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オートレース選手インタビュー
選手生活で1、2番目に安定している今。努力の日々。|岩見 貴史選手
2020年6月26日

飯塚所属の29期。"やる気、元気"と言えば岩見貴史選手!というくらいにインタビューでのフレーズがお馴染みとなりました。近況はS級での安定に加え、グレードレースでの活躍も目立っています。ご自身で感じる近況の走り、課題、今後の目標、そして、あのフレーズの誕生秘話をお聞きしてきました!

インタビュー / AKI

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AKI:御自身での近況の車の動きはいかがですか?

岩見:安定してますね。選手になって1、2番目位の連対率ですし「S級でも戦えてるな」っていうのが正直な手応えですね。

AKI:前回のランクがA-1だったんですが、そんなに成績が良くないというイメージではありませんでした!

岩見:フライングや反則の付点が多い分と、外枠にいくと中々戦えていないんですよね。スタートが行けなくなって厳しいです。後は、一般戦になるとちょいちょい取りこぼしていたので。けど、最近はそういう事も減ったなぁとは思います。

AKI:なるほど。

岩見:大体、2回S級で走ったら1回A級に下がる、というような感じを繰り返してますね。ただ、ここ2年くらいは少しずつ安定してきています。

AKI:おぉ!それは、捌きの面でという事ですか?

岩見:エンジンですね。

AKI:エンジンの安定ですか!

岩見:はい。あと、ここ1年くらいはフォーク(フロントタイヤを挟み込む2本の棒。ホイールの固定と衝撃吸収も担っています。)をマツバからオイルフォークに替えて、そこから競走タイムが上がったんですよね。
エンジンが良ければ試走からしっかりとタイムが出て。オイルフォークにして最高ハンクラスでも抜けるエンジン作りをしやすくなった感じがします。

AKI:それは乗りやすさが出て、という事ですか?

岩見:実は乗りやすい訳ではなくて。

AKI:不思議!!

岩見:エンジン的に伸びてくれるんでしょうね。マツバよりオイルフォークの方が軽いので、最後のひと伸びが出てくれるんだと思います。

AKI:なるほど。軽い分!

岩見:はい。車が行ってる感じがしますね。

AKI:車が軽い分、最後のスピードに繋がってるという事ですね。

岩見:はい。オイルフォークに替えた頃は車の煽りが出ていて乗りづらかったんですが、タイムが良いから替えれず。最近は自分の操れる感じにはなってきたかなぁと思います。

AKI:以前、新人の頃にオイルフォークにされていたというお話しを聞きましたが、当時はなぜオイルフォークを辞めてしまったんですか?

岩見:23歳くらいの時にオイルフォークでした。同期では、藤岡(山陽29期:藤岡一樹選手)と青木(川口29期:青木治親選手)くらいだったかな。けど、当時はドドドが直らなくて。周りにオイルフォークにしている人も少なくて、ドドドの直し方が分からず。SGでマツバに替えてみたら「1着、1着」と取れて。そういうのもあって少し前までマツバにしていました。

AKI:久々にオイルフォークにしてみようかな?という感じだったんですか?

岩見:少し前に荒尾さん(飯塚27期:荒尾聡選手)がオイルフォークにして。荒尾さんに「つけなよ」とアドバイスを頂きました。それで、「付けますか!」という流れです。

AKI:おぉ!ノリというか割とポンっと替えたんですね!!(笑)

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岩見:そういう素直さは大切だと思っています。言われたことをフットワーク軽く、レスポンス良く出来るのって大切ですね。そこで「自分はちょっと...」となるとそこで止まっちゃうので。なんでも試すようにしています。

AKI:キッカケがあればチャレンジするという姿勢なんですね。

岩見:はい。せっかくキッカケを作ってもらったっていうのもありますよね!その素直さは大人になっても大切にしたいです!(笑)

AKI:その素直さが結果的に良い方向にいってるんですね!

岩見:そうなんですよね。最近は雨がいきなり降り出しても自信持って乗れていますし。

AKI:それはオイルフォークになってから、ということですか?

岩見:はっきりは分からないですけど、アウトコースよりもインコースで走れているのはオイルフォークのおかげなのかな?と思っています。

AKI:マツバとオイルで全然違うものなんですね。

岩見:違いますね。2015年にマツバでGIを獲った時と比べるとパンチ力はないんですが、コンスタントに優出も出来ているし。

AKI:オイルフォークにして安定しているという事ですね。

岩見:はい。一般戦で勝ち切れているというのは僕の中で大きいです。

AKI:飯塚ミッドでの参戦も多いですが、消音マフラーの成績も安定して良いですよね。

岩見:そうですね。色々データを取って自分なりには。

AKI:消音マフラーのセッティングが見つかったんですか?

岩見:結局は通常マフラーと同じようなセッティングになってます。

AKI:そうなんですか!?なら、セッティング一緒でも乗り味とかは変わらないということですか?

岩見:いえ、変わりますよ。消音マフラーの方がブレーキが効きますし、ハネやすいですし、スタートも出ていかないです。その辺は、だいぶ身体で対応できるようになったかなという感じです。

AKI:なるほど。身体の方で修正しているということなんですね。

岩見:そうですね。スタートは出ていかないので切り方を変えてみたり、ブレーキが効きすぎる分いつもよりも突っ込んでみるとか。あとは、消音マフラーとかミッドナイトで走り慣れてない人が前にいたら張りやすいので、早めに待っとくとか。

AKI:頭脳プレーを入れながらですね!!

岩見:僕クラスは小賢しいことしないと勝てないんですよ!(笑)

AKI:(笑)

岩見:色々考えてやらないと。ポテンシャルがそんなに高くないから、ルールの範囲でありとあらゆる事を考えています。それは子供の時からそうなんです!頭も良くない、身体もそんなに大きくない、運動神経も並みの上。人と比べて秀でている部分が無い。
この業界、子供の時からバイク乗ってるとか、運動神経の塊だと思っていて常々なにか上位で戦ってきた人が多いじゃないですか。そんな中、何も無い人間が勝ち残っていく為にはいろんな情報を分析してレースを観て色々考えて。けど、それでも力でねじ伏せられちゃう事もありますよね(笑)その時はごめんなさいってなりますよ(笑)

AKI:色々考えて挑んでも!(笑)

岩見:やっぱりポテンシャルが違うから、ていう部分があります(笑)けど、僕はコツコツと苦手な努力をしています。

AKI:めげずに日々努力しているんですね。

岩見:めげずにやってますね!折れずに頑張っています。折れても1日だけと決めているんです。

AKI:素晴らしい!!!

岩見:時には折れたくなりますけど、折れても1日。

AKI:寝たら立ち直る!!けど、そうじゃないと次の日もあるわけでキツイですよね。

岩見:中には折れない人もいますけどね。そういう人達のメンタル力は半端ねぇなと思っています(笑)

AKI:選手という仕事はメンタル強くないと戦っていけないと思うんですが、みんながみんな強いわけではないですよね。

岩見:そうなんですよ。この業界で強い人って凄くポジティブか凄くネガティブか天然の3種類に分けれると思います!

AKI:たしかに!分かる気がします!

岩見:なので、並みの人間が戦っていくにはどっかで踏ん張りを効かせないと(笑)

AKI:色んな事を考えて挑戦して苦手な努力を頑張っているんですね!

岩見:努力は凄く苦手です。嫌いですね。どっちかというと要領良くポンポンとやっていくタイプなんで。

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AKI:話は変わって、現在グレードはGII、GIを1本ずつですね!

岩見:そうですね。地元のグレードを獲りたいなっていう気持ちはありますね。もう30回くらい挑戦して優勝が無いので。

AKI:最近はグレードでも良いところまでいきませんか?

岩見:うーーん。予選は1着、1着できても結局は準決で5着とか結構あって。

AKI:それは上位ランクとの壁という感じですか?

岩見:というよりも、自分の凡ミスが多いですね。

AKI:レースの時は慌てちゃう感じですか?

岩見:いや、慌てるという感じではないですね。冷静というわけでもないですが。行ってみよう、やってみようというタイプです。だから、付点が多いのかな。せっかちなんですよね。待てない。

AKI:なるほど。ワンテンポ置いて次で仕掛けるというよりもすぐに仕掛けたい、という感じなんですね。

岩見:位置的にもそうなんですよね。8号車の選手を抱えて走っている位置なので外枠の選手が来る前に先に行かないと、という認識はあります。なので、8号車で走っている時は冷静に走ってます。自分は位置によってレースの組み立て方が違いますね。

AKI:レースの組み立て方のお話が出ましたが、岩見選手はスタートが速いという印象の方が多いと思いますが、ご自身ではどうですか?

岩見:そう思ってもらえてたら嬉しいですし、スタートは若い時から大切だと思っていました。あと、29期は新型クラッチの養成もあって新型の良さを活かせればという思いが頭にありました。昔はそこまでスタート練習をがっつりするという風習では無かったんですが、スタートは大切になってくると考えていたし、早くものにしていこうと思っていましたね。

AKI:今はそのスタートが武器になってますよね。

岩見:ただ、最近はスタート練習もみんな行きますし全体的なレベルが上がってきて、その上を行かないといけないので正直しんどいですね。

AKI:やっぱり!!全体的にスタート速くなってきていますよね!

岩見:そうなんです。今年の若獅子(2020年2月開催)でコテンパンにされて...。くろちゃん(川口33期:黒川京介選手)にいかれ、瑞季(川口32期:小林瑞季選手)には決勝で先行されかけて。そういうのもあって、クラッチのセッティングとかを考え直して煮詰めて。5月のSGではキレ出していたので色々やっていくのは大切だな、と感じています。

AKI:それこそ、SGで活躍して1着とってインタビューに登場するイメージがあります!

岩見:SGの方が楽な部分もあります(笑)

AKI:スタート行ってしまえば(笑)となれば、レースのペースは遅いほうではないという感じですか?

岩見:実は、1人で走るの好きなんですよ!ペースが上がらないような選手に見えて、実はそんなに遅くないと思います。スタート行ってしまえばトップクラスの選手と変わらないタイムで上がってるんですよ。後ろにぴたっとつけられたりはしてますが!(笑)

AKI:(笑)となると、やはりスタートは武器ですね!

岩見:昔から逃げるのが得意な方だったんですが、今でも練習の最後の方に走路に出て1人でペースを上げる練習をしています。

AKI:こうなればスタート行きましょう!!そして、地元グレードですね!

岩見:獲りたいですね。このタイトルが欲しいというより、地元でグレードを獲りたいです。荒尾さんがSG獲取ったのも凄く羨ましかったなぁ(笑)「いいなー。地元SGとかバリカッコいいじゃん!しかも連覇でしょ!?」って思っていました(笑)

AKI:確かにカッコいいですね(笑)

岩見:けど、先輩にああいう選手がいるっていうのは心強いですよね。整備の面とかで結構話すことも多いですし。

AKI:羨ましいけど?(笑)

岩見:羨ましいね〜(笑)

AKI:武器であるスタートへの想いを教えていただきましたが、現在の課題はなんだと思いますか?

岩見:やっぱりレース道中で揉まれた時に弱い。混戦に弱いことですかね。

AKI:そこはテクニックになるんですか?

岩見:テクニックというか自信をつけるしかないですよね。自分より上位の選手にも仕掛けに行く。その為にはエンジン作りですよ。僕の中での渾身のレースというのが今年あるんですけど。その時くらい捌ければSGの準決でスタート遅れても良いレースが出来るのかなと思います。
ちなみに、3月のプレミアムカップ初日(2020年3月22日)で、スタートで良い位置につけれずに道中は6番手まで下がっていたんです。けど、その後に金子(浜松29期:金子大輔選手)や加賀谷さん(川口27期:加賀谷建明選手)、有吉さん(飯塚25期:有吉辰也選手)も抜きました!結果的には3着だったんですが、あのレースは5本指に入るくらい渾身のレースでしたね!

AKI:大きな3着ですよね!!そういうレースを増やしていきたいんですね。

岩見:あの時はエンジンの状態が良かったんで「エンジン作れば戦えるな」とは思いましたね。ただ、エンジンに不安があると仕掛けるところまでいかないレースもあるのでエンジン作りは大切ですね。

AKI:テクニックよりもエンジンを良いところで安定させて混戦のレースも戦えるようになりたい、ということですね!

岩見:そうですね。

AKI:目標という部分では「地元グレード制覇」になりますか?

岩見:んー。スーパースターに出てみたいなっていう想いはありますね。一緒くらいですかね、スーパースター出たいなっていうのと地元のグレード獲りたいなっていうのは。両方叶えば良いですよね、調子が良い時にトントンっと。

AKI:SG優出の壁は高いですか?

岩見:高いけど優出した事はありますからね!(笑)3回くらいは!

AKI:トントン行きましょう!!(笑)

岩見:はーい(笑)

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AKI:岩見選手と言えば、「やる気、元気、岩見!」ですが、あのフレーズはどのように考えたんですか?

岩見:井脇ノブ子さんの「やる気、元気、いわき」です!ピンク着てるじゃないですか!?(岩見選手は練習着やバイクの塗装もピンクです(笑))

AKI:そこからだったんですね!(笑)

岩見:同期の貴也(浜松29期:佐藤貴也選手)と宿舎でテレビを見てる時に「やる気、元気、井脇ノブ子」ってやってるのを見て爆笑してたんですが、他にトレンディエンジェルの「嬉し、恥ずかし、たかし」も候補に上がってて「どっちが良い?」って話になって。それだったら「やる気、元気、岩見」が良い!っという風に決まりました(笑)

AKI:なにかやりたいな、ていう想いはあったんですか?

岩見:無かったんですけど、貴也が「ベットオンミー」ってやるじゃないですか。あれを見てると便利なんですよ!(笑)お客さんにも楽しんでもらえるし、SNSにアップする時も使えますし、やってて恥ずかしくないんですよね!

AKI:へー!!!やる事に抵抗無いんですね!貴也さんの反応はどうでした?(笑)

岩見:おお、いいねー!って言ってくれました(笑)

AKI:最近では、小林瑞季選手の「やる気、元気、瑞季」も登場しましたよね!

岩見:そういう風に派生して若い子も言った方が、こういう人がいるんだなって思って次から見ようと思ってもらえるじゃないですか。好きな芸人さんを見るみたいな感覚に似てるんじゃないかなと思います。そういうのもちゃんと考えて。(ニヤ)

AKI:流石!!考えてますね〜(笑)

AKI:それでは最後に、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願い致します。

岩見:やる気元気と言ったら「瑞季」じゃなく「岩見」です。今後もその事を周知出来るように、インタビューに出れるように頑張ります。インタビューも見てください!応援よろしくお願いします!!

若い子もどんどん言った方がいいというお話でしたが意識している様子でした!(笑)岩見選手の地元グレード制覇を楽しみにしたいと思います!

インタビュー / AKI

福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。

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