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オートレース選手インタビュー
オートレースに出会えて幸せ者です!|永井 大介選手
2021年9月15日

川口所属の25期。ここまで、いくつものグレードレースのタイトルを獲得してきました。しかし、2018年からグレード優勝から離れ苦しい時期が続き、今年の前半は普通開催すら優勝が出来ず低迷していました。しかし、7月に行われた飯塚の特別GI共同通信社杯プレミアムカップ(以下プレミアムカップ)で優勝!相性の良い大会で永井選手の強い走りが復活しました。その時のお話や、近況のオートレース界のこと、船橋が廃止になってからの思い、ファンへの気持ちなどお話していただきました。

(取材日:2021年9月1日)

インタビュー / AKI


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AKI:プレミアムカップ(2021年7月25日)優勝おめでとうございます!

永井:ありがとうございます。

AKI:今年はなかなか調子が上がらずという中での優勝でした。振り返っていかがですか?

永井:記念を勝ったのいつ以来なんだろう?というくらい遠ざかっていました。正直今回も勝てると思っていませんでした。優勝戦では勝ちにいく!!という枠(7枠)でもなかったですし。内枠に入っていれば「勝つぞ!」という欲も出てくると思うんですが、やっぱり大きな舞台での外枠は厳しい。もちろん優勝はしたいんですけど。なので今回は欲が凄くある状態ではない中での優勝でした。こういう気持ちで勝てたのは初めてかもしれません。

AKI:今までの調子などを考えると優勝戦に乗れたということも大きかったんではないですか?

永井:そうですね。後は、クラッチが新型に変わってからスタートが難しくなって。後は、歳だからだとは思うんですが、時計が少し見辛くなっていました。夜は光が膨張しちゃう感じ。そういうので、昼のスタートタイミングはバッチリでも夜になるとタイミングが大きくなったりしたこともあって、去年からはフライングも増えてしまっていました。苦労していましたね。そんな中でも、パーツを交換したり仕事はするようにしていました。それでもなかなか結果が出ず、今までのようにトントンとはいきませんでしたね。

AKI:色々なことが重なって、さらに年齢のことも感じられていたんですね。

永井:若い時、24〜26歳の時も成績が落ちて普通開催でも優勝出来ない時があったので、今回も「そんなもんなのかな〜」と思うこともありました。けど、年齢のこともあるし、周りも凄く努力している。色々考えちゃいましたね。昔のようにガツガツすることも出来なくなっていきますし。

AKI:環境や年齢と上手く付き合っていかないといけないわけですね。

永井:そうですね。体力的な部分でも上手く付き合っていかないといけませんよね。

AKI:いろんな思いがある中、プレミアムカップ優勝。車は凄く良さそうでしたね!

永井:エンジン良かったですね。あと、タイヤも良かったです。ただ、その後のキューポラでは自分のエンジンが良くても周りがエンジンを良くしてきたり、若手がここぞのスタート決めてスピード活かしたレースをしたり。エンジンが良くても勝てるとは限らないです。プレミアムカップ優勝戦に関しては、前を走る聡(飯塚27期:荒尾聡選手)が跳ねていたり、信夫さん(浜松24期:伊藤信夫選手)もタイヤかな?後半ペースが落ちたり。そんな中で、自分は良いタイヤでレースが出来て、エンジンも良くって...全てが噛み合った感じです。


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AKI:優勝した時の気持ちはどうでしたか?

永井:優勝出来ちゃったという気持ちもありますが、優勝したことには変わらないので嬉しかったです。それに、年末のスーパースターも出れると思うので良かったなぁという気持ちです。

AKI:優勝戦でもそうですが、節間通してスタートが切れていましたよね。

永井:そうなんです。いつも、クラッチを扱って臨んでいるんですがなかなか上手くいかなくって。けど、プレミアムカップでは上手くいきました。エンジン、タイヤ、スタート、周りの選手の動き、全てがハマりましたね。何かが一つだけ良くても勝てる大会で全てが噛み合いました。

AKI:そのタイミングがプレミアムカップっていうのがまた凄いですね!(笑)

永井:なんなんですかね(笑)自分でもよく分からないですし不思議ですね。けど、今回の飯塚は新走路で走りやすいなっていうのはありました。川口とかは滑りがひどくて走りづらく、抜きづらい感じ。飯塚は気持ちよく走れました。新走路は合う合わないが人によって分かれると思うんです。車の抑え方が人それぞれ違いますし。んー。湿走路みたいな感覚かな。好き嫌いが分かれるというか。僕は乗り方、車の抑え方とか、新走路に合っていたということだと思います。

AKI:夜は時計が見づらいというお話もありましたが、飯塚では何か掴んだ感じがあったんですか?

永井:飯塚の時計って結構見やすくって。LEDになってからくっきり見えるというか。後は、歳なのか1枠よりも外枠の方が時計が大きく見えるから(笑)それも良い方向に向いたのかもですね。結果7枠で良かったです。クラッチのセッティングはその時のエンジン状態に合わせて変えていくんですが、そこも複雑というか、難しいですね。けど、やっていくとたまに良いスタートが切れたりします。それがプレミアムカップのスタートでした。まだまだスタートは課題ですが、優勝戦のスタートは100点満点です。

AKI:スタートは今後も課題ということですが、かなり複雑になったそうですね。

永井:そうですね。新型になってとにかく複雑になりました。クラッチ盤も3枚から6枚に。組み合わせも色々です。その時のエンジン状態にあったセッティングを合わせていかなければなりません。それに、スタート練習に行く選手も増えていて、練習もとにかく並んでいます。夏は暑くて大変でしたね。自分の体力と相談しながら練習や整備をしないといけない。昔のようにがむしゃらには出来ません。けど、その中でも穴見さん(山陽12期:穴見和正選手)なんかは本当に凄い。今でも練習1番目に出て行きますから。本当にすごいなと思います。

AKI:車の状態ですが、良くなったきっかけというのはあったんですか?

永井:パーツ交換、クランク替えたり、落車した時はクランクケースを新品にしたり。色々やってはいたんですが、バイブレ、振動がきてしまったりして。そこで凄く手こずっていました。そんな中、雅人(川口28期:中村雅人選手)に落車した時にフレームを替えたらよくなったという話を聞いて。そこで、自分も思い切って飯塚GIダイヤモンドの時に交換してみたら1発で直ったんです。そこから、シリンダー、ピストン、キャブを替えたらさらに凄くよくなりました。それから落車もしてないですし良い状態が続いています。


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AKI:今年はなかなか上手くいかない中、プレミアムカップあたりから上昇。年末に向けても良い流れになりそうですか?

永井:そうですね。ただ、今のパーツのまま年末を迎えることはまずないと思います。けど、良いパーツで良いエンジンに乗れて、良いタイヤの感覚というのを感じれることは良いことですね。この良い感覚を半年とか感じないと、良い時の感覚を取り戻すのって凄く難しいんですよ。なので、その感覚があるっていうのは良いことです。今年の前半はその感覚がなくって、色々扱っても何が良くって何がダメなのかが分からなくなっていました。いつもだったら、クランクが悪いかな?とか、クランクはいいけど、シリンダー周りかな?とかいうのがなんとなく分かっていたんですがそれが分からない。自分に自信が持てませんでしたね。なので、このタイミングでその感覚が戻ってきたっていうのは年末に向けてはプラスですね。

AKI:となれば、その"感覚"というのはほぼ戻ってきたと思って良いんでしょうか?

永井:そうですね。普通マフラーになれば感じ取れるように感覚は戻っています。ただ、消音マフラーになるとエンジンをかけても分からなくって。全然違いますね。プレミアムカップの次が地元のナイターの消音マフラーだったんですが、同じセッティングじゃ全く動かなくって。1回もないんですよね。他のレース場で勝って、地元に戻ってきてからそのまま走って良いことって。今は、傾向と対策が分かってきたのでキャブを扱ったりしています。消音マフラーだと少しパワーを落とす感じ。凄く苦労しているわけではないんですがそのままじゃいけませんね。スタート後も感じが変わって、いっぱいふかしたり、クラッチのセッティングを変えたり。普通のマフラーだと浮いてしまうくらいのセッティングにしないと上手く切れない感じです。通常マフラーより消音マフラーはアジャストが鈍い感じ。「ぬもー。」という感じかな。「パリッと」とはいかないですね。外からバンバンスタートがきまりづらい。10mオープンの外枠は本当に厳しいですね。

AKI:ただ、その中でもプレミアムカップの優勝は「もう大きな大会では勝てないかも。」という気持ちを変えさせたんじゃないですか?

永井:んー。もちろん優勝はできるだけしたいですけど、タイミングとか運とかそういうのもないとなかなか大きな大会では勝てないと感じています。ずっと勝ってきた身としても。これは年齢もですが、後輩選手の能力の向上であったり、全体的な選手のレベルアップ。新型クラッチになってスタートが遅いと言われていた人がそれなりに切れてきたり。乗り方やコースの取り方だったり。オートレースの全体的なレベルは上がってきています。なので、速いだけじゃ勝てないです。やることやって、頑張ります。

AKI:永井選手は通算1219勝、通算105Vをされていますが、このような記録に関してはどう思われているんですか?

永井:漠然に100Vというのは凄いことだなと若い時から思っていました。なのでクリアできたことは素直に嬉しかったですね。けど、100Vしたからって終わりじゃないですし、続いていくわけで。ただ、成績が良くなく苦しんだ時もこの実績があるので今までやってきたことは間違ってなかったと思えます。それ以外は、見ている人が評価をしてくれることなので。

AKI:これだけ記録やタイトルを取っていてモチベーションを保つのは大変じゃなかったですか?

永井:いっとき大変でしたね。船橋なくなった時とか凄く苦しかったです。けど、今は苦しいと思わず自分のペースでレースに臨めています。それは、やっぱりファンがいるからですね。オートレースを好きでいてくれる人が、自分の車券を買ってくれる人が喜んでくれるように。その一つの商品が自分だと思うので。それを楽しみにしてくれている人が少なからずいるので、良い走りをして、オートレーサーって凄いんだと思ってもらえるように頑張りたいなと。選手を辞める時まではブレずにやっていきたいなと思っています。


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AKI:苦しかった時期、船橋がなくなってからのモチベーションの復活はどういうきっかけだったんですか?

永井:時間もですが、やっぱりファンの声というか、横断幕やメッセージが届いたり、温かい声をかけてくれる人がいて。応援してくれている人がいるんで頑張れましたね。自分は野球が好きなんですけど、その試合を楽しみにするという気持ちが分かります。レースを生き甲斐にしてくれている人もいるわけで、そういう人たちがいるから一生懸命走らないといけないなと思うんです。けど、エンジンやタイヤが良くないと勝てない時もあって。そういう時は、やる気がないと簡単に思われてしまう世界。そこが難しいし、苦しいです。けど、切り替えてまた次のレースを頑張ろうという思いで走っています。

AKI:強い若手もいますが、まだまだ負けられませんね!

永井:圭一郎(浜松32期:鈴木圭一郎選手)や青山(伊勢崎31期:青山周平選手)がいますけど、まだまだ簡単には取らせねーぞという気持ちで。この前のSGグランプリも睦(飯塚26期:篠原睦選手)が初のSGを取りましたし。ああいうのを見るとやっぱり嬉しいよね。

AKI:永井選手にとってオートレースとはなんですか?

永井:えぇ!?なんだろう。自分は平凡なオート好きの学生だったんですが、オートレースは色々なものをくれたというか、オートレースに出会えて幸せ者だなと思いますね。選手になれて本当に本当に良かったですし感謝しています。なので、これからもオートレースに貢献できるように頑張ります。

AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。

永井:選手みんなオートレースが大好きで一生懸命レースをしています。面白いと思うのでレースを是非見てください!








インタビュー / AKI

福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。





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