若手の登竜門、山陽で行われるGII若獅子杯争奪戦。若手といっても、全国ランクNo.1、2と揃う中での競走。若手はスピードもあり穴が出るレースも多く一筋縄ではいかないことも。そんな中、黒川選手が若獅子のタイトルを初制覇!お話をお聞きしてきました。
(取材日:2024年2月25日)
インタビュー / AKI
AKI:若獅子杯初優勝おめでとうございます!お気持ちいかがですか?
黒川:ありがとうございます。優勝した時は驚きが大きかったんですが、数日経ってやっと落ち着いてきました。全然優勝できると思ってなかったのでとにかく驚きでしたね。
AKI:それは、エンジン的に?それともメンバー的なとこで思っていたんですか?
黒川:どっちもですね。4日目までの車の感じだったら厳しいなぁと思っていました。優出すらいっぱいいっぱいでしたし。それに加えてメンバーもキツかったので、優勝できるとは思えなかったです。
AKI:今までのグレード優勝は"優勝できそう!"という手応えがある中でのレースだったんですか?
黒川:そうですね。去年のGIIウィナーズカップやGII小林啓二杯も初日から凄く動きが良かったので、今回のようなパターンはあまりないですね。自分も悪くはなかったんですが、宏和さん(浜松32期:鈴木宏和選手)、青山さん(伊勢崎31期:青山周平選手)、鈴木圭一郎さん(浜松32期:鈴木圭一郎選手)、吉林くん(浜松36期:吉林直都選手)など周りとタイムを比較すると弱いなという感じ。なので、優勝戦乗ってもいっぱいだなぁと感じていました。分かりやすいのが3日目の選抜予選でしたね。やっぱり良い人と比べるともろに良くないところが出てしまうというか。あまり良くはないなと感じてたことが結果として表れた3日目でした。誤魔化すことができませんでした。
AKI:ただ、準決勝戦は最後のゴール線の戦いに持ち込んで優出圏内もぎ取りましたよね!
黒川:そうですね。けど、正直最後は3コーナーの突っ込みで車を引いてしまったので最後届いたか微妙だったんですけど、直線の感じは良かったので差しにいく感じ、車の伸びは良かったですね。なので、もしかしたら?と思ってゴールした後はずっと掲示板を見てました(笑)2着に入れて良かったですし最後まで諦めず走って良かったです。
AKI:止まらない症状が続いていたということですが、優勝戦に向けてはどのあたりを扱ったんですか?
黒川:セッティングをちょこちょこ。最後はリング交換だけ。結果リングが効いたのかな?結局4日目まで車が止まらない症状が直らなかったんですが、せっかく優勝戦に乗れたしなけなしでリング交換でもと思ってしてみたら止まりが出て凄く良くなりました。
AKI:優勝戦の試走タイムは3.26と1番時計タイでした。手応えはありましたか?
黒川:凄く良かったです。エンジンの回転も上がってる感じがあったし、前日までとは全然違いましたね。それに、試走タイム3.26なんて自分は普段出ないので「かなり良い状態だなぁ」と思いました。試走の手応え、タイム共にいいぞ!という感じでした。ただ、すぐ横には鈴木圭一郎さん、青山周平さんがいて、さらに内枠の選手もみんなスタート巧者揃いの優勝戦。若獅子であんなに良いメンバー揃うのも珍しいんじゃないですかね。スタートで誰もへこむ人がいない。けど、枠なりじゃどうにもならないのでとにかく行けるところまでとは思っていました。
AKI:そのスタートから1〜2コーナーにかけて振り返っていかがですか?
黒川:最高のスタートが切れました。良い位置が取れました。ただ、外枠もすぐ後ろに着けてたんですよね。鈴木圭一郎さんに捲られかけて。姿が見えたというより前に見えました。行かれたなという感じだったんですが、1番の野本くん(伊勢崎34期:野本佳章選手)が良いところにいてくれたんでなんとか捲られずにすんだというか、助かった感じです。展開が向いてくれましたね。あそこが1番のポイントですね。そこから抜け出してからの体感は凄く良かったですね。乗りやすく進んでくれました。後ろの音は序盤大きく聞こえてたんですが、どんどん小さくなっていく気がしました。それに、自分にとってはこれ以上ない良いペースで走っている感じがあったのでこれで抜かれたらしょうがないと思っていました。結果あまり後ろを気にせず走れましたね。タイヤも評判の良いタイヤがあって。自分は乗ったことがなかったんですが、初日1着を取ってる選手が軒並みそのタイヤで。このタイヤを履かないと戦えないなと思って3日目から優勝戦まで評判の良いタイヤで行きました。
AKI:改めて、ゴールした瞬間を振り返るとどうですか?
黒川:いやー、まさか優勝できると思ってなかったしびっくりしたんですが、やっぱり優勝は凄く嬉しかったですね。青山さんや鈴木圭一郎さんがいるから若手だけのレースという感じもないし普通に厳しい戦いだし。優勝戦も普通に良いメンバーだし。なので優勝した時は「うそーん!」という感じでした(笑)そんなことあるんだなって。その後すぐに一緒に優勝戦に乗ってた泉田(川口33期:泉田修佑選手)が祝福に来てくれて嬉しかったですね。退場門にも沢山の同期が集まってくれて「持つものは同期だな」と思いました。みんな仲良いですね。次、同期が優勝する時は自分が笑顔で迎えれたらなと思います。
AKI:2強に勝てたというのはどう思いますか?
黒川:常にその2人を意識してるわけではなく、素晴らしい選手はたくさんいるのでいろんな選手を意識はしています。それでも、No.1、2のランク得点は突き抜けてるところがあるので、そこに勝ったっていうのは嬉しいですね。普段勝てる相手ではないので偶然でも勝てたのは嬉しいです。スピード負けしちゃうと抜かれちゃうので、スピード負けしないようにしないと、というのは去年の末に感じましたね。先頭を走っていてもすぐ後ろにつかれちゃうと抜かれてしまうから、スピードある走りを今年の目標にしてます。それが、若獅子でできたのかなという感じはしています。またこの走りをSGでもできたらいいなと思っています。ペースは少しずつ上がってきていますが、再現性は低いので安定して速いペースで走れるようもう少し改善したいです。
AKI:ペースを上げるというのはもちろんエンジンもあると思いますが、その他ではどういうところを意識してるんですか?
黒川:グリップ操作も大きいと思います。エンジンが良いのは前提として、自分のイメージではとにかく開けて走ったほうが速いのかな?と思っていたんですが、意外とそうではないと思うようになっていて。ちゃんと奥まで突っ込んで、ちゃんとグリップを閉めて、メリハリがある人の方が速いなぁと思うようになりました。1年前からそうなのかな?と思っていたんですが、なかなか上手くできなくて。そんな中、去年の年末で3.315とタイムが出た時はそのグリップ開閉ができた感じがして。練習はしていたんですが実際レースでもタイムもでたので確信に変わったというか。今はそのイメージで走るようにしています。それが今回の若獅子優勝に繋がったと思いますし、これをもう少し癖つけをして確実性を上げていきたいです。
AKI:スタートに関してはかなり良いところで安定していませんか?
黒川:自分の中ではかなり良い状態ですね。数年前にスタート良化に集中してた時期があったんですが、それがしっかり身についていると思います。
AKI:あの青山周平選手も黒川選手のスタートは速いとお話し出てましたよ!年末も「黒ちゃんに行かれそう」と考えていたそうです。
黒川:青山さんから自分の名前が出るのは嬉しいですね。年末は過去一くらいの良いスタートでした。でも、その後の大きな斑を自分は上手く走れず捌かれてしまいました。青山さんは本当にミスしないから。なので、自分もスタートをこれからも磨いて独走力をつけていきたいです。あとは、まだまだ捌きは下手なんで。ずっと思ってるんですけど、まだビビって上手く抜けない所とか引きすぎるところがあるのでそこは課題ですね。
AKI:今後、このグレードレースが獲りたい!などはありますか?
黒川:SG優勝は夢ではあるんでどうにか優勝できればなとは思ってます。その中で、普通開催でも、グレードレースでも結果を積み重ねていけば"SG優勝"も見えてくると思うので普段のレースから頑張っていきたいと思います。なので、課題の独走力、スタート、捌きというのをしっかり克服しないとですね。
AKI:ここ最近は新人選手、後輩選手の勢いもいいですよね!
黒川:そうですね。意味が分からないくらい速いです(笑)2級車でもむちゃくちゃ速いし驚きます。しかもみんな速い。経験者でも無経験者でも。戦国時代という感じ。けど、変に意識しすぎず、見過ぎず、自分のことに集中していきたいですね。メンタルはそんなに強くないと思うので周りを見ずに自分は自分で頑張っていきたいと思います。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
黒川:今年も一走一走頑張りますので応援よろしくお願いします!!
(写真は山陽オートSNSより)
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