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9月19日〜23日 山陽オートの展望

2024年09月18日

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 『ミスタープレミアム』永井大介の大会10Vあるか


 『特別G1プレミアムカップ』通算V9を誇る永井大介が、大会との相性の良さを活かして青山周平・鈴木圭一郎の前に立ちはだかりたい。
 今年3月に山陽で開催された前回大会は、予選2日間の雨に勝ち上がりを阻まれたが、3日目の一般戦は試走・本走とも好タイムで快勝。走路温度40度台でおこなわれた5月の山陽デイレースは予選〜準決勝戦を2連勝して優出。今開催もそれくらいの本走時計で争われることが想定されるので、経験と実績が有利に作用するか。


 最近の山陽走路との相性でいえば、鈴木圭の右に出る者はいまい。今年の山陽はデイレースのみに23走して、2月『G2若獅子杯争奪戦』での2着2回の他は全勝。3月の前回プレミアムカップ、4月『G1令和グランドチャンピオンカップ』、7月『G2小林啓二杯』の全てを無敗の5連勝で完全V。今年すでに84勝を挙げて、青山周に20勝以上の差をつけている。
 近況はナイター出場が続いているが、直近のデイレースは山陽の一般開催で全勝Vと、無双できる条件が今回は整いすぎている。先月の『SGオートレースグランプリ』決勝は青山周に完敗したが、開催地の伊勢崎は青山周にとって、いわば『庭』であり、今季ほぼ完璧な実績を挙げている山陽へ舞台を移せば、鈴木圭が青山周より優秀な、最高の成績を挙げる可能性は大いにある。現S1青山周をここで倒した上で10月からは、通算9着目の全国ナンバー1勝負服を身にまといたい。


 青山周は2月〜4月の山陽グレード戦3節では立て続けに決勝で鈴木圭の後塵を拝したが、4月飯塚ナイター『SGオールスター』と8月伊勢崎ナイター『SGオートレースグランプリ』はいずれも鈴木圭を下して優勝。重箱の隅をつついて死角を挙げるなら、デイレースの実戦が4か月ぶりである点。だが実力と整備力の卓越している青山周にとっては、その程度はマイナス要素ではないか。


 地元の山陽勢は、S級では丸山智史の勢いが最も高い。『G2小林啓二杯』と一般開催の山陽デイレース2節で準決勝戦へ進んだあと、8月の山陽ミッドナイト2開催に連続優勝。中〜長期の推移としては、4月オールスター初日に落車してから6月頃まで崩していた調子が、小林啓二杯から上向いてきた格好だ。
 もう1人、A級の松尾彩も状態をグングン上げている。『SGオートレースグランプリ』最終日、最重ハンに8車並んだ10mオープン戦の3枠から逃げ切り快勝。丸山智と同じ山陽ミッドナイト2節の着順は411→222。2節目はオール2連対で準優勝。そして続く伊勢崎ナイター『G1ムーンライトチャンピオンカップ』は4走して1・131着(2日目は中止)。最終日はグランプリと同様に最重ハン10mオープン戦の2枠から序盤に先頭を奪うとブッチギリの圧勝劇を披露した。実はまだ優勝したことがないが、近年には中村杏亮が初優勝をグレード戦で決めた例もあり、先ごろ誕生日を迎えた年女が大活躍を見せるか。


 小林瑞季が8月下旬に飯塚ナイター『G1ダイヤモンドレース』を制覇。決勝戦での長田稚也との壮絶な競り合いは見応え満点だった。
 森且行は今月上旬の伊勢崎ナイター『G1ムーンライトチャンピオンカップ』に優出して3着。SG初Vとなった2020年『日本選手権』のあと次の優勝をできていないが、今年は7度優出して着順は8327223と上位争いするケースが確実に増えてきているので、今回の大舞台で復活Vを成し遂げる可能性は十分にある。
 グランプリは落車妨害にフライングと不本意な形になってしまった佐藤励。だがそれでメンタルを下げないのが、並みの若手でないゆえん。翌週の『G1ダイヤモンドレース』で優出を果たすと、今月上旬の川口ナイターでも好走。佐藤励と接触して他落をこうむった上和田拓海もまた『G1ダイヤモンドレース』の準決勝戦まで進むと、今月12日の川口ナイター最終日は最重ハン8枠から捌き上げて圧勝。この両名とも、狭い場所へ入っていけるエンジンの反応が上向いたことが、最近のセールスポイント。
 高橋貢の動向が近況も活発だ。8月下旬の地元ナイター4日制を全勝優勝。続く『ムーンライトチャンピオンカップ』にも優出。プレミアムカップは過去4度制覇、G1タイトル獲得のべ28度、通算218Vと、勝利の方程式を熟知している。
 その方程式をもうすぐ会得できそうなのが鈴木宏和。『ムーンライトチャンピオンカップ』決勝戦は10mオープン戦の外寄り7枠でも2番手発進すると、2枠からトップスタート決めた岩田行雄を1周で差して逃げ態勢。3周で青山周平に捌かれたが、後続を大きく離す2着でゴール。いつかは獲れるはずのグレードタイトル。それは今回になるかも知れない。
 浜松車では金子大輔が上昇ムード。8月『SGオートレースグランプリ』準決勝戦で落車して最終日は身体不良により開催を早退したが、今月の川口ナイターで戦列に復帰すると4日制の着順は1431。最終日は、競り合う木村武之と佐藤励、その前にいた阿部剛士をまとめて差す『はなれわざ』を披露。今年2月には川口デイレース『SG全日本選抜』を制しており、翌3月には山陽デイレース『G1プレミアムカップ』にも優出。総体的に今年は例年と比較しても良い流れで来れている印象。
 荒尾聡は優勝争いとは別の角度からも注目される形で参戦することになった。現在の通算勝ち星が999勝。前節の飯塚デイレースは5戦して3勝。敗れた2走のどちらかを勝てていれば地元ファンの前で大台到達の喜びを分かち合えたのだが持ち越しとなった。それでも、全国のオートレースファンの注目が集まるプレミアムカップの舞台で記録を達成すれば、大会そのものも一層盛り上がることになろう。
 その飯塚の決勝戦で荒尾を捌いて優勝したのが久門徹。今年11回している優出のうち、6月以降の3か月間だけで6度も優出。その全てが飯塚デイレースで、今年3Vも全て飯塚デイ。山陽デイレースでも7月の『G2小林啓二杯』5日制で2勝を挙げており、今夏の西日本の気候にエンジンが合っていると判断できる。
 森本優佑の着取りが安定してきた。今年5月あたりから大敗が減り始めて、今月の飯塚デイレース一般開催は5日間オール3着以内と好走を重ねて準優勝。近況はスタート遅れが減っただけでなく、2周回あたりで3〜4番手に付ける走りが明らかに増えている。今年初めての山陽出場となった2月のナイターに優出すると、4月デイレース『G1令和グランドチャンピオンカップ』ではすでに春の気候へ変わっていたにも関わらず本走タイム3.38秒を連発。そして同月下旬のデイレース一般開催は3日制3連勝でV。先月には伊勢崎『オートレースグランプリ』において初のSG優出を成し遂げて、最近の成長と目下の充実ぶりが光る1車だ。


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主な出場予定選手
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 丸山 智史〔山陽 S-36(31期)〕
 松尾 彩〔山陽 A-37(34期)〕


 青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
 鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
 鈴木 宏和〔浜松 S-4(32期)〕
 高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
 荒尾 聡〔飯塚 S-10(27期)〕
 金子 大輔〔浜松 S-11(29期)〕
 永井 大介〔川口 S-13(25期)〕
 佐藤 励〔川口 S-15(35期)〕
 森 且行〔川口 S-22(25期)〕
 森本 優佑〔飯塚 A-9(31期)〕


 文/鈴木


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