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岩本 俊介選手

2024年12月11日

今回は競輪グランプリ初出場と来年初のS班が決まりました岩本俊介選手(千葉・94期)にお話をうかがいました。
今年は日本選手権競輪で初の特別競輪決勝で準優勝。そして例年以上の激戦だった<大阪関西万博協賛/第66回朝日新聞社杯競輪祭GI>でも存在感を見せました。
そんな岩本選手に競輪祭までを振り返っていただき、グランプリと来年S班へむけた想いをお聞きしました。

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大村:グランプリ初出場とS班内定おめでとうございます。

岩本:ありがとうございます。

大村:まずは今年のここまでを振り返っていかがでしたか。

岩本:今年は前半戦にかなり調子を上げて凄い結果が出ました。FI・GIII含めて11連勝したりダービーの決勝で2着だったり。
ただ一方でその結果に押しつぶされそうな後半戦でもありました。怪我をしたりと苦戦したんですが最後の最後にグランプリ初出場が待っていてまさに怒涛の一年間でした。

大村:お話に出ましたダービーの2着で賞金ランキング上位となりました。この時点でグランプリ出場は意識されましたか?

岩本:周りの方に言われて「そういうチャンスもあるんだな。」と。なにせこんな結果を出したことが無かったので何が起きたのか、先がどうなるのかまだ分かりませんでした。
ダービーの準優勝はたまたまでないと思っていますから意識しないというと嘘になります。
けど自分の力の程も分かっていますし、良い意味でのはみ出た結果だったのでプレッシャーの有無よりなんとも言えない気持ちでいましたね。実感は湧かないけどそこに結果だけあるという・・・。

大村:さきほど苦戦した後半戦とお話がありましたが、共同通信社杯(宇都宮)初日の落車の影響はどうでしたか。

岩本:落車で鎖骨が折れてしまったんですが、それでも賞金ランキングを考えれば早めに復帰を決めるしかなくて。
けれど怪我を押して走った状態だと僕みたいな超一流でない者はレースで結果を出すのは難しかったですね。

大村:競輪祭の直前に岸和田FIを一本走りました。この時点でコンディションは回復していましたか。

岩本:正直言うと万全といえる状態ではなかったです。自分が思っている練習ができませんでしたから。
それでも徐々に折れた箇所から痛みが引いてくれて競輪祭に向けて追い込みました。ギリギリだけどいつも通りの自分に近づけて前検に入りました。

大村:迎えた競輪祭の初日は会心の逃切りでした。振り返っていかがでしたか。

岩本:やっと追い込む練習ができて体が戻っているかどうかは初日で全部わかると思ったので後ろを振り切って押切れたことで脚が戻った手応えがありました。

大村:同期の脇本選手を意識したレースでしたか?

岩本:あの番組で一番脚力が抜けているのは脇本ですし、他の皆んなも脇本選手の動きを見ながら後ろにしようと考える。その中で自分は3番手の一番いい位置に居ましたね。

大村:酒井雄多選手(福島109期)が前受けで逃げる気満々に見えました。

岩本:ええ。ちょうど打鍾4コーナーあたりで緩んだのでここしかないと仕掛けました。あれ以上待ったら脇本が捲って自分たちは被ったでしょう。

大村:踏み出しは和田健太郎選手(千葉87期)を千切るダッシュでした。

岩本:ダッシュのスピードというよりも不意をついたので健太郎さんが付きにくくて申し訳なかったです。結果は二人とも確定板に上がり、いいポイントを取れたのでホッとしました。

大村:一次予選「2」は松井選手(松井宏佑選手・神奈川113期)マークの番手戦でした。

岩本:松井選手は先行しようという気持ちが非常に強くて自分はしっかり付いていくだけだったんですが、流れの中で阿部(将大)選手(大分117期)に粘られてしまったのは自分にとって一番悪い展開でした。阿部君は初日の着が悪かったから飛びついた場所からはもう引けなかったんでしょう。

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大村:二走した感触はいかがでしたか。

岩本:その前の開催までが自分の思っている走りが出来なかったのに対して、一次予選は感覚と力もいつも通りに戻ってきてこれなら戦えるかなと感じました。

大村:二次予選は再び自力戦でした。結果は5番手捲りが菅田選手の抵抗に遭いました。

岩本:自分が6番車で連携した小原君が5番車でした。あの車番と最終周回のあの位置ならやれることはやったかなと思います。

大村:落車を避けながらゴール前で自転車が進んでいました。

岩本:レースを諦めずに仕掛けられるところから動いたことに意味があったと思います。
落車は残念でしたがそれも含めてレースですから。なんであれ最後の直線もゴールを目指したことでアクシデントを避けて車が届きました。

大村:4走目は準決勝。南関東ラインは郡司選手・深谷選手・岩本選手の並び順でした。

岩本:自分も深谷も郡司に任せていました。あとはレース中の流れに対応するだけでした。
郡司は一度突っ張られてもジャン過ぎにもう一度全力で仕掛けてくれて。気持ちの強さに恐れ入りました。

大村:二度目の発進の際に郡司選手と深谷選手が落車しました。

岩本:落車を避けたのは本当に偶然でした。三番手で前の二人を追うことに必死でしたし、たまたま転倒した二人が自分の踏んでいるコースに居なかっただけです。

大村:その後にインコースを村上選手、菅田選手の順で上がってきました。

岩本:ええ。正直、落車のあとは立て直せませんでした。避けて自分の位置を確保すべきでしたが間に合わなかったですね。
郡司が仕掛けて僕らはそこに離れず付いていくことに集中する・・・ラインでやるべきことはやっていたと思っています。

大村:準決勝、そして最終日のレースを終えて周囲の反応はいかがでしたか。

岩本:賞金ランキング上は準決勝を終えた時点でグランプリの条件が定まったので周囲の関心が高まったのは分かりました。
改めて考えると厳しい条件だったので最終日もやれることをやろうと走りました。

大村:ハイペースな展開の中で空いた内を上がりましたけど外には横が出来る雨谷選手がいて結果9番手の展開でした。

岩本:せめてもうちょっと自分で仕掛けられれば良かったんですけど。

大村:決勝はどのような気持ちで観戦されましたか。

岩本:なんとも言えない感情でしたね。
レースを観ている自分を見られたくなかったので、事前にお願いして最終日のレースを終えた後は先に競輪場を出てました。同県の人たちと打ち上げをするお店に集まって皆んなで携帯で観てました。

大村:ひと足さきに競輪場を出られていたんですね。

岩本:千葉の人たちといっしょにドキドキしながら観てましたよ。

大村:岩本選手のグランプリ出場条件は『脇本選手が優勝し松浦選手が3着以下』。結果はまさにその通りでした。

岩本:決まった瞬間は自分は放心状態で、一緒に観ていた千葉の皆んなが我が事のように喜んでくれたのが印象的でした。
中でも和田健太郎さんは練習こそ別ですけど中村浩士さんと同じく普段から色々と相談に乗ってもらっていて。準決勝の直後も励ましてくれて決勝の瞬間も喜んでくれました。今もあの瞬間の皆んなの喜んでる顔が思い浮かびます。

大村:さぁ、いよいよグランプリです。現時点(11月29日)で対戦メンバーをどのように見てらっしゃいますか?

岩本:並びをひとまず置いて、他の選手を見渡せば皆確実に自分よりも強くて脚のある選手ですから。9人の中には入りましたがその中で9番目なのでチャレンジャーとして挑まなければいけないと思っています。
力以上のものは出ないかもしれませんが、今ある力を振り絞って思い切って胸を借りるつもりでぶつかっていこうという心境です。

大村:展開はもつれそうですか?それとも力勝負寄りのレースでしょうか?

岩本:うーん。まだ車番も出ていないから何とも言えませんが・・・。
地区一車の選手が単騎だったとして、まず仕掛けやすい位置を取りにいくとは思います。なので混戦になるかどうかは流れ次第でしょうね。
言い換えれば車番がハッキリすれば予測が立ちますし、僕たち選手もきちんと組立を考えるのはそれからですね。

大村:公式発表や前夜祭の共同記者会見が楽しみです。グランプリへ向けた準備はどのようなものですか?

岩本:グランプリだから今から何か特別なことを始めようとは考えていないですね。
今までやってきたことでここまで積み上げてきましたから、これまでのやり方で高みをめざそうと思っています。

大村:今年の4月にお話をうかがった際に「目標を持たないようにしている。練習をきちんとして自力を出せば結果がついてきてくれる。」とのお話でした。

岩本:ええ。昔から今出来ることをして、やるべきことをやった先の結果を見て試行錯誤してきました。それでもこうありたいとかは出てきましたけどね。
ただ"目標"としてデーンと立ち上げるのでなく、結果を踏まえて目の前の希望へ向けて頑張るやり方です。
今年はそれが段々と道が拓けました。実現したら素晴らしいなというベクトルへ向いた、そんな感じですね。

大村:後半戦はトンネルを走る心持ちだったと思います。

岩本:競輪祭を終えたときに出口の光りが見えました。

大村:そして来年は初めてのS班です。年明け以降の話で今現在はグランプリへ一点の意識が向いている最中かもしれませんが・・・。

岩本:いえ、そんなことはないです。
まずS級S班に上がることはこれまで応援してくださった皆さんに感謝の気持ちで走らなきゃいけませんし、これから競輪を始めてくださるお客様がいて出走表にSSと書かれてある、目に留まる赤色のレーサーパンツを履いている僕たちを見て「この人たちから買ってみよう!」と思ってくれるかもしれない。

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大村:レースに於いて車券的にも責任のある立場ですね。

岩本:ええ。そのときに下手な走りをするわけにはいかないですからね。
はじめて車券を買ってくれた方が自分から賭けてくれたら、S班だから期待してくれたんだとしたら結果を出さなきゃいけない。なのでそこは何がなんでも頑張りたいですね。

大村:本日はお忙しいところお時間をいただきありがとうございました。最後にオッズパーク読者の皆様へ向けてメッセージをお願いいたします。

岩本:今まで応援してくださったファンの皆様のおかげでこんなすごい結果が待っていました。静岡グランプリに出場し来年はS級S班で走ることになりました!
ファンの皆様や関係者の皆様には何といえば良いのか、お礼の言葉もありません。本当に感謝しています。
これからも精進いたしますのでこれからも応援していただけたら本当に嬉しいです。一生懸命頑張ります!

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※インタビュー / 大村篤史(おおむらあつし)
九州地区の競輪場でレース実況を中心に活動中。
出身地は大阪。1976年生まれ。

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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社

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