前夜発売 0:45から発売開始予定!
オートレース選手インタビュー
女子レーサーデビュー初優勝最短記録更新!!|小椋 華恋選手
2023年3月17日

川口所属の35期。2023年1月7日にデビュー初優勝完全Vを飾りました!試走タイム3.30から大逃げ。1番人気に応えての優勝!初優勝について、選手になるきっかけ、いろんなお話をしてもらう中で、小椋選手の意外な素顔が見えてきました。

(取材日:2023年2月17日)

インタビュー / AKI

karen_ogura_20230317_01.png

AKI:デビュー初優勝おめでとうございます!初優勝を決めたお気持ちいかがですか?

小椋:ありがとうございます!安心したというのが1番大きかったですね。自分は全然結果を出せていなくて、師匠(川口26期:山際真介選手)と色々相談しながら走っていたんですが、なかなかうまくいかまくって。8着ばっかりとか、3連単に絡めないとか。試走タイムが出てもレースはボロボロというのがずっと続いていました。お客さんの期待を裏切ることが自分の中ですごく焦りになっていました。なので、優勝できたということは少し自信にも繋がって安心しました。

AKI:川口は去年の12月から全レースが消音マフラーとなりましたが、消音マフラーに関してはいかがですか?

小椋:以前川口で何度か乗ったことはあったんですが、12月が久々の消音マフラーでした。消音マフラーは2級車に合いやすいと言われていて、自分も乗りやすさは感じていました。それから年明け最初の開催、優勝する1節前にエンジンを乗せ替えていました。以前、本田さん(川口34期:本田仁恵選手)が使っていたエンジンでそれがすごく良くって。最初はセッティングが合ってなかったのでそこから試行錯誤をしていったら最終日に1着が取れました。そもそものエンジンのベースが良かったんだと思います。合わせていくとどんどん良くなっていきました。そのまま連続開催でナイトレースだったんですがそこから3連勝。そこからトントン拍子に優勝することが出来ました。

AKI:優勝した節は初日から感触は良かったんですね!

小椋:そうですね。全然違いました。とにかく乗りやすくていつもより安心して走れていた感じです。けど、自分はすごくネガティブで準決勝戦も「勝てるわけないだろうなぁ」と思い力を抜いて臨みました。ぎりぎりではあったんですけど、準決を1着でクリアして「えぇ!!!!?優勝戦!?まじか!!」と自分で驚いちゃって(笑)「私が乗っちゃっていいの!?こんな上手くいっていいの!?」と自分が1番信じられない状態でした(笑)本当にエンジンが良かったんでしょうね。

AKI:そして迎えた優勝戦、コメントでは一睡も出来なかったとお聞きしました。

小椋:全く、ほぼ一睡もできない状態でした。優勝戦は雲の上の存在といういか、自分は一般戦Bの人間だったので「優勝戦!?本当に!?」という感じ。寝たら夢が覚めちゃうんじゃないかと思っていました。そのまま寝れず。ナイトレースなので優勝戦まで時間があったんですけど、とにかくおどおどしてしまって。師匠にセッティングをレースのぎりぎりまでどうしようと悩んで一緒にエンジンをかけてくれました。とにかくどうしよう!となってる私を見て師匠が「落ち着け。」と声をかけてくれました。最終的に師匠がエンジンの音を聞いてくれてセッティングを決めました。本当に手取り足取りでたくさん教えてもらっています。

karen_ogura_20230317_02.png

AKI:優勝戦の試走タイム3.30と好タイムでしたね!

小椋:いやー、本当にエンジン様様です。セッティングを少し変えていったらグリップを開けやすくなって、奥まで突っ込んでも怖くないエンジンになっていました。これは乗せ替えてからずっと思っていたんですが、パワー、トルクがあって、重い音で進んでくれて乗りやすく走りやすいエンジン。試走タイムを見た時は「絶対測り間違いだよね?」と思いました(笑)そんなわけないだろう!と。今までは3.3台の試走を出すのがいっぱいだったので驚きました。3度見くらいしちゃいましたね。

AKI:試走を見た後、ピットの中ではどんな状態でしたか?

小椋:完全に固まっちゃってて。人気になっていると思っていたのでそこで緊張しちゃって。もうドキドキでした。試走終わってレースぐらいが気持ち的には良かったですね(笑)あの発売時間がきつかったです。緊張のままスタートラインに立ったんですが、1度目は治親さん(川口29期:青木治親選手)のフライング。自分はそこで気持ちが一度リセットされたというか、ガチガチのスタートの中フライングがあって「ここで一回落ち着こう!」と走路を1周出来たのがよかったです。パニック状態だったのがリセットされた感じ。2回目のスタートは落ち着いて切れました。いつもスタートタイミングは13くらいのイメージで切っているんですが、優勝戦の時は03で「あ、フライングしたー!!」って思ったんですけど、赤ランプは付かず「あれ?行っていいの?」となりました。

AKI:スタート決めて独走でした!

小椋:そうですね。本当にエンジン様様ですね。6周回は強烈に長かったです。「まだ終わらないの?まだ終わらないの!?」という感じ。さらに、消音マフラーで音も聞こえず、ナイトレースでモニターも付いておらず。なので、ずっと真後ろに選手がいると思っていました。「絶対くる、次のコーナー絶対来る!」とずっと思いながら。フルストレスな6周回でした(笑)ゴール戦を切った時も本当に信じられないような。「え?本当に?私1着!?」とよく分かっていない状態でした。

AKI:信じられない中での優勝。その後、周りに選手の皆さんが集まってきたと思いますが、どんな感じでしたか?

小椋:その状態でも「え、優勝、、、?」という感じで(笑)けど、やっぱりいろんな選手の方が「おめでとう!」と声をかけてくださってすごく嬉しかったですね。自分は1着回数も少ない方で、あまり「おめでとう!」と声をかけてもらうことすら少なかったので慣れてないというか。あんなに沢山の方に声をかけてもらえて本当に信じられない状態でした。

AKI:優勝を実感したのはいつ頃ですか?

小椋:家に帰って自分の優勝がネットニュースになっているのを見た時ですね。「あぁ、本当に勝ったんだ、すごっ。」となりました(笑)上がりタイムも3.387も自分でびっくりしました。

karen_ogura_20230317_03.png

AKI:女子選手デビュー初優勝最短記録(1年0ヶ月30日)を更新しましたがいかがですか?

小椋:エンジンが良くて、セッティングやいろんなものが重なって優勝したと思っていて。新井(伊勢崎35期:新井日和選手)とかは実力的に本当にすごくて、この記録と自分の実力は見合ってないと思っています。そんなに実力もなくたまたまころっと勝てちゃったとしか思っていないです。なので少し複雑です。

AKI:そんな風に感じていたんですね!もちろんエンジンもですが、乗り手がいるからこそだと思いますよ。

小椋:本当にネガティブなんですよね。よくないんですけど"自分なんて"と思ってしまうところがあって、私でいいのかなぁという感じです。

AKI:ただ、一つ優勝というのは自信に繋がった部分もあるんじゃないですか?

小椋:そうですね。自分自身、今は安心して走れています。上がりタイムも安定してきたので本当に良かったなぁと思っています。

AKI:元々バイク経験がありましたよね?

小椋:はい、ロードレースをしていました。3歳からなので19年くらいです。6、7歳の時に川口のキューポラ杯のポケットバイクのイベントに出させてもらって。その時のお客さんに衝撃を受けました。もちろんお金を賭けてるというのは当時はわからなかったんですが「あんなに応援してもらえるって凄い!」となりました。なので、入りはオートレースというよりもお客さんの雰囲気、熱い応援の感じが凄く好きで、"ここで走りたい、オートレーサーになりたい!"と思うようになりました。ロードレースを続けていたのも、オートレースの試験で特例にかかりたくてやっていました。けど、自分の実力では特例に引っかからず。ただ、特例に引っかからないかもと思っていたので、高校卒業してからは整備士の仕事をやっていました。とにかく受かりやすいように整備士の免許を取って3年くらい整備士をして試験を受けました。そして、試験に受かってオートレースの養成所に行きました。

AKI:それこそ新井日和選手は整備が遅いから「頑張らないと」とご本人が仰っていたんですが、小椋選手は整備の面で分かる部分もあり選手になってからもプラスポイントになっているんじゃないですか?

小椋:それでもまだまだですよ。器具は知ってはいましたが競走車の整備は養成所に入ってから習ってという感じなので、自分も整備は出来ず覚えるのも遅い方。なので、事前に少しでも勉強しておいて良かったと思いました。同じ0からのスタートだったら絶対について行けてなかったと思います。それに、今は新井もすごく整備が早いですよ。

AKI:ただ、オートレーサーになるために色々行動に移していたというのは素敵ですね!

小椋:とにかく試験に落ちたくなかったんですよね(笑)絶対オートレーサーになりたいという思いがあったのでなんとか頑張りました。

AKI:夢を叶えて選手になった今、夢の舞台で走っていることをどう思っていますか?

小椋:もうとにかく嬉しいです。そして、私の名前が入った応援タオルとかを振ってくださる方を見ると凄く嬉しいです。厳しい言葉すらも嬉しいんですよね。熱い気持ちで応援してもらえていると思うと。自分のレースじゃない時も、走路の近くで観ていて歓声が上がると鳥肌が立ちます。「凄いな?!やっぱ良いなぁ?!!」となります。上手くいかずキツイと感じる時もその歓声やお客さんの姿を見ると頑張れます。お客さんが好きで憧れた世界なので、お客さんに助けられながら走れています。

AKI:そうなると、初優勝は無観客レースでしたが、次は有観客で優勝してウイニングラン、インタビューとお客さんの前にいきたいですね!

小椋:そうですね!お客さんの声を色々聞けたら嬉しいなと思います。

karen_ogura_20230317_04.png

AKI:今後の目標は考えていますか?

小椋:目標はあんまりデビュー当時から変わっていなくって。1番人気になっている時にしっかり勝てる選手になりたいなと思っています。もちろん、試走が出てない時も頑張るのは当たり前なんですけど、1番人気にしてもらった時はその期待に応えられる選手になりたいと思っています。それがベースになっていますし、"1番人気"というのを見るとすごく嬉しいし頑張ろうと思えます。お客さんあっての仕事ですし、自分はお客さんが好きでこの世界に入ったので、1番人気にしてもらったからには1着を取りたいですし、お客さんの思いを裏切りたくないと常に思っています。常に自分の目標はここにあります。単純にバイクをいじって走るということも好きですし、試走が出て人気になるということが自分のモチベーションになっています。選手になってから好循環でここまできていると思います。

AKI:それこそ、初優勝の時は1番人気に応えての1着でしたよね!

小椋:そうなんです。ナイトレースでお客さんはいなかったんですけど、人気になっててお客さんが画面越しでも観てくれてるんだと思うとすごく感動しました。1番人気っていうだけで嬉しくなっちゃいます。なので、これからも、1番人気の時はそれに応えられる選手になりたいというのが目標です。

AKI:今の1番の課題はなんですか?

小椋:乗り方ですね。ロードの乗り方、体が内側に入っちゃっていて。その乗り方がすごく嫌で色々試行錯誤しています。今は、腰回りを師匠と全く同じ、少し小さくした感じにしていて。乗り方も真似していてコピーしようとしています。まだ自分の色、乗り方が出来ていません。なので、師匠みたいに綺麗に乗れればと思いながら色々やってみています。師匠の乗り方がすごく綺麗で、何から何までお手本にしています。人としても学ぶことしかないですね。本当に凄いです。師匠みたいに乗りたいです。今はまだ2級車で修行期間。もう少しで1級車の練習も始まって、ようやく同じラインに立てるのですごく楽しみです。

AKI:お話を聞いているとすごく充実した選手生活になっていそうですね!

小椋:今はとにかく楽しいです。バイクのセッティングをして良くなったと感じたことがレースでも一致してきて。バイクをいじるのもすごく楽しいです。今までは分からずレースに行っていたことが分かりだして、結果も出てきて本当に楽しく、充実しています。優勝してからも着はなんとか取れていますが、エンジンありきなので今のうちに実力をつけていきたいです。

AKI:それでは最後に読んでくださっている皆様にメッセージをお願いします!

小椋:自分の目標は1番人気を裏切らないこと。お客様に応援してもらっている限り、常にいい走りが出来る様に頑張ります!

(※写真は川口オートFacebookより)

インタビュー / AKI

福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。

選手プロフィール

プロフィールページからお気に入り登録ができます。
※お気に入り登録にはログインが必要です。

TOP