この日のメインはGDJ古馬秋シーズンの第6戦に組み込まれた第19回秋桜賞。昨年のこのレースをレコードで圧勝したキャリックアリードのような傑出した存在こそ見当たらないが、道営2頭、南関東1頭、兵庫1頭、高知1頭と5頭の遠征馬が襲来(道営ポルラノーチェが取り消して4頭が出走)。迎え撃つ地元馬も昇り馬プリメイラを筆頭に、夏が稼働期のペップセ、生きのいい3歳馬エバーシンス(岐阜金賞2着)等、楽しみな陣容だ。当日の気配、展開次第でどうにでも転がりそうで、馬券的にも大いに楽しめそうな一戦と言えよう。
記者が主力視したのは兵庫のヒメツルイチモンジ。2月の笠松で名古屋の誇る名牝セブンカラーズを差し切ったのは記憶に新しく、8月の金沢では読売レディス杯を勝つなど、GDJシリーズで輝きを放っている。勝ち鞍は1600mまでだが、新子調教師が出走に踏み切るのだから距離の心配は無用だろう。好位ひと伸びで混戦を断つか。これに次ぐのは高知のアンティキティラ。旧コースで若草賞、新コースで秋の鞍と名古屋コースで2つの重賞勝ちと好相性。東海地区の競馬ファンにも実力のほどは広く認知されている。6歳となった今期も佐賀ヴィーナスカップ3着(0秒1差)、前述の読売レディス杯2着と衰えの色は全く感じず、他の有力馬よりも一歩前で運べる利点を生かすか。これらを迎え撃つ地元馬では昇り馬プリメイラを推奨したい。過去2回の重賞挑戦は名古屋記念9着、トリトン争覇11着と苦杯を嘗めたが、前走のA2組の勝ちっぷりはなかなか秀逸。着実に力を付けている。なおかつ移籍後では一番の追い切りを消化。大駆けムードは十分だ。展開面からはペップセ、コパノマイアミの2頭に注意したい。実力的に有力馬とも遜色はなく、人気的にも手頃で穴の要素が充満。いわゆる勝負駆けをしたら怖い馬たちだ。名前を挙げなかった馬たちも正直3着ならば大半の馬にチャンスがありそうな混戦模様。最近の名古屋競馬では高配当が続出していることを踏まえれば、3着目は全頭流しと網を広げて高配当を拾うという作戦もありかも。
◎(7)ヒメツルイチモンジ…GDJ古馬春シーズンは笠松のブルーリボンマイル、秋シーズンは金沢の読売レディス杯とこのシリーズで無類の強さを発揮している。名古屋コースは3歳時に秋の鞍3着で経験済みなのも好材料。勝ち鞍は1600m(ブルーリボンマイル)までだが、あと100mぐらいはこなしていいだろう。好位差しの安定した取り口で、ここに向けての調整も至極順調。勝ち負けの期待を寄せたい。
○(8)アンティキティラ…名古屋は旧コースを含めて5戦に出走。若草賞、秋の鞍と2つの重賞を制して相性のいいコースの一つだ。6歳となった今期も佐賀ヴィーナスカップ3着(0秒1差)、読売レディス杯2着と牝馬限定戦ならば勝ち負けの力を維持している。メンバー的には先手を奪っての押し切りも狙えそうだが、陣営は前走の反省を踏まえ好位からの抜け出しを目論んでいる。
▲(3)プリメイラ…中央未勝利から昨夏8月に転じて(11022)。過去2回の重賞挑戦では名古屋記念9着、トリトン争覇11着と振るわないが、一戦ごとに着実に力を蓄えてきた。今回の追い切りでは移籍後で一番の動きを披露。全国地方交流とはいえ牝馬限定戦なら大仕事をやってのける可能性は十分だろう。それだけの素質と状態にあると言える。鞍上には引き続き絶好調の望月騎手。機は熟したか。
△(12)ペップセ…今期は10戦して(0406)と勝ち切れないでいる。ここ2走は名港盃9着、撫子争覇4着と弾け切れないが、決して気配は悪くない。8月28日に走ったばかりで強行軍は気になるところだが、疲れがあれば無理はさせないはず。鞍上には腕っぷしの強いリーディングの塚本騎手を配して、陣営の何とかしたいという意欲が伝わる。前走がやや消極的に映ったので、積極策からの大駆けを警戒。
×(5)コパノマイアミ…重賞勝ちのある他の遠征馬と比較すると戦績的には目立たないが、こちらも中央2勝の実績がある。兵庫A2で1勝、南関東B1でも1勝を挙げており、今年5月の笠松戦(7着)はまだ出来が本当ではなかったのだろう。ここに入っても決して侮れない存在だ。名古屋の大畑騎手に手綱を託したあたりに勝負気配はない?と勘ぐってしまうが、馬場を熟知する騎手ならではの手綱捌きに期待。
※投票の際は、締切間際を避け時間の余裕を持ってご利用ください。
馬単 7→8 8→7 7→3 3→7 7→12 7→5