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中本 匠栄選手

2020年10月28日

9月に行われたGII共同通信社杯競輪でビッグレース初制覇となった中本匠栄選手(熊本97期)。3年前に同じ伊東温泉バンクで落車骨折し、今年に入ってからも怪我を繰り返し、心が折れそうな時期もあったと言います。シリーズは本調子ではない中、ラインの力で得た優勝。その決勝戦の振り返り、これからの目標。そして、九州の先輩、後輩、練習仲間への気持ちも伺いました。

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星野:共同通信社杯競輪、優勝おめでとうございます。アクシデントもあった中での優勝でしたが、改めて振り返っていかがですか?

中本:アクシデントも、1着到達のヒデさん(山田英明選手・佐賀89期)の失格もあって喜べなかったし、最初は実感も湧かなかったんですが、周りや家族から祝福されて、今は優勝したことより、祝福してもらった事が嬉しいですね。

星野:今年は二度、怪我をされて万全ではない中の開催だったと思うんですが、状態としてはどうだったんですか?

中本:そうですね。今年は4月と7月に落車して骨折もしました。脚力が戻りきってない中で初日を迎えたので、初日の並びも本来なら僕が前を回らないといけないんでしょうけど、先輩のヒデさんの後ろを回らせてもらったくらいです。

星野:その中で、準決勝のレースはラインの先頭を走って、自分でレースを切り開きましたね。

中本:準決勝は園田さん(園田匠選手・福岡87期)との連携で、前受けから先行ラインの2番手に飛び付く。あのパターンしかないと思っていました。結果、脇本さん(脇本雄太選手・福井94期)には捲られたんですが、園田さんと一緒に決勝戦へ行けてよかったと思います。それに、決勝戦には九州勢が4人揃いました。なかなかないことなので、その内の一人になれたこと、しかも自分で動いて決勝戦に乗れたことが素直に嬉しかったです。

星野:初めての特別の決勝戦はどんな気持ちで走りましたか?

中本:ラインの先頭に賢人(山崎賢人選手・長崎111期)と2番手にヒデさん、3番手に僕、後ろには園田さんがいたので、自分はラインをサポートする気持ちが大きかったですね。僕たち九州勢以外は全員単騎を選んでいて、そのなかには強豪ナショナルチームのメンバーもいたし、位置を狙ってくる選手もいるかもしれないと思っていました。レースは賢人が逃げる展開でスピード上げてくれて、ヒデさんがブロックしてくれて、九州から優勝者が出たのは、ラインの力が大きかったですね。

星野:ゴール体制は、中本選手は2着で1着が審議になりましたが、結果が出るまではどんな心境でしたか?

中本:僕から買ってくれている人もいたので、こんな事を言うのは申し訳ないですが、僕は2着で良いから、セーブであってくれと思っていました。レースが一緒の時は練習の仕方を教えていただいたり、お世話になっている先輩で、頑張っている姿も見ていたので、ヒデさんが優勝して欲しいと思っていました。

星野:その中本選手の気持ちが、表彰式や優勝インタビューからも伝わってきました。さて、この優勝した日(9月21日)が、3年前に大きな怪我をされた日だったんですね。

中本:3年前に同じ伊東温泉バンクで頚椎骨折したのは覚えていたんですが、日にちまでは覚えていなくて、レースが終わってから聞きました。レース前でなくて良かったなと、もし先に聞いていたら、意識してしまったと思います。どうしても怪我をしたイメージが抜けなくて、あの日から伊東温泉競輪場の斡旋は受けていなかったんです。それで、今回の共同通信社杯競輪の舞台が伊東温泉競輪で、出場が決まったときは、せっかく走るチャンスをもらえたんだから、走ってみようと決めました。でも、初日はやっぱり怖かったですね。

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星野:その辛い時期を乗り越えたのが、今回の結果に繋がったと思いますが、支えはなんだったんですか?

中本:僕は怪我が多いタイプで、復帰の仕方とか練習方法をいろいろ周りに聞いてやってきました。頚椎骨折から2年ほどは落車もなかったんですが、今年の4月に鎖骨と肋骨を骨折して手術して、ようやく良くなってきたかなって時に、また同じところを骨折して手術して、、、この時は正直心が折れかかりました。でも、合志さん(合志正臣選手・熊本81期)も怪我の多い先輩で、経験を元にアドバイスもらいながらやってきました。家族にも心配をかけましたし、やっぱり周りの人や今の環境が支えてくれてたんだと思います。

星野:これで、GIIの優勝を手にして、賞金ランキングもかなりランクアップしましたが、その辺りはいかがですか?

中本:元々、グランプリに向けての賞金争いをする位置にはいなかったので、怪我も多かった中で、その位置にいられるのは有難い事だと思います。でも、それでモチベーションが上がりすぎると、今やっていることのバランスも壊れそうなので、良い意味で意識できるようにしていきたいですね。

星野:来月には、今年最後のGI、競輪祭がやってきます。

中本:そうですね。今はそこに向けて取り組んでますが、現状を考えても、優勝することは難しいと思います。だけど、一戦一戦、周りから期待される以上に確定板(3着以内)を常に意識していけば、それがいつかGIでの優勝に繋がるんじゃないかなと思います。その為にも今は脚力を戻して、スピードも全体的に上がってますし、レースの中で余裕を持てるくらいにならないと横の動きも出来ませんから、対応していかないとと思っています。怪我から復帰して、レースが続いていましたが、やっと休養も取れるようになりました。なので、少しゆっくり出来たことを次のレースに生かしていきたいですね。

星野:話を伺ってると、中本選手の人柄もうかがえますし、周りの環境も本当に良さそうですね。

中本:今は、熊本も若手が多くなってきて、本当に雰囲気がいいんです。良い仲間に恵まれていると思います。だから、これからはレースでは先輩を引っ張っていって、また、熊本の若手を引っ張っていける選手になっていきたいですね。

星野:では、最後にオッズパークの会員の皆様にメッセージをお願いします。

中本:まずは、僕自身の状態を戻していって、レースではやれることを一つ一つやっていきます。そして、また大きな所で九州の仲間とラインを組めればと思います。これからも、応援よろしくお願いします。

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※インタビュー / 星野めぐみ(ほしのめぐみ)
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。

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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社

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