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オートレース選手インタビュー
気持ちを強く持って!!|重富 大輔選手
2020年2月 6日

飯塚所属の27期。2019年のスーパースターシリーズ戦で見事優勝!そして、2月7日から始まる地元飯塚GI開設記念のポスターモデルを務めています。年末の優勝から近況の状況、地元グレードへの思いなどをお聞きしてきました。さらには、尊敬する兄貴分の久門選手(飯塚26期・久門徹選手)について、昨年から弟子を取り師匠になっての事、ファンへの感謝の気持ちもお話ししていただきました。

インタビュー / AKI

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AKI:SSシリーズ戦優勝おめでとうございます。改めて振り返ってみていかがですか?

重富:たまたま取れた感じ。初日から、雨、晴れ、晴れ、雨という天気だったんですが、雨に関しては良かったです。けど、晴れのエンジン状態が良くなくて。タイヤの感触は良かったんですが、どうしても整備の方が上手くいきませんでした。常に欲しい所がある感じ。優勝戦のレース前も満足のいく状態ではありませんでした。でも、もう行くしかないなって。ちょこちょこ整備はしていたので満足はしていなかったけどレースに向かいました。

AKI:優勝戦の試走の手応えはいかがでしたか?

重富:出てる方だなぁ、と思いました。けどレースはどうなのかな、と言った感じ。

AKI:スタートに関しては?

重富:その節のスタート自体は良く切れていて、行けたら行こうとは思っていました。いざスタートして、レースはタイヤがグリップして前半は余裕がありました。乗りやすいなと思いましたね。森選手(川口25期・森且行選手)が付いてきてるなぁとは思っていて。けど、音は聞こえているけど入ってはこない...。悪くないと思って途中で「優勝あるかも...!」と思いました。

AKI:緊張はされましたか?

重富:いや、全然。むしろ逆ですね。不思議な感覚です。スタートラインについた時から変な感覚だった。今までにない様な...。

AKI:今まで優勝した時は「優勝できるかも」という感覚はあったりしたんですか?

重富:そうですね。特に昔は多かったですね。行けそうだなって。2018年の地元GIのダイヤモンドレースの時とかは自分に出来る事をしていこう、という考え方になっていました。ただ、今回の優勝はなにかいつもと違うというか。不思議な感覚で。まさか優勝出来るとは思っていなかったっていうのが本音ですね。

AKI:ただ、優勝戦でのエンジンは乗りやすさがあったんですよね?

重富:そうですね。けど、その乗りやすさも6周目まで。後の2周はエンジン的に滑り出していて。そこら辺のエンジンの調整が上手くいってなかったなと自分の中で凄く思いました。納得がいっていない所が残り2周であらわれた感じです。そこは自分の詰めの甘さですね。8周回の残り2周は独特です。ダイヤモンドの時はブチ走路だったのでコースを外さない様に走っている感じだったんですが、この前は良走路でエンジン自体も納得いく状態では無く「負けても仕方ない。」くらいの気持ちだった。開き直って逆に良かったのかもしれないですね。レース前の展開予想ではスタートで4枠の森さんに行かれて包まれて...と考えていたので。やっぱり森さんってスタート速いじゃないですか。なので、「まぁいっか、行けるところまで行こう。」と思っていました。

AKI:スタート行けちゃいましたね!!

重富:あらびっくり!!!(笑)スタート切って驚きました。スタート行ってすぐに森さんが見えていたのでそこだけはしのごうと思っていました。後は、ただただ展開が上手く開いて。自分が展開を作ったという感じでは無くたまたま展開が良くなったんです。

AKI:気持ちも展開も良かったんですね。

重富:凄くリラックスしていました。緊張もほとんどしていなかったですし。けど、そういう時って困るんですよね。

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AKI:なにが困るんですか?

重富:表彰式のインタビューです(笑)レースの後が困るんです。知り合いとかにも言われるんですよ。「ちゃんと内容を考えときなさい。振られる内容とかもだいたい分かるやろ。」って。年末の時は自分の頭の中でスーパースター王座決定戦の前座と言う考えだから何言おうという感じで。言われた事に対しての自分の対応能力のなさ(笑)緊張しちゃうんですよね。変なこと言われんし。皆んな見てるし上手く答えれないんです。

AKI:ロッカーでの取材とかは普通に喋られるのに!(笑)

重富:そう言う時は普通に喋れます。けど、絶対変な事を言われん時の対応がカタコトになるんです。なので、言われた事に答えるだけになりました。けど、身内にはギャップで笑われます(笑)僕も周りの人みたいに喋りたいんですけどね。変な事ばっか言ってしまうので自制してる感じです。

AKI:レースもインタビューも気合が入りすぎない方が良い、という感じですか?

重富:うーん。その時々ですかね(笑)良い緊張感を持つ時と、悪い時の緊張感を持つ時の差があります。開催初日の緊張感は悪い緊張感ですね。僕は結構ネガティブなので落車の事とかを考えてしまいがちなんです。スタートを切ってしまえばなんとも無いんですが。気持ちの制御が大変です。

AKI:体に関しての制御、メンテナンスはどうですか?

重富:2017年の年末、聡(飯塚27期・荒尾聡選手)がスーパースター王座決定戦を取った時に自分はシリーズ戦の3日目に落車をして。その時期落車が続いてたんですが、「聡があんなに頑張ってるのに自分は何をしてるんだろう。」と考えていました。なので、年明けから筋トレしたりダイエットを始めたんです。結果は優出回数が増えて、2018年のダイヤモンドレースで優勝したんです。けど、その後運動は持続せず...(苦笑)間食は控えたりはしていますが、身体にガタもきだしている年齢なので運動をまた始めないとな、とは考えています。

AKI:さて、話は次節の飯塚GI開設記念レース!ポスターモデルになりましたね!

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重富:そうなんです。複雑です。プレッシャーもあるし、レースで変なことはできないし、8着続きもいけないと思っています。背負うとかは無いですが、ポスターに起用してもらっている以上、ある程度の走りはしないとと考えています。結果出さないとなって。

AKI:近況のエンジン状態はいかがですか?

重富:良いですよ。今日(2月1日)晴れのセッティングにしてエンジンの音を聞いてみたんですが、悪くはなさそうですしまだ上がありそうな感じです。年末優勝した時と同じ車で、年始の伊勢崎GIシルクカップでもそこそこ動いてくれていました。2日目に青山周平(伊勢崎31期・青山周平選手)と走って勝ったんで今年のベストレースでした(笑)おし、俺の方が速い!と。シルクはそこで力尽きました(笑)

AKI:今回は地元のグレードですよ!

重富:そうですね。地元の方が力は入りますね。特に今回は12月頭くらいにポスターのお話を頂いてたので、開設記念も目標にしてきました。なので、今節(1月30日〜2月2日)色々とエンジンを扱いたかったんですが、不安定走路ばかりで何も出来ず。ただ、エンジンは良いので壊さない様にはしてきました。楽しみではありますね。楽しみな部分は8割。結構良いところまで来ているとは思います。後は、そのエンジンをどう扱って上積みを求めていこうかなという段階。まずは焦らず。タイヤは色々あります。年末優勝したタイヤもありますし、青山周平を倒したタイヤもあります。後は、心臓(笑)自分の気持ちですね。

AKI:言うと思ってました(笑)

重富:自分は気持ちでかなり左右されるタイプなので、気持ちで乗る事が多いです。兄貴分の久門さん(飯塚26期・久門徹選手)にいつも背中を押してもらってます。「行ってこい!」と言われた日は特に結果を出したいタイプです。久門さんとの関係は良いですね。良い兄貴分に当たりました。可愛がってもらっています。

AKI:ロッカーもお隣で良く密にお話しされていますよね。

重富:そうですね、プライベートでもご飯に行きますし、釣りにも出かけたりします。レース場だけの関係は嫌なので。久門さんと飲みに行った時に「オートレースの仕事から離れたとしても飲みに行きましょうね。」と僕は言っています。

AKI:素敵な関係ですね!

重富:そうなんです。僕は若い時ちゃらんぽらんで久門さんに迷惑をかけてきました。ベラベラ喋るし調子に乗っていました。それで、久門さんは「おまえの弟分どうなっとるんや。」と周りの選手から怒られていたと思います。それでも見放さず、久門さんはずっと付き合ってくれていて。そしたら周りの人たちも可愛がってくれる様になって。感謝ですね、本当。1番は久門さん。後は、中原さん(飯塚26期・中原誠選手)や桜井さん(伊勢崎26期・桜井晴光選手)。あの3人の先輩にはかなり可愛がってもらいました。

AKI:そんなにちゃらんぽらんしてたんですか?(笑)

重富:はい、今は本当に反省してます(笑)思った事を言ってしまうと言うか、自分が考えている事とは違うように相手に伝わってしまって。なので、インタビューなどで変なこと言わない様にしているんです。

AKI:なるほど。過去に色々とあったんですね(笑)

もうトラウマですね(苦笑)自分の言い方、伝え方が悪いんです。それでも久門さんは見放さずケツを拭いてくれて。それで、自分も結果が出てきて。

AKI:久門選手はいつも車と向き合っていて、オートレースへの取り組み方が凄いですよね。

重富:そうなんですよ。久門さんはとにかく徹底してやります。これから先、久門さんの弟子(飯塚33期・中村杏亮選手)も色んなことを教えてもらうと思いますよ。大変な時期もあると思いますが下積みですし。昔はめちゃくちゃ怖かったんですよ、久門さん。けど、今はそこを乗り越えて整備の話やプライベートの話、何でも話す事ができます。

AKI:心強いですね!

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重富:そうなんです。甘えすぎるのも良くないなとは思っているんですが、弟子(飯塚34期・石本圭耶選手)の事をどうやって教えたら良いかとか、相談してしまいますね。

AKI:お弟子さんのお話しが出ましたが、石本選手はどうですか?

重富:圭耶は怪我をしてデビューが遅れ、今もまだ完治はしていないので弟分の杏亮の時の様には言えなくて...。そしたら、それは優しすぎると杏亮に言われる事もあって。自分の時と違います、と(笑)そうかー、と思いながら。本当は言いたいんですけどね。完治してからかなと思うところもあります。完治してからが勝負ですね。まだ、右も左もわからなくてすごく華奢で。それに、今の子なので教えるのが難しいですね。自分の時とは違うので。まだまだ、オートレースの厳しさを分かってないと思うので気持ちの面での変化をさせないとと思っています。もっともっとガッついて欲しいですね。素質はあるので後は、気持ちだったり筋力だったり、キツイ事を沢山乗り越えて頑張って欲しいんです。1日1日を後悔して欲しく無いんですよね。命賭けて仕事してるんで。沢山活躍して収入が上がればそれだけ色んなことが出来るわけだし。せっかくオートレーサーになったならそう思いますけどね。ハングリー精神をもっと出して欲しいです。壁にぶちあったても乗り越えれるか...。今のままじゃ厳しいと思いますよ。まずは気持ちです。

AKI:師匠になって色々考える事があるんですね。

重富:あります。大変です(笑)弟子の様子を見ていると自分の仕事が後になったりするので。やっぱり弟子を取ったからには頑張って欲しいですし、弟子が1番良い方向に行けるようにはサポートしていきたいと思っています。

AKI:そう言う面でも久門選手とは師匠同士の話が出来そうですね!

重富:はい。いろんな話をします。自分達の経験を色々伝えたり、どうしたら分かってくれるのかとか。けど、まだ弟子達には分かってもらえてない部分も多いと思います。「なかなか分かってくれんね...なんでなんかね?」と久門さんと話をしたりします(笑)

AKI:色々お話し頂きましたが、重富選手の大切なところ、課題は"気持ち"ですか?

重富:そこがデカイですね。焦らず仕事して。久門さんに気持ちを押してもらえたら良いんですが、自分1人では出来ないタイプなので。けど、レースはしっかり気持ちを切り替えて頑張ります。

AKI:目標はどうですか?

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重富:綺麗なレースをする事ですね。そこを極めていきたい。というか、久門さんに近づきたいです。自分も綺麗なレースをして勝ちたいです。具体的には危ない事をせず。人に対して危ないレースをしない事。綺麗な三角をきって捌いていって勝ちたい。無理くり人に迷惑をかけてまで1着を取るんじゃなくってしっかり綺麗に捌いて1着を取りたいです。

あとは、選手になってからずっと目標としている事なんですが、親父(父は船橋9期の重富真介元選手)の勝利数、優勝回数を超える事です。親父の勝利数が515回?位で優勝回数が15回?だったかな。だいぶ見えてきましたね。(大輔選手は、勝利数481回、優勝回数14回。2020年2月1日現在。)早く抜いて自分の道を作りたいです。今年の目標は親父超えです。

AKI:自分の見て欲しいところはありますか?

重富:見て欲しいところ...うーん、考えた事なかった(笑)そうですね...あ、中穴狙いの方は是非車券を買って下さい!あとは、今節からヘルメットが変わってるので見て下さい!!

そして、お客さんに感謝していることが多いのでこの場を借りて伝えたいです。お客さんがお金をかけてくれるんで僕たちの仕事が成り立っています。まずは、お客さんに買ってもらって、その感謝の気持ちとして1着を取りに行く。本当に感謝しかないです。ファンの方へのきもちは強いです。ないがしろには絶対できない事だし、お客さんがいないと成り立たない商売なので。未だに覚えているのが、竹谷さんが落車した時に自分も一緒に落ちて。竹谷さんは意識がなくて自分は竹谷さんをずっと叩いてたんです。そしたら、近くにいたお客さんが「竹谷頑張れよー!!」って言ってくれたんです。それを聞いた時はめちゃくちゃ嬉しかった。その一言で凄く救われました。こういう風に思っているお客さんもいるんだ、自分ももっともっと頑張ろうと思いました。応援してくれる人がいて、車券を買ってくれる人がいるからモチベーションにもなって頑張れています。FAXも有難いです。ファンの方への感謝の気持ちは凄くあります。

それでは、最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。

インタビュー記事をご覧いただきありがとうございます。もし良ければ、オートレースを楽しんでもらって、車券を当ててもらって、喜んでもらえたら嬉しいです。オートレースを見た事ない方もこれをきっかけにオートレースを知って、オートレースを楽しいと思ってもらえたら本場に来てください。生のオートレースは迫力が凄いので。是非、オートレースを楽しんで下さい。

インタビュー / AKI

福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。

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