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8月10日〜15日 伊勢崎オートの展望

2024年08月09日

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今年の真夏の祭典は見どころ盛りだくさん


 このタイトルでSG初制覇というシーンを何度も生んできた『オートレースグランプリ』において大会2連覇を2度も達成している青山周平が、史上初の3連覇と史上最多のV5をめざす。冬季のデイレース施行を挟み4月にナイターが再開されて以降の今年の伊勢崎へは18戦に出走して、優勝戦2度4着の他は全勝している。あえて死角を探るとすれば、2月の川口デイレース『SG全日本選抜』あたりから雨走路で敗戦するケースが以前より増えたことか。それでも優勝戦線のトップ集団に今回も位置する。
 7月22日の伊勢崎ナイター普通開催。重走路の決勝戦で青山周を4着にくだして優勝したのが高橋貢。6月下旬の浜松デイレースG2『曳馬野賞』決勝では、半乾きの不安定な走路でも車を自在に操り鈴木圭一郎に完勝してV。先ごろ53歳を迎えたが、歴戦で磨き抜かれた技術の輝きはいささかも鈍っておらず、7年ぶり3度目の栄冠へ虎視眈々。
 彼らと共に『伊勢崎3強』と称される早川清太郎が、今年の成績は勢いを欠いている。今大会と同レベルの強豪が出場した2月『SG全日本選抜』と4月『SGオールスター』(ともに6日制)、3月『G1プレミアムカップ』(5日制)いずれも未勝利に終わった。ただ、6月の伊勢崎ナイターG2『稲妻賞』決勝では青山周や中村雅との大激戦に競り勝って準優勝。そして今回は山陽デイレースG2『小林啓二杯』優出3着からの参戦で、緩やかな角度だとしても上昇気流に乗って臨めそうなのはプラス要素だ。


 若くして輝かしい経歴を築いてきた鈴木圭一郎が、実はまだ手に入れられていないのがグランプリの冠。4連続SG優勝という史上単独最多の記録を持っているが、5連続のかかった2017年のグランプリは決勝まで進みながら高橋貢に敗れて準優勝。その後も決勝2着が1度、3着が3度と、あとわずかのところで手が届いていない。ただ今回は、7月下旬の『G2小林啓二杯』に5戦5勝した時点で、残り5か月もあるのに今年70勝目を挙げて、例年以上の勢いがある。このペースを維持するなら、青山周が昨年末に更新した年間最多勝利数『97勝』の記録を大幅に塗り替えるのは間違いない。デビュー10年を越えて円熟味も出始めた今、史上7人目のSGグランドスラムという新たな勲章を獲得するか。
 

 先月末の川口ダブルヘッダーを2開催にカウントすると、佐藤摩弥は4月の『SGオールスター』から12節も途切れずに優出している。2年連続の準優勝だったオールスターはいずれも飯塚の消音ナイターで実施。今回グランプリは通常マフラーながら伊勢崎ナイター。所は変われど夜開催の8周戦・10周戦の戦い方は経験を積めている。先月には飯塚G2『ミッドナイトチャンピオンカップ』8周回の決戦を制した。グランプリへの優出歴こそないが、伊勢崎ナイターには2022年の夏季に2度優出、1度優勝している。
 2020年代に入って以降、SG戦線における女子レーサーの活躍が増え続けている。そのパイオニアにしてトップランナーであり続けている佐藤摩が、先述したようにSG初Vを多く輩出してきたこの大会でガールズの歴史に新たな1ページを書き加えるかも知れない。


 黒川京介は昨年グランプリ準優勝。1枠から逃げた青山周の影は踏めなかったが、2番手追走の篠原睦を捌いて浮上し、鈴木圭には完勝といえる、価値の高い内容だった。先月『G2小林啓二杯』決勝は「力が入りすぎてスタート空回りさせてしまった」が、その前の節は川口ナイター『キューポラ杯』を制して初めての地元G1獲得。
 佐藤励は1級車に乗り換えて2年目に入ったばかりながら、2級車時代から数多くのグレード開催に出場して強豪たちに揉まれてきた経験値が豊富。今期は飯塚ナイターのオールスターで6戦4勝。地元川口ナイターの『G2川口記念』と『G1キューポラ杯』ともに優出を果たして、前期ランキングA-100から今期S-15へ大躍進した成長ぶりを競走成績に反映させている。


 今年1月にデビューしたばかりながらグレード初出場(もちろんSGも初)を決めた37期ホープたちも今回の注目ポイントだ。
浅倉樹良はデビューから無敗の10連勝(13まで連勝を延ばした)、青山周の記録を塗り替えるデビュー最速22日目での初優勝と記録を次々に樹立。森下輝は2着1度を挟んだがデビューから12戦11勝で初V。福岡鷹も雨の敗戦1度を挟みながら同じくデビュー12戦11勝で初V。まだ2級車なためスタートの不安は抱えるが、非凡なスピードと高い闘志で強豪たちに挑戦する。


 2022年暮れ、休養明けいきなりの快進撃が話題となった加賀谷建明。その休養前のレースは同年8月の『SGオートレースグランプリ』優勝戦であった。歯車がかみ合った際の爆発的なスピードと、走路が濡れているのか疑ってしまうほどの雨走路での速さは、G1クラスを超えられる可能性を感じさせる。
 篠原睦が初めてSGを制した2021年のグランプリ決勝は雨走路での大一番となり、重富大輔もまた初の栄冠へあと一歩まで迫る走りを見せた。重富大と同期の加賀谷が、もし似たような条件で決勝を戦うことになったら、果たしてどのような走りを見せてくれるだろうか。
 


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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-9(29期)〕


鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
黒川 京介〔川口 S-3(33期)〕
佐藤 励〔川口 S-15(35期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-26(31期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-33(27期)〕


浅倉 樹良〔伊勢崎 B-112(37期)〕(次期はA-32)
森下 輝〔浜松 B-112(37期)〕(次期はA-41)
福岡 鷹〔飯塚 B-112(37期)〕(次期はA-101)


 文/鈴木


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