嘉永 泰斗選手
2024年05月15日
4月4日から開催された川崎市制100周年記念桜花賞海老澤清杯(GIII)において自身3度目の記念優勝に輝いた嘉永泰斗選手(熊本113期)に喜びの声を伺いました。
大津:川崎記念(GIII)優勝おめでとうございます。
嘉永:ありがとうございます。
大津:通算3度目の記念優勝ですがお気持ちはいかがですか。
嘉永:3月は流れが悪かったので4月に入って1発目のレースで優勝出来て嬉しかったです。
大津:シリーズを迎えるにあたっての状態面はどうでしたか。
嘉永:状態はかなり良かったと思います。色々と元に戻したんです。そうしたら練習での感じも良くて、「なんかイケるなぁ。」って感じがありました。
大津:元に戻したっていうのは、3月の流れが悪かったことが原因なのでしょうか。
嘉永:それもありますし、練習自体がしっくりきてなかったんです。だから、どうしようかなぁと。シューズのサンだったりを良かった時のものに直してみたらそれがしっくりきたんです。
大津:ウィナーズカップ(GII)は失格もありましたが、初日のレースは強かったように感じました。
嘉永:レースはなんか悪くはないんですけど、練習の時の感覚ですかね。一年くらいしっくりきてなくて。レースは良いんだけど、練習はダメみたいな。
大津:それは感覚として気持ち悪そうですね。
嘉永:そうなんです。昔は練習してても良いなって思うときはあって、その時と何が違うんだろうって考えた時にサンとかを変えたなって、それで元に戻してみようって思いました。戻したら感覚的にバチっときました。
大津:初日は同県の先輩の松岡貴久選手(熊本90期)と見事ワンツーが決まりました。
嘉永:予選回りだったので無理してでも力でねじ伏せようって思って早めに仕掛けていきました。感覚としては2走目以降から良くなったと思います。
大津:松岡さんとも久しぶりの連携だったのではないですか。
嘉永:そうですね、久しぶりでした。松岡さんとは昔から相性が良いんですよ。とても走りやすいですし、ほとんど決まってるんじゃないですかね。
大津:練習も一緒にするのですか。
嘉永:練習は一緒じゃないですね。レースの時だけです。
大津:さきほどお話がありましたが、2走目も強いレースでしたね。
嘉永:新山さん(新山響平選手・青森107期)の上を捲っていったんですが、あのレースが一番手ごたえがありました。初日はちょっと自分のタイミングではなく無理やり仕掛けたんで重かったんです。新山さんの先行を捲れたのは自信になりました。
大津:そして準決勝戦ですがSNSでも嘉永選手の強さが話題になっていました。
嘉永:古性さん(古性優作選手・大阪100期)が3番手を取り切ったので、やっぱり上手いなぁと。古性さんの脚が溜まる前に仕掛けたらチャンスがあるかなって思って、あそこで仕掛けました。古性さんを乗り越えられたので良かったです。
大津:自分が行くべきタイミングで仕掛けられているというのがあるのでしょうか。
嘉永:それが間違いなく一番大きいです。「ここだ!」って時に身体が反応してくれたので、それが良かったです。
大津:今節は嘉永さんが優勝じゃないかという声も多く聞こえました。
嘉永:3日目が終わった段階で北井さん(北井佑季選手・神奈川119期)や眞杉(眞杉匠選手・栃木113期)が勝ち上がってなかったのでチャンスあるなとは正直思っていました。
大津:ただ、郡司選手(郡司浩平選手・神奈川99期)や古性選手、新山選手と決勝戦はメンバーが揃いました。
嘉永:逃げる人が新山さんで、郡司さんや古性さんは位置を取って捲るタイプなのでみんな新山さんの後ろが欲しくて動いて動いてのレースになるだろうから自分で先に動いて取れた位置から捲ろうって考えてました。
大津:新山選手の初手の位置はどう考えていましたか。
嘉永:いつもは前をとっての突っ張り先行ですが、決勝戦は位置をとっての捲る人が多かったので後ろ攻めのレースもあるなって思ってました。今年のいわき平記念(GIII)の決勝戦でも後ろ攻めだったので、そこを経験していた分、対策はしやすかったです。
大津:いわき平の決勝戦では「新山選手の後ろ攻めは意外だった。」って仰っていましたもんね。
嘉永:そうですね、その時は前を取っての突っ張りだと思ってました。けど、後々考えた時に他に先行屋がいない時は自分たちのように新山さんの後ろが欲しい人たちが勝手に動くので、そこを動かしてから行ったほうが良いなって新山さんも思ってんだろうなって感じました。だから川崎記念の決勝戦も同じようになるんじゃないかと。
大津:最後の勝負所はいかがでしたか。
嘉永:郡司さんと松本さん(松本貴治選手・愛媛111期)が前で絡んでいたので行くタイミングが出来ましたね。それがなかったら郡司さんも先に捲ってたでしょうから。
大津:佐藤慎太郎選手(福島78期)のブロックもありましたね。
嘉永:あそこは来るだろうなってのは分かってはいたのですが、やっぱり強烈でしたね。
大津:優勝した時はどんなお気持ちでしたか。
嘉永:素直にやったー!って感じです。
大津:レース後は松岡選手たちと打ち上げなどはされたのでしょうか。
嘉永:いや、僕はその日のうちに帰りました。川崎からだと帰れるので当日に家に着くように飛行機のチケットも予め取っておいたんです。
大津:帰ってからは直ぐに練習されたんですか。
嘉永:5月にはダービー(GI)が控えてますから。元々そっちに目標を置いて頑張っていたので直ぐに練習しました。
大津:良い状態でダービーを迎えられるのではないですか。
嘉永:川崎記念も終わってしっかりと練習も出来ているので楽しみです。
大津:ダービーは特選からのスタートです。
嘉永:これはかなり大きいですよね。予選よりアドバンテージがあるんで3着以内には入りたいですよね。
大津:日本選手権(GI)ではどこに目標をおきますか。
嘉永:まず準決勝戦ですね。そこに乗れたら決勝戦をって感じです。
大津:決勝戦に勝ち上がればタイトルも見えてきます。
嘉永:そうですね、それにダービーは賞金が大きいので優勝じゃなくてもグランプリへ向けて賞金面でもかなり違ってくると思うので頑張りたいですね。
大津:そしてダービーが終わりますと7月には熊本競輪場でのレースが再開されます。
嘉永:109期以降の選手はまだ地元を走れてないので、借り上げではなく本当の地元でお客さんの前で走るのが楽しみです。一発目の記念も獲りたいですし、熊本勢みんなで決勝の舞台に上がっていきたいですよね。
大津:来年には全日本選抜競輪(GI)の開催も決まりましたもんね。
嘉永:地元のGIで優勝出来たら最高ですよね。
大津:同期の眞杉選手が昨年はタイトルを獲りましたし、タイトルへの意識もより強くなったのではないですか。
嘉永:刺激になりますし目標になりますよね。「よし、一丁やってやろう。」って気持ちになります。
大津:ここから今年が終わるまでの目標を聞かせてください。
嘉永:GIの決勝に乗ってタイトル争い出来るようになりたいです。
大津:最後にオッズパークの会員の皆様にメッセージをお願いいたします。
嘉永:ダービーも控えていますし、今年は熊本競輪場も再開するので、もっと活躍出来るように頑張ります。応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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