2023年4月11日、飯塚オートでデビュー初優勝を飾りました。怪我をして長期離脱を余儀なくされることもありましたが、それを乗り越え女子レーサー10人目の優勝者となりました。初優勝のこと、ここまでの選手生活、今後の目標や課題などお話ししていただきました。
(取材日:2023年5月15日)
インタビュー / AKI
AKI:デビュー初優勝おめでとうございます!
金田:ありがとうございます!
AKI:優勝した節の車の状態は良かったと思うんですが、改めて振り返っていかがですか?
金田:車の状態は良かったんですけど、有吉さん(飯塚25期:有吉辰也選手)とよく同じレースに組まれて毎回負けていました。だから「優勝は厳しいだろうなぁ」と走る前は思っていて。しかも、同期の落合(浜松33期:落合巧選手)もいて、「今回は落合かなぁ」とまで思っていました。大体、自分が走る時って状態面やメンバーを見てこうかなぁと思っているので、まさか優勝が出来るなんてびっくりしました。
AKI:ただ、エンジン状態を振り返るとかなり良い状態でしたよね?
金田:はい!今年に入って状態は良くって、大きなことはしていませんでした。いつも自分の整備は音を必死に聞いてセッティングを扱うことを繰り返しています。勝てない時はパーツ交換でどうとかではなく自分の技量不足なので、まずは整備で色々試しながら練習しながらという感じです。セッティングが合わないととにかく乗れないのでいつも必死。特に今時期とか季節の変わり目はセッティングがズレやすいじゃないですか。だから、初日からセッティングを扱うのに必死ですね。後はナイターも難しいです。ただ、消音マフラーは跳ねが治るので本当に良いです。今回の初優勝も跳ねなかったのが大きいですね。たまたまセッティングも合ってくれて。去年なんかは何をしてもセッティングが合わなくて迷子になってました。そうなると本当に乗れなくなります。ただ、今年に入ってからエンジンベースがずっと良いですし、色々試してセッティングも合うようになってきたのが大きいです。
AKI:整備的に何か良いところが見つかった感じですか?
金田:音とかも兄貴が(浜松28期:鈴木健吾選手)が色々教えてくれていて。自分の車と、健吾さんの車をかけ比べさせてもらったり一から教えてもらいました。そこから整備の方向性は本当に少しずつではあるんですが分かってきたかなという感じ。そして、その整備が当たれば走れるかなぁという感じになってきました。本当に少しずつですが分かってきた気がします。
AKI:最近は試走タイムも出るようになりましたよね!
金田:そうなんです!最初はあまりにも試走タイムがでず「試走やだ!」と思っていたんですが(笑)最近は試走タイムからしっかり出せるようになりました。
AKI:準決では同期の佐伯選手(山陽33期:佐伯拓実選手)が10m前にいて、2号車に金田選手でしたが振り返っていかがですか?
金田:周りには「どう捌くのかな?」とレース前に言われていました(笑)結果はスタートで叩く形になってびっくり。まさかスタートでかわせると思ってなかったので本当に良い展開を作れました。優勝した節はずっと後半レースを走っていて、今考えると流れがすごく良かったですね。昼の練習では乗りづらかったんですが、レースは夜の時間帯なので「昼間にエンジンが合わないのは当たり前!」と自分に言い聞かせて焦らないようにしていました状態が良いのはもちろん、後半レースを走らせてもらって、優勝戦は新人選手が前にいたのでロングハンデ戦になり。ロングハンデ線になるのは私にとってはラッキーでした。やっぱり後ろの選手には短ハンデ戦だとすぐに追いつかれてします。けど、ロングハンデなら後ろの選手がスタートで少し体勢を作りにくい分、自分にとってはラッキーですよね。レース道中も後ろが少しごたついたところもあって自分にとって良い流れが出来上がっていました。それでも、試走タイム3.33も出て手応えはありましたが、後ろが速いしスタートで角度があるとはいえ追いつかれると思っていました。自分の車も良いけど後ろも速いという感じ。なので、優勝できるという気持ちは0%でした。自分ではないな、と。
AKI:先頭に立ってからはどういう思いでしたか?
金田:後半は後ろの気配もないので「もうこのまま優勝させて!!」と思っていました(笑)「お願いお願い、来ないで!!!!!」という感じです(笑)必死でした。消音でエンジンの音も小さいので後ろが来てるかも分からないですし。けど、影は見えてなかったのでもしかしたらいないかもと。ただ、レース後半垂れるのが私なので気は抜けませんでした。「やばいやばいどうしよう。」という感じ。なので、リプレイを見返したら思ったよりも距離があったので意外でした。
AKI:ゴール線通過した瞬間はどんな気持ちでしたか?
金田:やった!抜かれんかったー!!と嬉しかったですね。ただ、すぐに優勝したという感覚はなく、インタビューしながらも「あれ、本当に優勝したのかな?なんでここに立ってるんだろう?」と不思議な感じでした(笑)その後、家に帰ってからも実感はあまりありませんでした。できると思ってなかったからこそ実感がなかったのかもしれません。気負わず臨んだ分「本当に優勝できたのかな?」という方が大きかったですね。今はだいぶ優勝したんだな!と思えるようになりました。
AKI:ここまで怪我も多かったですよね。
金田:そうなんです。怪我が本当に大きかったですね。本当に骨が折れやすくって。トータルでいったら選手生活の2年くらいは怪我で休んでました。なので、きつい時期もありましたし、なんでこんな危ない仕事してるんだろうと思ったこともありました。
AKI:それでも、とても憧れてオートレーサーになりたかったんですよね!
金田:はい!元々は実家が浜松オートの近くてエンジンの音がよく聞こえていました。けど、行ったことはなく。高校生の時に友達が行くと聞いてついて行ったのが初めてです。そこで、伊藤信夫選手(浜松24期:伊藤信夫選手)のファンになりレース場に遊びに行ったら絶対車券を買う選手でしたし、かっこいいなと思っていました。そこから選手の試験に受けようと思って。自分が受けたい時期はなかなか選手募集が行われていなくて、募集がかからないかいつも確認していました。1年以上待ちましたね。その間はトレーニングに励んで。スポーツジムで働いていたんですが、そのジムにトライアスロンのチームがあって、練習に混ざらせてもらって体力作りして試験に備えていました。怪我も多く大変な仕事には間違いないんですが、選手になりたい気持ちが強かった分今も続けられてるんだと思います。せっかくなったからにはそう簡単に辞められませんね。
AKI:デビューしてここまでどんな選手生活ですか?
金田:最近やっとオートレースをしてるって感じがします。最初は逃げるばっかりで、レースに参加というよりは逃げて捌かれるだけ。けど、最近は人を捌く位置からのレースも増えましたし、整備の面でもここを扱ったからこうなった、ここが良くなったというのが少しずつ分かるところが増えてきて面白くなってきました。
AKI:今の課題はなんですか?
金田:やっぱりハンデが下がったので捌きですね。混戦になると「近い!」ってなりますし、上手い人は冷静に対処するから凄いです。内外とどっちにも対応できる体勢をとってるのが凄い。私は「どっちかな?こっちじゃなかった、あっちだった!」と冷静に判断ができていません。今はエンジンは良い分、勉強して余裕を作っていきたいです。
AKI:スタートに関してはどうですか?
金田:周りには安定してきた?と言われるんですけど、自分の中ではまだ苦手意識があります。やっぱりスタート落車で怪我をしたので今でも緊張します。少しずつ安定はしてきたかもですがまだ気持ち的には、ですね。なので、しっかり練習してレースに臨んでいます。同じタイミングで切れれば枠は主張できるかな?ここは行かなきゃという並び、オープンの時とかはしっかりタイミングを攻めています。けど、これはいつかフライングに繋がるので、クラッチのセッティングだったり切り方をもっと上手くならないとと思っています。
AKI:初優勝後のSG開催では1着もあり、準決まで勝ち上がりましたよね!
金田:そうなんです。あの時も乗りやすくて車も良い状態でした。準決は雨で大敗してしまったんですが、勝ち上がれたというのは大きな経験です。それに、結果は大きな着でも苦手な雨でスタートしっかり切れたのは大きな収穫だったと思います。良い経験をさせてもらえました。
AKI:いろんな経験をしながら初優勝を決めましたが、今後の目標は考えていますか?
金田:自分は焦ってしまうのでこれといって目標を決めるタイプではないです。目の前のレースを勝つ、この一節を勝ち上がっていく、を目標にしています。なので、大きい目標は決めず、目の前のレースを一生懸命頑張るのが目標です。
AKI:それでは最後に読んでくださった皆様にメッセージをお願いします。
金田:いつも応援ありがとうございます。応援があったからこそ怪我を乗り越えることができました。本当にありがとうございます。これからも一走一走頑張りますので応援お願いします。
(写真は飯塚オート、川口オートSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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