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第６０回 中日杯３歳上オープンサラ系一般 別定(金沢)

二度とない対決！ハクサンアマゾネスvsナミダノキス
"競馬カナザワ　大井　明洋"

　シーズン総決算の重賞で、その年の活躍馬や実力馬が集結するのが中日杯。金沢競馬においては最も盛り上がるレースとも言える。過去の結果を探っても「年齢・性別・脚質不問」だが、近年は斤量が１キロ軽い３歳馬の馬券圏内も多くなっている。
　今年、ポイントになりそうなのは斤量（負担重量）。引き続き基本は３歳55キロ・４歳以上56キロ・牝馬２キロ減なのだが、「番組賞金最下位の馬を定量として番組賞金500万円ごとに１キロを加増する（最大２キロ）」という項目が追加された。前３年は54キロで出走していたハクサンアマゾネスは２キロ増の56キロとなり、実績馬ヴァケーションも同じく２キロ増の58キロ。他にエイシンギアアップ、ダイヤモンドライン、テトラルキアが１キロ増となる。
　最大の焦点は最強女王(5)ハクサンアマゾネスと金沢６戦６勝の３歳(9)ナミダノキスの対決で、どちらが勝つか。このレースでハクサンアマゾネスは引退を表明しており、最初で最後の激突となるが、共に順調な調整ぶりで大一番に臨んできた。明確な比較は困難とはいえ、材料の一つはタイムだろう。ナミダノキスの前々走・サラブレッド大賞典の勝ち時計は2000ｍ２分７秒４。これはハクサンアマゾネスが勝った昨年の中日杯と同タイム。当社独自の馬場差を見ても今年のサラ大賞典当日の方が時計の出る状態なので割引は必要ではあるが、当時ナミダノキスは休養明けで万全とも言えなかった。ほぼ同等の走力を有していると見ていいはず。そこに先に述べた斤量差。もちろん経験値ではハクサンアマゾネスが大きく上回るし、スタートさえ決めれば展開的にも有利に運べるはずだが、「世代交代」の結果は十分あり得るというのが私の見解だ。

　◎は(9)ナミダノキス。今春転入後は圧倒的強さで無敗。届かないような位置から差し切った石川優駿は例年より１秒以上速い勝ち時計、夏休み明け・ぶっつけ本番だった前々走・サラブレッド大賞典は昨年の中日杯と同じ勝ち時計。馬場差や展開はともかく、女王ハクサンアマゾネスと互角に戦えるのは間違いない。テンに動けないものの、スローペースではない1700ｍ以上で上がり３Ｆ36秒台を連発できる馬はなかなかいないし、ここ目標のローテ・調整で、まだ上昇が見込める休養明け３戦目、斤量も有利。これまでのレースとはメンバーレベルが違うだけに道中は楽でない可能性はあるが、それを覆せる能力と決め手の持ち主と見る。

　○は(5)ハクサンアマゾネス。７才でも衰えどころか進化すら感じる金沢の最強女王。重賞勝利数記録単独トップがかかるここで引退となるが、10月30日の園田・兵庫クイーンカップ後の調整も順調で、状態的な不安は全くないはず。今年も春は百万石賞４連覇達成、２敗時の先着馬も他地区馬で金沢馬に先着を許していない。これまで１着・１着・２着・１着の舞台でもあり、例え前走のようなゲート難を出して出遅れても元々展開不問のレースぶり。崩れる要素はない。

　▲は(8)ダイヤモンドライン。サラ大賞典勝ちの昨年３歳時は１秒４差４着だったが、今年は百万石賞２着→テトラルキアに連敗後の２ヵ月ぶりを叩いた３走前は距離不足の1500ｍを鮮やかに差し切り、前走も直線猛追の3/4差。気性的な難しさのあった馬だが、４歳を迎えて完成に近づき、今秋は心身両面で更なる成長を感じさせる。ここもおそらく終い勝負。ハクサンアマゾネスとナミダノキスを上回るには展開の助けは欲しいところだが、厳しい流れになればなるほど浮上の可能性が高まり、３着候補の筆頭視。

　△は(12)テトラルキア。３連勝で臨んだ昨年は３馬身差２着、今季も百万石賞３着後は意地を見せてＡ１連勝。条件や態勢さえ整えばハクサンアマゾネス以外には負けない走りを見せている。休養明けを快勝後の前開催Ａ１-１は３着と少々案外だったが、この秋復帰後はビシッと追い切れずスタートも良くないのが要因。その辺りを修正できるかが鍵にはなるが、中１週・軽目で出走は昨年と同じ、戦績・展開的にも上位争いは必至。

　注は(4)マリンデュンデュン。快足馬の長距離重賞希望参戦は意外だったが、僚馬ナミダノキスを援護するような流れを作り出す役目もあると推測するものの、本馬の気性成長・状態ＵＰも参戦の理由だろう。２番手では味がないことは前走でハッキリ。この距離を耐えられるか微妙だが、純粋なスピード能力だけなら一番の評。思い切った逃げでアッと言わせる可能性あり。

　穴は(6)カサデガ。ダート1800ｍ・1900ｍで中央１勝クラスを２勝の実績。当地入り後1700ｍに限れば１着・２着・４着と好走、前走４着も見せ場十分の０秒４差で、Ａ１通用の手応えも掴みつつある。好気配で適した長距離に臨めるし、前走同様ロスなく運べば３着争いには参戦可能なはず。

※投票の際は、締切間際を避け時間の余裕を持ってご利用ください。


馬単 9→5 5→9 9→8 9→12 9→4 9→6