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オートレース選手インタビュー
色んなことを経験して乗り越えて掴んだ初優勝!|石本圭耶選手
2023年2月 9日

飯塚所属の34期。2022年12月31日、オートレース界2022年を締めくくる飯塚ミッドナイト優勝戦でデビュー初優勝を飾りました。去年の4月に師匠の重富選手(飯塚27期:故・重富大輔選手)を病気で亡くしました。そんな中ひたむきに努力をし続けて掴んだデビュー初優勝!レースを振り返っていただきました。

(取材日:2023年1月17日)

インタビュー / AKI

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AKI:初優勝おめでとうございます!

石本:ありがとうございます!

AKI:優勝したお気持ちはいかがですか?

石本:自分も嬉しかったんですけど、周りがすごく喜んでくれて「優勝できてよかったなぁ」と思いました。特に親の反応にびっくりしました。ミッドから帰ったら両親どっちも起きていてくれて、父が目を真っ赤にしてわんわん泣いていたんです。普段泣くような人じゃないんですけど、優勝戦を見返していたみたいで。その様子を母が動画を撮っていてくれていたんですがボロボロ泣いていて。選手になった時ですら泣かなかったんですが「やっとか〜」という感じで喜んでくれたのが印象に残りました。自分も優勝できて「よかった〜」とホッとしたというか安心しましたね。同期がどんどん優勝していく中で、優勝戦に何度乗っても勝てなくてを繰り返していたので本当にホッとしました。 20230208_ishimoto_12.jpg

AKI:今まで何度もチャレンジしてきた優勝戦、レースはどんな気持ちで臨まれたんですか?

石本:今までは「今日こそ絶対優勝するぞ!」となっていました。その分取れなかった時にガックシくるというか。同期の稚也(飯塚34期:長田稚也選手)、横(伊勢崎34期:横田翔紀選手)が勝っていく、年の近い同期が勝っていく中で焦りもありましたね。けど、優勝した時はそんな感じじゃないというか。「どうなるか分からないけど頑張ろう!」という感じで臨めたのが良かったのかなぁと思います。レース行く前までは気を負わず入れました。けど、いざ試走に行ってレース直前になると気持ちがガッと入っちゃって。それが、フライングにでちゃいましたね。

AKI:フライングを切った時というのは感覚的にどうだったんですか?

石本:「絶対自分だ〜!」となりました。早すぎるフライングだったので点滅見るまでもなく自分だと分かりました(苦笑)けど、その時は気持ちをしっかり切り替えられたというか、買ってくれている方もいるだろうなぁと思ったし、勝てば初優勝と思ったら意外とパッと切り替えることが出来ました。2回目の方が落ち着いてスタート切ることが出来ました。

AKI:スタート後はどうでしたか?

石本:スタート行ければ展開を作れるとは思っていました。幸宏さん(飯塚29期:藤川幸宏選手)とは予選でも戦って直線で抜けたし同じ感じなら行けるだろうと思っていました。予選のことを頭に入れながら、幸宏さんの動きも見て走れたかなぁと思います。捌きが下手なのでスタート切って逃げる展開に持ち込まないとキツイなと考えていました。後ろからは治郎さん(伊勢崎30期:田村治郎選手)や佐久間さん(伊勢崎26期:佐久間健光選手)が追い上げて来ると思ったので、先頭に立ってからは準決のように走ろうと思っていました。いざ先頭に立ってからは「誰もこんでくれーー!!」と思いながら走っていました。後ろの気配も感じていましたしひとつのミスも許されない状況だと思っていました。一度滑ってしまったんですが、その後も落ち着いて走れたことが良かったと思います。以前、おやっさん(飯塚27期:故・重富大輔選手)の誕生日に優出して"優勝したい!!"という気持ちが強すぎて危ないレースをしてしまって結局優勝も出来ず最悪な形になっちゃいました。優勝したい気持ちが先行して危ないところに行かないということを今回の優勝戦ではずっと意識していました。フライングをして反省点もあるんですが、気持ちをコントロールできたことが今回の進歩だと思います。

AKI:ゴール後は空を見上げていましたね?

石本:はい。グループの人たちがゲートの所まで出て来てくれて祝福してくれているのを見た後に空を見上げました。ゴール後すぐは、「え、えっ!本当に優勝!?」という感じにもなっていたのでまだまだ冷静に走れてないなと思いましたね。その後ロッカーに戻ってからは、フライングを切っているのでまずは謝りに行かないと、という感じでした。ホッとしたのも束の間、まずは謝りのためにロッカーを走り回っていました。「優勝出来ました!ありがとうございます!」ではなく「すみません、謝ってきます!!」という感じ。グループの先輩にも「まずは謝ってこいよ!」と言われました(笑)謝り終わってから「おめでとう!」と声をかけてもらいました。なので、優勝を実感したのは、自分のロッカーに戻ってからですね。同じレースだった方にも「おめでとう」と言ってもらえたりして肩の荷が下りました。

AKI:2022年オートレース界最後の優勝戦で勝ったというのはいかがでしたか?

石本:年末ということもあって注目度があったというか、なかなかいつもレースを見れない友達も「見てたよ!」と言ってくれて、ファンの方からもお祝いの言葉をもらって、良いタイミングで優勝できたと思っています。おやっさんも年末のSSシリーズで優勝したりしていましたし、王座決定戦のトライアルにも出場が決まっていました。いつかは自分もSSで活躍したいです。もちろん今の実力では無理ですが、何年後、何十年後になるかもしれないですが、トライアル戦に出たいですね。

AKI:2022年ラストに一つの目標である"初優勝"をクリアしましたが、今後の目標はなんですか?

石本:まずは最重ハンになること。今は最重ハンの10m前で苦労して、成長して、最重ハンデで戦える選手になりたいです。周りにいる先輩が最重ハンで戦っている人ばかり。S級の選手はダメでも立て直すのが早い。そして、しっかり勝ち上がっていく。自分はムラが激しいのでまだまだです。まずは今の位置でしっかり戦えるようになって、いずれは最重ハン定着の選手になりたいですね。そして、先輩選手と最重ハンのスタートや捌き、整備の話ができるようになりたいです。これは、杏亮さん(飯塚33期:中村杏亮選手)やおやっさんにも言われてきて「圭耶が最重ハンになれば整備の話とかもっとできるようになるし、早く後ろに下がってこい」と言われてきました。本当にそうだなと思います。まだまだ到底及ばないけど最重ハンになってS級選手といろんな話をしてみたいです。まずは目の前のレースを一生懸命走って、綺麗なレースして勝てるようになるのが目標です。 20230208_ishimoto_13.jpg

AKI:となると課題はなんですか?

石本:今は課題しかありませんね。運に頼っているというか、スタート行って逃げているだけで展開作りも技量も全然足りません。その中でも、整備力は大きな課題です。久門さん(飯塚26期:久門徹選手)や杏亮さんを間近で見ていると、なんでその整備をするのか、考えた上での整備というのが自分にはまだ上手くできていないと感じます。自分は分からないけどやってみようという感じで、上手くいけば良かったとなるけど、上手くいかなかった時は色々扱って迷子になってします。原因がわからないまま扱ってどんどん悪くなっていく時もあります。だけど、久門さんや杏亮さんを見ているとしっかり勝ち上がっていくし、整備もしっかり合わせてタイムもアップしいていく。後はいい意味で潔いというか、1、2着でもこれじゃだめだと思ったら大きく切り替えた整備をされたりするんですが、自分は1着取れていたら良い状態だから壊したくないと思ってそれ以上整備を進められなかったりもします。結局展開に恵まれていただけで勝ち上がって行くと仕上げてきたS級クラスには太刀打ちできなくなってしまいます。後は整備の時間ですね。S級選手は扱って悪かったらすぐに元に戻せるんですが自分は整備も遅い。例えば、久門さんや杏亮さんが3個くらいできる整備を自分は1個しかできなかったり。自力でどうにかしていける力がないので整備は本当に課題ですね。整備のスピードと精度を上げていきたいです。もちろん乗り手もです。メンタルが弱いので、豆腐メンタルを卒業したいです(笑)初めての社会がオートレースでやっぱり厳しい世界なのは分かっていたけど、自分はまだまだ甘いなと思います。ガッと怒られるとポキっと折れてしまうタイプです。久門さんや杏亮さんは「くそー!」というハングリー精神が強いので自分もそう言うふうにメンタルを強くしたいです。初優勝はしたんですが浮かれている場合じゃないですし、冷静さを保つというのが今1番の課題ですかね。

AKI:その辺り、同期とはお話しするんですか?

石本:はい。稚也(飯塚34期:長田稚也選手)とよく話していていいなぁと思う考え方あって、会話していて良くなりそうな要素が出てくると「えー、自分もっと速くなっちゃうじゃん。」って言うんです。その言葉を聞いて「そっか、もっと速くなれる要素しかないんか!」と気付かされます。課題が山積みの方が、その課題がなくなっていった時にもっともっと速くなれる!と前向きに考えられるようになりました。稚也の方が年下だけど見習っていかなきゃと思いましたし、おごってないというか、調子に乗ってないのがまたかっこいいと感じます。やっぱり調子が良くなると少し浮かれてしまったりすることもあると思うんですが、そう言う事もなく。今までは同期に負けたくないと言う気持ちが強かったんですが"稚也がそこまでやれるんだったら!"と良い刺激になっています。自分がこの位置でだめだなんて言っていられないですよね。稚也と話しているとメンタル厚揚げくらいにはなります(笑)同期みんなで高め合っていきたいですね。

AKI:去年は師匠の重富選手が病気で亡くなられて大変な1年だったと思いますが、振り返っていかがですか?

石本:本当にいろんな意味で大変な1年でした。おやっさんが自分を見てくれていた時は最重ハンから30m前の時。初優勝の報告もですけど、もっと早めに後ろで走っていれば教わることも違ったんだろうなと思います。心配をかけてきたことをもっと自分がもっと早く気付いていればっていう気持ちはありますね。今はその分、久門さんや杏亮さんがいっぱい見てくれて怒ってくれていますがやっぱり後悔というか。当時の自分しか知らないおやっさんからしたら初優勝も信じられないと思います。なので、自分が頑張って結果を出すしかないです。去年1年で成長はできたと思うので、もっと上を目指して頑張りたいと思います。2022年本当に大事な1年になりました。今年は、去年の反省点を活かして綺麗なレースをして、危なくない捌き方で冷静に走りたいです。特に自分のグループは"綺麗なレース"を心がける先輩、速い先輩が多いのですごく良い環境だと思います。自分もそのグループにいてそういう先輩たちを超えていくのが恩返しになると思っています。

AKI:石本選手は小さい頃からオートレースを見ていたんですよね?

石本:はい。父と一緒に飯塚オートにきていました。金網のすぐそば、1番前で見ていました。爆音とオイルの匂いに惹かれて選手を目指してきました。自分が実際選手になって金網の中で走るようになると、金網の外で手を振っている子供たちが目につきます。恥ずかしいレースはできないなぁと余計に感じますね。まだまだだけど憧れてもらえるようになりたいです。見てくれている人は見てくれているのでなんとか食らいついていきたいです。

AKI:初優勝を決めてから、重富選手の車「テンヤシャ」に乗り換えてのレースですがいかがですか?

石本:やっぱりまだまだですね。そんな上手くいかないなと感じています。エンジンは絶対良いんです。けど、まだテンヤシャを乗りこなせてない感じ。自分のレベル不足ですね。これはおやっさんからの試練だと思って、このエンジンで最重ハンを目指そうと思います。きっとこのエンジンを乗りこなせるようになったらまた成長できると思うので腐らずに頑張ります。 20230208_ishimoto_14.jpg

AKI:それでは最後に読んでくださった皆さまにメッセージをお願いします。

石本:優勝した後に沢山の方に喜んでもらえて本当に良かったなぁと思いました。おやっさんにもファンの方は絶対に大事にしろよと言われてきましたし、自分もファンの方が買ってくれて見てくれて成り立つ仕事だと思っています。なので、ファンの方のためにも自分が活躍して恩返しをしていきたいです。そして、見てくれる方が1人でも多くオートレースに友達を連れてきたいと思えるように。そして、またその友達が他の友達を連れてきてくれて業界も盛り上がって欲しいなと思っています!沢山の方に見にオートレースを知ってほしいです。そのためにも良いレースをできるように頑張ります。応援よろしくお願いします!

(写真は飯塚オートSNSより)

インタビュー / AKI

福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。

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