンはまずまず、変わらずもう少し伸びが欲しい感じがあるも悪くはないかなという感じ。2日目は試走タイムは出たけどタイヤが低すぎて失敗してしまいました。3日目はタイヤからドドドがきて。けど、なんとか準決には乗れて当日は雨。実は、もう一つ奇跡があるんです。雨は製造されたばかりのタイヤを使うことが多いんですが、休んでいた分タイヤを買っていなくて新しいタイヤがなかったんです。タイヤも困るなと思っていたんですが、スーパースター用のタイヤがGIの時に送られてきていて新しいタイヤで挑めたんです。これも巡りあわせですね。そして、GIIの準決勝戦でも新しいタイヤで勝負ができました。

AKI:優勝戦はGIの時とは違い晴れの良走路になりました。その辺りはいかがでしたか?

加賀谷:走路もそうだけど、ハンデの位置も金子(浜松29期:金子大輔選手)よりも外でだいぶ厳しいなと思っていましたし、着を落とさないようにしっかり走ろうという気持ちでした。最近はスタートの切れが良くなってるとは思っていたけど、まさかあんなに良いスタートが切れるなんて。上がりタイムも3.345が出るとは思いませんでした。トップスタート切った後も頑張って走っていたけど、周りは早い人ばかりだし「いつ来るんだ?いつ来るんだ?」と思いながら一生懸命でした。後からリプレイ見て「こんなに離れてたんだ!」となりました。また自分1人で焦ってました(笑)

AKI:ゴール線を切った時はどんなお気持ちでしたか?

加賀谷:GIの時と同様に「え?嘘だろ!?」と驚きました。けど、GIIの時の方が嬉しいという気持ち、やったー!という気持ちが、優勝できて信じられないという中でもありました。

AKI:年末も出場できるのかな?と心配されていた方も多かったと思います。

加賀谷:そうですよね。自分自身、復帰戦の結果だったりでスーパースターは出られない可能性も考えていたので結果が出て本当に良かったです。摘出した腫瘍も結果良性で。年末もレースができるメドが立って本当に安心しました。

AKI:今年のスーパースターは消音マフラーでの開催となりますが、消音マフラーに関してはいかがですか?

加賀谷:最初は苦手だったんだけど、今は苦手意識はないですね。消音マフラーはエンジンとの相性が大きいと思います。今は消音マフラー用の"コハク"と通常マフラー用の"ビックボス"を使い分けています。以前、成績が良い車で消音マフラーを付けてレースをしたらボロボロで。その後、消音マフラーでダメだったのでちょこちょこ扱ったらエンジン自体が崩れてしまったんです。なので、消音は消音と切り離して考えようと思い車を分けるようにしました。コハクで乗るようにしたら消音に合ってくれて上手く走れるようになりました。ただ、今回また別に新車を買ってあって。まだデビューしてないんだけど"プログレス"という車です。プログレスは「進歩」という意味。手術してまだこの歳になっても上を目指していくぞ、という意味を込めています。名前の響と意味が今の自分にいいなと思って付けました。まずは新車に乗ってみて年末どの車で走るか決めます。

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AKI:色々あった2022年だと思いますが、ここまで振り返っていかがですか?

加賀谷:本当に色々ありましたね。レースではSGで2度優出して、川口のGIでも2度優出して良いことがあったと思ったら、今後の人生どうなるか分からないような状態、どん底まで叩き落とされて。けど、、復帰節でGI初優勝からグレード連続優勝と波はとにかく激しかったですね。少し首が曲がりづらいとかはありますが、レース感ももう大丈夫ですし、本当に沢山の方の言葉に助けられた1年でした。

AKI:1年の締めくくりがスーパースターとなりました。意気込みをお願いします!

加賀谷:前回は初めてのスーパースターで「こんな凄い人たちと走るんだ。絶対勝てないじゃん。」と気持ちから負けていてただ参加するだけという感じ。けど、今回は2回目で少し落ち着いているし良い流れが来ているので、王座決定戦まで残って良い結果を残したいなと思っています。GIとGIIで鈴木圭一郎選手や青山選手に勝てて「五分に戦えてたぞ。」という気持ちで臨んでいけるのが大きいですね。欲が出てきました。前回とは全然違いますし、楽しみです。スタートも凄く向上していて。実は、SGオールスターの3節前くらいに黒川(川口33期:黒川京介選手)にクラッチのセッティングを聞いて、丸々そのセッティングにしてみたんです。切り方も変えてみて。最初は上手く切れなかったけど、だんだん切れるようになってきて自分のものなったと思います。今は凄く切れるようになって、ある程度切れば勝負できるぞと思えるようになっています。なので、スタートからしっかり切って勝負したいと思います。

AKI:それでは最後に、ファンの皆様にメッセージをお願いします。

加賀谷:感謝の気持ちでいっぱいです。病院にいる時、凄く辛い時に応援の言葉を見て支えになりました。この感謝の気持ちをしっかり走って結果を残して恩返しをしたいと思っています。期待してくださっている方の為にも年末で良いレースをできるように頑張ります!

(写真は、飯塚オート、浜松オートより)

インタビュー / AKI

福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。

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