スーパースターの舞台を経験してからオートレースへの考え方が変わったと話してくれた藤岡一樹選手。デビューから17年目に入った藤岡選手に選手生活や2020年ここまでの戦いを振り返っていただきました。(取材日10月20日)
インタビュー / 内野久照
内野:ご出身は?
藤岡:山口県光市です。
内野:身長、体重、足のサイズを教えて下さい。
藤岡:身長173cm、体重58kg、足のサイズは26.5cmです。
内野:選手になるきっかけは?
藤岡:大学の先輩が角南一如選手(山陽27期)です。
学生時代に角南選手がバイトしているバイク屋さんを教習所の先生が紹介してくれました。
そこでオートレースの事、角南さんが27期に合格して選手になる事を聞きました。
内野:試験は何回受けたのですか?
藤岡:試験は28期を受けましたがあっさりと不合格。
29期を受ける事が出来たのは友人のおかげです。29期の募集が早まった事を知らなかった自分に教えてくれたのが友人でした。締め切り4日前の事です。急いでレース場に願書を取りに行き、身体測定も終わらせて書類を郵送しました。ギリギリ間に合った感じでした。受験資格の年齢制限もギリギリだったので最後のチャンスでもありました。
内野:選手生活17年目に入りました。
藤岡:あっと言う間です。これまで冬場の成績はいいけど夏場の調子が上がらず苦労してきましたが、ここ最近は夏場にも成績が少しずつ残せられるようになったと思います。
内野:一番の思い出のレースは?
藤岡:2011年のスピード王決定戦です。地元山陽のGI戦ですし、初タイトルを獲ったレースなのでこれかな...。
内野:年齢を重ねて感じる事はありますか?
藤岡:年齢はもちろん気にしています。お腹が出てくるので筋トレをしています。
これからは時間を掛けてじっくりとストレッチなどもしていくようにしていきます。
内野:趣味はありますか?
藤岡:学生時代はバドミントンをしていました。バドミントンは楽しいですよ、またやりたいですね。今は釣りとゴルフです。ゴルフは5年くらいです。佐々木啓選手(山陽23期)丸山智史選手(山陽31期)とコースを回ります。
釣りも選手と行きますよ。釣りは現実を忘れられます。集中もできますしね。
内野:趣味はオートレースにも生かされていますね。
藤岡:バドミントンとゴルフはオートレースにはまったく役に立っていないです(笑)。
関係ないです。逆に邪魔をしているのかな...。
内野:ストレス発散方法は?
藤岡:子供と遊ぶ事が一番です。公園でボール遊びをしています。
内野:お子さんは、お父さんの仕事を理解していますか?
藤岡:まだ分かっていないと思いますよ。
内野:藤岡選手にとってのモットーは?
藤岡:「綺麗なレースをする。人に迷惑をかけず勝つ事」です。
師匠の教えがそうでした。小関勝治(山陽19期)元選手が綺麗なレースで勝つ事を見せてくれました。お手本です。
内野:藤岡選手にとっての山陽オートは?
藤岡:僕はどこのレース場でも同じ気持ちですが、もちろん地元愛はあります。
地元の山陽は開催が少ないので山陽で走る時も結果を残したいし、いいレースをしたいと思って走っています。ここで育てていただいたので、活躍してファンに恩返しがしたいと思っています。
内野:藤岡選手のセールスポイントは何ですか?
藤岡:売りですか...。「勝負スタート」です。
ここで行かないと何もないという気持ちでスタートを切るので、フライングを切る事もありますが、タイミングをしっかり入れる。01はフライングではないので他の選手にプレッシャーを与えられるように、スタートはタイミングから集中します。
内野:2020年も残り少なくなってきました。
藤岡:元旦にいつもですが「今年もスーパースター出場を目標に頑張ろう」と思ってスタートします。日本選手権が終わって、スーパースターに乗れなかったら「来年は頑張ろう」と思って12月の地元山陽で行われるGIスピード王決定戦に向けて切り替えます。
そして今年の集大成として地元のGIに集中します。
内野:ここまでの流れはいかがですか?
藤岡:ここまではミッドナイトを多く走らせてもらいました。消音マフラーも季節によって変わるので一つのセッティングで動いていた車が通用しない。決め打ち出来ない事が分かりました。エンジンを少しずつやって来た事が良い方向に行き、川口のキューポラ杯の辺りから良くなりましたね。そこからいい流れが出来て地元山陽開催の9月のプレミアムカップで優勝戦に進む事が出来ました。
内野:今の課題は?
藤岡:特に課題ではないけど、最終日にエンジンが一番いい状態になるようにする事を考えて整備しています。今年の夏場は、いつも以上に整備する時間がありました。夏場のエンジン作りをじっくりといろいろとやる事はできました。整備に没頭できた事が今年の収穫です。
それと今まではスピードだけでしたが、ここ最近は走り方にも変化がでてきていると思う。
これまで夏場に活躍出来なかった事で、3年ほど前から走り方に関して取り組んでいましたが少しずつですが結果に結びついています。
内野:もしSGファイナルで勝つ事ができたら?
藤岡:早川清太郎選手(伊勢崎29期)に「清太郎より先にSGを獲ったよ。お先に」って言いたいですね(笑)。同期の29期の中では清太郎が今一番SGタイトル奪取に近い選手だと思っています。
内野:後輩選手のお話も聞かせて下さい。長田恭徳選手(山陽32期)がGIで優勝しました。
藤岡:一番は運だったと思います。メンバーは西地区だけで関東勢がいない中ではありましたが、その時の優勝戦に乗った事、チャンスを掴んだ事は凄く大きかった。優勝した時は心から嬉しかったですね。僕が指導していましたが、メチャクチャ厳しくしました。若いだけで口ばっかりな所があったので叩き直しました。そのくらい徹底して厳しくやってきましたね。長田はよく付いてきてくれたと思います。
内野:丸山智史選手(山陽31期)GII若獅子杯の優勝は?
藤岡:格好良かったですね。若い時に優勝出来た事は良かったと思う。僕もスピード王を制した時は30歳でした。同じ時期です。
内野:お二人へのアドバイスをお願いします。
藤岡:「スーパースターに乗ったらオートレースの考え方が変わる」ので早い時期に若い時に出場して欲しい。その為にはSG決勝に出ないと乗れないのでSGの舞台で活躍してほしいです。
もちろん自分もSG優勝戦出場を目指して頑張ります。
内野:スーパースターとは?
藤岡:SGの優勝戦に出場する事はもちろん厳しいですが、そのSGのファイナリスト達が顔を揃える5日間です。トライアルは8周戦です。毎レースがGI優勝戦のようなものであり、本当にいい刺激になります。別世界ですね。
トライアルが増えた事でボーダーも上がり一発で順位が変わる過酷なステージです。
一戦一戦が勝負。気が抜けません。
毎年の目標が「スーパースター出場」です。
日本選手権で優勝戦進出を決めればスーパースターへの道が開かれるので希望が生まれます。2017年の浜松大会で優勝戦3着があるのでそこを目標にしたいです。
内野:12月に地元山陽でGIスピード王決定戦(12月16日〜20日)が開催されます。
藤岡:初めて獲ったタイトルが地元GIスピード王でした。もう一度地元のGIを獲りたいですね。
内野:ファンの存在はどう感じていますか?
藤岡:ファンあってのオートレース。いてくれる事に感謝です。もっと応援して頂ける様に頑張りたい。活躍したいです。
内野:オッズパークをご利用の皆様へ一言お願いします。
藤岡:選手は命を懸けて精一杯頑張っています。温かい目で見守って頂き応援をよろしくお願いします。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。