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児玉 碧衣選手

2022年08月10日

平塚競輪場で行われたガールズケイリン10周年を記念したレース『オッズパーク杯ALL GIRL'S 10th Anniversary』。マキバオー賞を同着で優勝した児玉碧衣選手(福岡108期)にレースの振り返りをお伺いしました。
また6年連続『ガールズケイリン総選挙』で1位に輝きガールズドリームレースを走ります。そちらへの意気込みもお伺いしました。

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山口:平塚での『ALL GIRL'S 10th Anniversary』優勝おめでとうございます。

児玉:ありがとうございます。

山口:参加した率直なお気持ちはいかがですか?

児玉:今まで12レース全部が女子のレースというのはなかったので、かなり賑やかな開催でした。

山口:前検日からセレモニーもありましたね。

児玉:運動会が始まるのかな、と思うような楽しい雰囲気でスタートましたね(笑)このままの雰囲気でレースも行われるのかな、と想像もありましたが、やっぱりレースは勝負なのでメリハリはきっちりあって良かったです。
1期、2期、3期が作り上げてきてくれたガールズケイリンが今まで続いているからこそ、今回のような女子だけのレースができるんだなと思うと、凄く嬉しかったですし感謝です。

山口:1期生に向けて感謝を伝えられたと記事で拝見しました。

児玉:そうですね。少しですがみんなで感謝を伝えさせてもらいました。同期の佐藤亜貴子さん(神奈川108期)が声を上げてくれて、みんなで協力してやりました。

山口:「全員で良いレースを見せるぞ」というような良い雰囲気だったようですね。

児玉:そうですね、意識は高かったと思います。後は売り上げ金額への意識も強かったです。目標が3日間で10億円だと聞いていたので、みんな毎日、毎レース売り上げをチェックしていました。

山口:今まで売り上げを意識してレースを走った事はありましたか?

児玉:意識したことはなかったです。女子だけでなんとか成功したい!という気持ちがみんなにありましたね。
普段の開催だと「男子のレースの中に2レースだけあるおまけ」「集客目的だけのレース」のようなイメージだったので、女子が要望を言っても「女子のワガママ」と思われてしまう状況があるなと感じていました。今回女子だけでも成功させたい、という気持ちがかなり強かったです。

山口:売り上げ目標は大きく上回り実績も作りましたね。

児玉:はい!それを聞いた時は嬉しかったです。

山口:これから女子の意見も通りやすくなると良いですね。

児玉:そうですね、私たち女子だけでも成功させることができたので、次に繋がると思います。

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山口:ではレースも振り返ります。予選は早めの仕掛けでしたね。

児玉:初日、2日目は上りタイムが連日良かったですね。決勝はかなり良いメンバーがそろっていました。

山口:コレクションにも出場経験がある選手たちも多かったですね。

児玉:そうですね。その中でも佐藤水菜選手(神奈川114期)は直前に国際大会で金メダルを獲得してきていたので、国内の選手がどれだけナショナルチームに対抗できるか、なんとか勝ちたかったんですが同着でした。でも金メダリストと同着、というのは自信を持っていいのかなと思います。

山口:悔しい思いもありましたか?

児玉:そうですね。私が先着して「国内で走っていても強いんだぞ」というのを日本代表に見せたかったです。ナショナルチームは最先端のトレーニングを取り入れているし、佐藤選手はナショナルチームに参加して格段に脚力をつけています。
でも国内で頑張っている選手もたくさんいます。少しトゲがあるかもしれませんが、1年間国内で休みなしに頑張っている選手は、ナショナルチームメンバーが大きいレースだけガールズケイリンを走るのに負けたくないと思うし、実際私もそういう気持ちです。なので同着で悔しい部分はあります。

山口:展開は佐藤選手を後方においての先捲りでしたね。

児玉:その展開しかないなと思っていました。連日の佐藤選手の走りを見ると、そういう形じゃないと勝負できないと思っていたので、想定した通りに走れました。

山口:あとは佐藤選手がどこまで迫ってくるか、だったんですね。

児玉:そうですね。

山口:表彰式のシャンパンファイトでは、掛け合うシーンもあり楽しそうでしたね。

児玉:絶対佐藤選手にかけてやろうと思っていました(笑)ゴール直後、佐藤選手が、まだ決着がわからないのにガッツポーズをして注目が全部彼女にいきました。それが気に食わなくて、やり返すのはここだ!と思っていました(笑)

山口:その後、佐藤選手が柳原選手に掛けたことで、より盛り上がりました。

児玉:はい。佐藤選手が私に「(柳原)真緒さんにもかけていいと思いますか?」とこそっと聞いてきたので「いけいけ!」と言いました(笑)

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山口:そうだったんですね。楽しい表彰式を見せてもらいました(笑)
では続いて7月玉野のガールズケイリンフェスティバルを振り返ります。まずは3日間振り返っていかがでしたか?

児玉:去年の函館が、決勝にも乗れてなかったし3日間1着もとれない開催だったので、それに比べると今年は上出来かなと思います。初日に関しては、あのメンバーで逃げ切れたのは自信にもなりました。
予選2は勝負所で内側に封じ込められてしまい、最終ホームでバックを踏んで脚を使わされてしまいました。そこから自分でスピードを上げての捲りで2着でした。
それだけ消耗しての2着だったので、「打鐘ですんなり位置を下げて、前の選手を目標にしての捲りなら1着はあったのかな」とも思いました。
でも勝負所で位置を下げてしまうと「児玉は内側に封じ込めたら、すぐ下げてくれる」というイメージを他の選手に持たれてしまいます。
それは嫌だったんです。そういう葛藤がありました。今後、いろんな考えを持って対処しないといけないなと思いました。

山口:普段の開催でもそういう場面が多く見られる気がしますが、変化は感じますか?

児玉:前からもちょくちょくはあったので、最近は特に、というのはないです。どうしても女子は横に当たれないので、封じ込められてしまうと対処が難しい部分はあります。 でもさっきも言いましたが、すんなり下げるというイメージをつけたくないので、そこは他の選手にアドバイスをもらいながら力をつけていきたいです。

山口:外で封じ込めようとする選手も、それで脚力をロスしてしまうんじゃないかと素人の私は思ってしまいます。

児玉:作戦はいろいろですよね。自分自身で言えることとして、私は横に並ばれるのが嫌なので、その苦手意識はなくしていかないとなと思っています。

山口:今までなかった部分での挑戦ですね。

児玉:そうですね。

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山口:決勝は佐藤水菜選手の後ろに飛びつく形でしたね。

児玉:自分の真後ろに佐藤選手がいて、私と佐藤選手との車間があいていたので「かましてくるかな」と想定はしていました。彼女の後ろに飛びつこうと構えて反応はできたんですが、私のすぐ前にいた尾方真生選手も反応していて、それを見ちゃったのが一番の反省点でした。
去年のオッズパーク杯ガールズグランプリと同じミスをしちゃったんです。尾方選手を気にせず、私が自分で佐藤選手の真後ろに飛びつければ、すんなり追走しゴール勝負もできたかもしれません。でも他人の仕掛けをあてにした結果、負けてしまいました。反省が多い決勝でした。

山口:最終バックストレッチ付近の捲りを乗り越えられない、というより、その前が勝負だったんですね。

児玉:そうですね。尾方選手が佐藤選手に飛びつく動きよりも先に、私の方が反応できていたので、そのまま前に出て仕掛けていれば良かったです。「尾方選手が踏むだろうな」と気にしちゃって、自分が思い切り踏めなかったです。

山口:「児玉選手自身が」飛びつくレースというのは今まであまり見たことがないんですが、ご自身ではどうですか?

児玉:そうですね、あまりないですが、今は若い選手たちがどんどん力をつけているので、頭を使って考えてレースをしないと脚力だけでは勝てません。いろんなことをできるようにしないとな、と思います。

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山口:ここまでビッグレースをすっきり勝ちきれない現状ですが、モチベーション維持はいかがですか?

児玉:今年の目標は具体的にどのレースを勝ちたいなどは決めていなくて「目の前のレースを走りきる」なんです。なのでモチベーションが下がることはないです。
今まではコレクションを勝ちたい、フェスティバルを勝ちたい、グランプリを勝ちたい、と具体的な目標を立てて、それを達成した時にモチベーションが下がってしまうことがありました。
でも今年の目標は「目の前のレース」なので、だからこそビッグレースを勝てていないのかもしれませんが、モチベーションは高いまま維持できています。

山口:今の練習状況はいかがですか?

児玉:先ほどのいろんなことをできるようになりたい、という話も含めて師匠と相談しながらですが、今後いろんな戦法ができるように練習にも取り入れていきたいです。

山口:次回のビッグレースは、ガールズドリームレースです。6年連続のファン投票1位おめでとうございます。

児玉:ありがとうございます。本当にびっくりしています。今年も1位に選ばれるとは思っていなかったです。でもファンの方が期待してくれている証拠なのでなんとか応えたいです。
もう少し時間はあるので、焦らずに自分の課題をクリアしていきたいです。優勝することが恩返しだと思うので、去年もドリームレースは勝っているし、連覇目指して頑張りたいです。

山口:直近で負けている、佐藤水菜選手、後は日野未来選手も繰り上がりました。その意識はいかがですか?

児玉:そこは全く気にしていないです。自分らしく走れば大丈夫と思うタイプなので、そういう気持ちのまま走りたいです。

山口:今年も半分終わりまして、後半戦へ向けてはいかがですか?

児玉:今後も大きな怪我をせずにグランプリまで走り切りたいです。あとは普通の開催でも完全優勝を積み重ねていきたいです。

山口:ありがとうございます。では最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。

児玉:いつもたくさんの応援ありがとうございます。ガールズケイリンフェスティバル決勝でのゴール後落車の怪我も癒え、しっかり自分の力を発揮できるように練習しているのでこれからも応援よろしくお願いします。

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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。

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※写真提供:公益財団法人 JKA

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