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脇本 雄太選手

2022年09月22日

5月の日本選手権に続いて今年2度目、通算7度目のGI制覇 を成し遂げた福井の脇本雄太選手(福井94期)にお話を伺いました。

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大津:オールスター競輪優勝おめでとうございます。

脇本:ありがとうございます。

大津:今年2度目のGIタイトル獲得となりました。

脇本:自分が4連勝したあたりぐらいから、徐々に完全優勝へのプレッシャーだったりとか、期待が高まっている中でのレースだったので、すごく緊張はしましたけど良かったなと思います。

大津:GIでの4連勝も凄いのですが、5連勝での完全優勝というのはよりハードルが高いように思うのですが。

脇本:特に僕は自力ですし、その調子の良し悪しですぐ結果に出てしまうので、その辺も含めてかなり難しい開催だったのかなと思いました。

大津:その中で今回の開催は台風で順延というアクシデントがありましたが、順延したことによって脇本さんの中でプラスに働いた部分や、ちょっと逆に嫌だったのかっていう部分は何かありましたか。

脇本:そうですね、唯一自分の中でプラスだなって思ったのが、シャイニングスター賞が終わった時点で順延というのがもう確定していたので、しっかりその次の日の休みのスケジュールを組むことができたのかなと思うのと、そこに向けてしっかり調整もできたのかなっていう風に思ったのが唯一のところです。
個人的には走りたかったというのが正直な話です。

大津:オールスター競輪の前にジャパントラックカップにも出場されました。参加を決めた理由はなんだったんでしょう。

脇本:そうですね。国内の競技に関しては、自分の日本の競輪のスタイルにある程度負担のないような形で出させてもらって、あくまでもその競技の競輪っていうのは、僕が今まで培ってきた中での経験となるところが多いので、走ることによって自分に何か得るものがあるのかなって 思ったので出場しました。

大津:(競技ではない)競輪にもプラスに働くということですね。

脇本:1日に何本も走りますし、その辺りの体力づくりとか、そののレースに対する気持ちの入れ方だったりとか、その辺はしっかり参考になりますね。

大津:そこからオールスター競輪を走るにあたって状態面はいかがでしたか。

脇本:オールスターはしっかり優勝したいなって気持ちの中でしっかりと調整はできました。
初日のドリームから気持ちを入れないといけないと思っていて、そのあたりもうまくいったのかなという気もします。

大津:ドリームレースは近畿勢は後ろからの組み立てになりました。

脇本:動くラインとしても、深谷君(深谷知広選手・静岡96期)の先行なのか、僕の先行なのかという形の二分戦だったので、どういう形を取るのが正解なのかなと思いながら走っていました。

大津:オッズパークLIVEでもオールスター競輪の様子を放送してたのですが、視聴者様からのコメントで「ワッキー後ろ攻め?」「ワッキー後ろからなんだ!」とビックリしている方も多かったです。

脇本:基本的には僕は後ろから攻めるタイプの人間なんですよ。
最近はやっぱりみんなけん制して僕が前を取らされるレースが多いので、そういう風に見えてしまうのかなというふうに思います。

大津:スタートを取りたくて取っているわけじゃないんですね。

脇本:本来が僕は後ろからカマしに行くスタイルなので、基本的にはやっぱり前受けから引く動作っていうのはいらないかって思ってます。
僕は初めから後ろ攻めでカマシにいくスタイルを取りたいんですけども、それをさせてくれないから僕が前を取って早めに下げる形が定番化してるというか。

大津:本来のスタイルで押し切った初日ですが、手応えはいかがでしたか。

脇本:やっぱり深谷君の突っ張りをどこまで警戒するかで、やっぱりその結果っていうのは全然違ったと思うんですけども、その警戒の中で自分がしっかり先頭に出て先行出来たっていうのは、凄く感覚としては良かったですね。

大津:レース後、脇本さんの踏み直しが凄かったと古性選手(古性優作選手・大阪100期)もコメントを残していました。

脇本:僕自身もあのジャンのところで一旦流して先行態勢を取るなんてけっこう久しぶりにやったので、そのあたりも感覚として忘れてなかったかなって思います。

大津:初日のレースが終わった時にオッズパークLIVEのコメントやSNSとかで、もうワッキーの優勝でいいんじゃないかみたいな反応がかなり出てました。

脇本:いやいやいや、そりゃダメですよ(笑)

大津:初日もそうですが、シャイニングスター賞でも強さが際立ったように感じます。

脇本:メンバー構成的にもウィナーズカップの決勝みたいな感じだったので、本当は後手を踏みたくないっていう気持ちだけだったのですが、ジャンのところで深谷君が前出た時点で、僕の中でラッキーっていうような感じでした。
ジャンのところで動きがなくて、あのままレースが運ばれていたら、僕自身もちょっと怪しかったのかなと思ってました。

大津:3走目は台風の影響でコンディションも結構悪かったように思えるんですが、この辺の対応っていうのはいかがですか。

脇本:雨は強かったんですけども、風はギリギリなかったので、その辺もちょっと救われたのかなって思います。
普段の練習も最近は雨降っててもパンクに取ったりとか、ロードに乗ったりとかしてるので、雨への対応は全く問題はないんですけども、雨と風が両方重なった時の練習っていうのは、さすがにやってないですね。

大津:脇本選手でしたら雨風も関係なく切り裂いて行きそうな気もするんですが。

脇本:みんなそういう風に思っていますけど、内心僕自身はそれもしっかり対応しないといけないってプレッシャーがありますね。

大津:どんなコンディションになっても、やっぱり脇本選手にかけられる期待っていうのはオッズとして表れますもんね。

脇本:その辺はどんな悪条件でも評価が変わらないって認識を持っているので、そこに出ているオッズを見てこうやっぱり数字が低いよなと思いながら走っています。

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大津:決勝戦で並びに至るまでの経緯はどうだったんでしょうか。

脇本:寺崎君(寺崎浩平選手・福井117期)に一声かけにいったら、寺崎君は僕が言う前に「前で頑張らせてください」って言ってきたので番手につこうと思いました。
僕自身も初めてGIの決勝戦に乗った時も、このぐらいの熱い気持ちで先頭を走りたいって先輩方に言ったので、寺崎君の気持ちもしっかり受け止めて、僕自身も番手を固めるっていう認識をしていました。

大津:確かに脇本さんの時も後ろが村上義弘選手(京都73期)と市田さん(市田佳寿浩選手・福井76期)でしたもんね。

脇本:そうです、そうです。

大津:寺崎選手としても後ろが脇本さんで、更にその後ろがGP王者の古性さんですから本当に似たような感じですね。

脇本:多分気持ちの認識としては同じかなっていうように思いました。

大津:今節の寺崎選手の動きはどのように映りましたか。

脇本:かなり強気のレースをしつつも、しっかり勝ち上がっている印象はありましたし、特に3走目のナショナルチームの3分戦の中でもしっかり勝ち上がれているので、力はしっかりつけているなっていうのが印象ありました。

大津:寺崎選手としては初のGI決勝でしたが何か特別なアドバイスはされたのでしょうか。

脇本:アドバイスはしない方がいいって思ってましたので、実際に寺崎君にはアドバイスをしてないです。寺崎君の気持ちを僕が受け止めるだけなので。
どういうレースをしても僕自身をしっかり後輪だけ見ないといけないですし、寺崎君は僕たち2人を付けてどういうレースをするのかっていうのがお互いの心境みたいなのがありますし、そこはお互いを信頼してこういうレースをするって感じです。

大津:あえて何も言わないっていう選択をとられたっていうことなんですね。

脇本:僕自身もGIの決勝戦に上がった時は特に村上さんと市田さんと話もしてなかったですし、「しっかり前で頑張ります」としか言ってなかったです。
寺崎君には位置取りをどこから攻めるかっていうのだけ聞いて後はもう本当にそれに対して任せるみたいな感じですね。

大津:その近畿勢ですが前受けを選択しました。

脇本:寺崎君が前から攻めたいって要望だったので、それに対して古性君や僕が対応するって形でした。

大津:勝負所を振り返っていただけますか。

脇本:やっぱり松浦くん(松浦悠士選手・広島98期)の動きだったりとか、守澤さん(守澤太志選手・秋田96期)の動きだったりとか、やっぱり僕自身がすんなり番手を回ってしまってはいけないっていう心境がフルに働いてるなって印象はありました。

大津:決勝インタビューで松浦さんが「自力自在」ではなくて「自在」っていうコメントを残していらっしゃったんですけども、あの辺っていうのは脇本さんの中で考えたり感じたりする部分というのはありましたか。

脇本:いや、コメントに関しては特に意識はしてなかったんですけど、選手紹介の時に僕たちのラインの後ろにぴったりついていたので、策を考えているんだろうなぁくらいでした。なので選手紹介の段階から警戒はしていました。

大津:その中で松浦さんは分断を狙ってきましたね。

脇本:警戒はしていたんですが、外から攻めてくるのかなって意識が僕の中にあったんですね。新山君(新山響平選手・青森107期)の上昇に対して一緒に出て、僕のところに来るのかなっていうのはちょっと思ってました。内からじゃなくて、外から締め込みにくるのかなって思っていただけに「内っ!?」って思いました。

大津:来るなら外からって意識が強かったってことですね。

脇本:実際に寺崎君が突っ張る態勢を取った時に外を見たら松浦君がいなくて新山君しかいなかったので、しっかり付ききればって思ってたんですけども、誘導退避で内を見た瞬間に松浦君が上昇してることに気付かなくて、すごく不意を突かれた感じでした。

大津:そこからのご自身の中での気持ちの切り替えっていうのはどうでしたか。

脇本:引き切ってから自分がしっかり勝ちに行くための立ち回りをするっていうところに至るまでの時間がかかってしまったなっていう印象はやっぱりありますね。

大津:一番人気になってましたし勝たなきゃいけないっていう使命感も凄かったんじゃないですか。

脇本:やっぱりオッズを見ても、それだけ期待度は高いなと思いますし、その中で慣れない番手戦の中で勝たないといけないっていう中での戦いも、ちょっと僕の中でも動揺はやっぱりありました。

大津:オールスターっていうのは、脇本選手にとってはどんなシリーズになりましたでしょうか。

脇本:オリンピック終わって日本の競輪にしっかり戻ってきた中でのオールスターだったので、優勝はしたいっていう気持ちもありましたし、僕が初めてタイトルを取ったのもオールスターですから、そのあたりはやっぱり意識はしてました。

大津:以前オッズパークのインタビューでお答えいただいた時に競輪場の相性っていうよりも、大会の相性を重要視するって仰ってましたもんね。

脇本:僕は大会の相性が良ければ、バンクの相性も覆すことができるっていうような感覚があるんですよね。
もともと西武園自身は相性の良くないバンクなんですけど、オールスターっていう相性がいい大会だったので何とか優勝できたのかなと思いました。

大津:今年は連勝記録もそうですし、年間獲得賞金もお客様はかなり注目していると思います。

脇本:一番言われるのが3億円はもう固いなってことですが、それは言い過ぎです。

大津:本当に言い過ぎですか。

脇本:言い過ぎです(笑)

大津:脇本さんに常識という言葉は通用しない気がするのですが。

脇本:いや、もうそのプレッシャーだけが僕の中でのしかかっていくので大変です。

大津:僕たちは勝手にも期待してるけど、言われる側の重圧もちょっと考えてくれよって思いますもんね。

脇本:いやぁ、言うのは簡単なんですよ。まぁ、でもそういう立場にいさせてもらっているので、そこは僕自身の役目だと思ってますし応えられるように頑張りたいです。

大津:競輪界における「脇本雄太」はそういう存在ですもんね。

脇本:勝っていく中で、プレッシャーとの戦いにもなるのですが、それを跳ね除けて頑張りたいです。

大津:最後にオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いいたします。

脇本:何とかオールスターは完全優勝をすることが出来て、連勝記録も打ち立てることができたんですけども、これもまだまだ満足せずに伸ばしていってグランプリに向けて、またしっかり頑張っていきたいなと思ってます。

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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。

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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社

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