オートレース選手インタビュー
選手間でも評判の調整巧者|阿部 剛士選手
2025年11月25日

川口オート所属の27期・阿部剛士選手にお話を伺いました。

(取材日:10/8)

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—オートレーサーになろうと思ったきっかけは何ですか?

伊勢崎が隣町で、伊勢崎オートレース場に友達とよく観戦に行っていて、「格好いいな」と思っていました。高校を卒業してすぐの頃ですかね。

—伊勢崎オートを見に行っていた時に、好きな選手はいましたか?

やっぱり、田代さん(元オートレーサー、伊勢崎15期・田代祐一さん)ですね。お客として見ていても、あの突っ込みはしびれましたよ。「自分もオートレーサーになってみたい」って思いましたね。

—試験を受けて、27期で一発合格だったんですか?

いや、26期を受けて一次は受かったけど、二次で落ちて、それで次の27期で受かりました。(合格通知が来た時は)「あっ、選手になれるんだな」って思いました。

—養成所生活はいかがでしたか?

養成所はきついところだと思いますけど、ボクはそこまできついとは感じなかったです。楽しかったです。それまでは野球を小さい頃からやっていました。小学生ではソフトボールで、中高では野球をやっていたので、体力訓練はそこまで厳しくなかったです。

—オートレースのバイクに乗った時はどんな感じでしたか?

ボクはバイクに一切乗ったことがなかったので、「ああ、こんな感じなのか」って思いました。

—デビュー戦のことは覚えていますか?

今はもうあまり覚えていないけど、うっすらですね。24、5年前ですからね。緊張はしていなかったです。一番最初に乗った準決勝戦が、過去で一番緊張したかな。(2着に入れば優勝戦に乗れますもんね)ええ、そんな感じでスタートする時もクラッチから手が離れなかったです。今までで一番緊張したレースですね。

—印象に残っているレースはありますか?

やっぱり、記念で勝てたレースですよね。嬉しいというか、なんというか、「自分でいいのかな」って感じでした。ハンデももらっていたから、「自分が勝っていいのかな」みたいなのはありました。

—ここまでオートレーサーとしてやってきて、嬉しかったことはありますか?

初優勝もそうだし、記念を獲ったのもそうだし、あとはやっぱり、弟子の励(佐藤励選手・川口35期)がSGを獲ったのも嬉しかったですね。

—弟子の活躍は、師匠としても嬉しいですか?

そうですね、それはもちろん。励は本当にまじめだし、好青年だし、ちゃんとしているから、ボクが全然いろんなことを教えなくても、自分で全部できる子なので、師匠としては楽ですよ。ちょっと粗相をした時にボクが出て行って責任を取るくらいで、それ以外は、一切、整備にしても乗るほうにしてもSGを獲っているわけだから、何も教えることはないですよ。逆にボクが彼に教わるほうですよ(笑)。

最初の頃も、指導というほどの指導はそんなにしていないですよ。もともと持っているモノが良かったし、乗るほうもほぼほぼできていましたからね。あとはロードから来た子だから、ロードからオートレースに馴染ませるための乗り方は、青木治ちゃん(青木治親選手・川口29期)が身近にいて経験しているから、治ちゃんも含めて、弟子として来た時に彼には指導はしましたけど、それぐらいじゃないですか。

ロッカーでの作法は、ボクの周りに若い選手がいっぱいいるから、彼らがみんな教えているので、ボクが言わなくても...。その辺も楽ですね(笑)。周りのおかげですよね。応援してくれる人はいっぱいいるに越したことはないし、敵はあまり作らないほうがいいだろうし。

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—ご自身で今、何か取り組んでいることはありますか?

今の時代、若い子たちはスピードも速いし、スタートから早いから、何年か前からスタートが重要になってきていると思うので、ボクの今までの切り方だと遅れるなって実感しているんです。だからスタートの改善はいろいろやってきています。

それは励に教わったりもして、あと、他の若い子たちのマネをしたりとかして、やっていかないと置いていかれるかなと思っているので、今はスタートですかね。今までの切り方を全部捨てて、一からやり直しています。

昔はスタートする時にクラッチをドンと離していたけど、それだと今のボクのスタート力だとダメだなと思ったから、今の速い子たちの離し方みたいな感じで改良して、スタートを改造しています。まだまだ甘いんですけど、ちょっとずつ良くなってきていると思います。

—他の選手たちに取材をしていて、「阿部さんは調整巧者」という話を聞くんですけど、何かご自身の中で理論とかはあるんですか?

(笑)ボクの場合はエンジンの音を聞きながら調整しているだけなので、過去のデータも一切取っていないですし。いい音が出ていてもダメな時があるから、その時はもう「部品かな」みたいな感じで、どこかの部品を疑ったりとかします。

—阿部さんはエンジンが大崩れしない印象がありますよね?

まあ、そうですかね(笑)。普通くらいの状態には作れるようになっていますけど、今は一番後ろから走るとなると、そのエンジンレベルだとかなり厳しいですね。最高ハンデで走るとなると、エンジンを仕上げないと、ボクの腕じゃ互角には戦えないですよ。

—オフの日はどんな過ごし方をされていますか?

ダラダラしていますよ(笑)。最近はよくゴルフの練習には行っていますけど、なかなかうまくならないですね。ゴルフは調整が利かない、合わない(笑)。難しいですね。オンとオフは切り替えています。

—当面の目標を掲げるとしたら?

これといった目標はないですけど、やっぱり、一番後ろで走るに越したことはないですから、一番後ろから走って勝ちたいですね。

—最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。

車券に絡めるように、毎走毎走一生懸命走っているので、応援よろしくお願いいたします。

(オートタイムス編集部)

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