【中央所属馬の評価】
メイショウフンジンはこれで3年連続での出走となる。一昨年は後にJBCクラシックを制したウィルソンテソーロに半馬身差の2着。ただ、昨年は自身の形に持ち込めずに4着に敗れた。重賞初制覇を成し遂げた今年の佐賀記念のように、とにかく先手を取れるかどうかで大きく変わってくる。その点で今回も同型がいるので、上手く兼ね合いがつくかどうか。枠順や当日の馬場状況に大きく左右されそうだ。
カズタンジャーは重賞初挑戦となったマーキュリーカップを1番人気に応えて重賞初制覇。展開が向いた面はあるにせよ、実績十分の実力馬クラウンプライドをとても届かないのではという位置から差し切ったのは見事。追い込みタイプなので小回りの金沢コースへの対応は鍵となるが、今回も先行争いが激しくなる可能性が十分に考えられる。そうなれば、この馬の今の勢いをもってすれば再度豪脚炸裂というのは大いに考えられる。
ピュアキアンは前走のマリーンSでオープン初勝利。道中で他馬に捲られて一旦は先頭を奪われる苦しい形ながら、しぶとい粘りを見せて最後は逆に後続を離す強い勝ち方を見せた。昨年の11月からは9戦連続でハナに行っているように、この馬にしても逃げてこそ。今回も自身のスタイルを崩さないだろうが、やはり同型メイショウフンジンの存在は気になるところ。先行争いをうまく制することができるかが鍵を握っている。
ディープリボーンは前走のマーキュリーカップでは3着だったが、自ら勝ちにいく競馬で大いに見せ場は作れた。2走前のブリリアントSが実にしぶとい内容だったし、先行してしっかりと脚を使えるのが強み。前走はやや馬体が太く見えたところもあるので、当日ひと絞りあれば更に力を発揮してくれそう。その時の先着馬はいるが、今回は際どい競馬ができる可能性は大いにあると考えている。
ジャスパーロブストはデビューから11戦して連対を外したのは僅か1度のみと抜群の安定感を誇っている。2走前のBSN賞でオープン初勝利を飾ると、前走も2着だったとはいえ勝ち馬はかなりの素質を秘めている馬。敗れたが中身は濃かった一戦と言えるだろう。逃げがベストだろうが、控えて勝ったこともあり比較的展開に融通が利きそうな点も強み。あとは前走から中9日の日程となるので、当日の気配は要チェックだろう。
【地方競馬所属馬の評価】
シンメデージーは昨年の東京ダービー4着、ジャパンダートクラシック5着で中央馬相手にも通用することを証明。昨年の名古屋大賞典では出遅れながらも僅差の3着。今年に入ってからも、佐賀記念と名古屋グランプリで2着。いつダートグレードに手が届いてもおかしくない所まで来ている。帝王賞では9着だったが、勝ちに行ってのものなので仕方ないだろう。コースを知り尽くす名手・吉原寛人騎手の手綱捌きにも注目だ。
アンタンスルフレは前人未到の北國王冠3連覇を成し遂げたように、金沢コースは自身の庭と言っても良いほど。昨年の当レースも地方馬最先着の6着というのがそれを表しているだろう。ただ、今年に入ってからはなかなか成績が上がらず、門別での4走も目立った結果は残せなかった。今回勝ち負けとなると難しそうだが、大目標の北國王冠4連覇に向けて弾みのつくようなレースを期待したい。
サクラトップキッドは陶文峰騎手(現・調教師)のラスト重賞騎乗となった北上川大賞典を途中から先頭に立ってそのまま後続を完封したのが印象深いが、前走のマーキュリーカップで4着と健闘。展開が向いたにせよ、中央馬相手でもうまく噛み合えば通用するところを見せてくれた。今回も先行馬が多いメンバー構成なので、末脚勝負でどこまでやれるか注目したい。
ウェザーコックは昨年の7月に金沢へ移籍後は3勝をマーク。重賞初挑戦となった百万石賞では8番人気ながら、積極的に好位でレースを進めて3着と粘りを見せた。距離が延びて良さが出るタイプで、条件的には合っているといえる。ただ、今回はダートグレードでかなり相手が強い。持ち前のスタミナを生かしてどこまで食い下がれるか。
ビバロジータは4走前の石川優駿を最後方から馬群を縫って進出し、ゴール前で差し切り勝ちを決めたのには驚かされた。前哨戦の負けで人気を下げていたが、大一番で見事巻き返した。2歳時はどちらかといえばスピードを生かす競馬をしていたが、3歳になって自在性が出てきた印象。その後は勝ち切れていないが、大崩れもしていない。強豪相手と戦う経験がきっと今後に生きてくるだろう。
マイネルシスネロスは門別、兵庫、南関東で18勝をあげて金沢に移籍。金沢移籍2戦目も制していて、これまでに19勝をあげている。ただ、重賞では壁に跳ね返されているのが現状。前走も自己条件で特に見所のない敗戦。ダートグレードでは分が悪いというのが正直なところだ。
メルテミアは中央で平地・障害で1勝ずつをあげている。年明けに兵庫へ移籍するといきなり2連勝。飛躍を期待したが、その後はなかなか結果を出せずに金沢へ移籍。移籍後は2着と3着が1度ずつあるが、一線級と戦っている訳でもない。距離は合いそうではあるが、今後の糧になれば上出来なのではないだろうか。
【解説者の予想】
サウジカップ制覇など世界を股にかけて活躍するフォーエバーヤングが翌日の日本テレビ盃に出走。そちらが注目なのは間違いないが、このレースも一昨年の覇者ウィルソンテソーロは昨年のJBCクラシック制覇などダート界のトップで活躍している。そして昨年の覇者ディクテオンは後に大井に移籍すると、先日のコリアカップを勝利。近2年の勝ち馬がその後活躍を見せており、こちらも今後のダート路線を占う意味では非常に注目を集める一戦と言えるだろう。さて、今年はとにかく逃げ・先行タイプが多い。特に3年連続出走となるメイショウフンジンはここ2走かなりのハイペースを演出しており、そうなれば必然的に差し馬に流れが向くとみている。
シンメデージーは今年に入って佐賀記念・名古屋グランプリで惜しい2着。中央馬に対しても全く見劣らない能力の持ち主で、今度こそという想いは強いだろう。金沢コースでも昨年の西日本3歳優駿で大差勝ちをしているように、経験があるのは強みとなる。あとは初対戦となる中央馬たちとの力関係次第にはなるが、今回の中央馬たちはGI級で走ってきた馬たちはおらず今までよりくみしやすいはず。悲願のダートグレード制覇を成し遂げるのは今回だとみた。
カズタンジャーはハイペースで展開に恵まれた面があるにせよ、とても届かないのではという位置から差し切ったマーキュリーカップが圧巻の一言。東京コースなど左回りの広いコースがベストとみているので、小回りの金沢コースに対応できるかという懸念は少々ある。それでも、今回も前走のように展開が向く可能性が大いにある。前半で極端に置かれなければまとめて差し切るだけの脚は持っており、ここも有力な一頭。
ディープリボーンはマーキュリーカップではカズタンジャーにやや水をあけられたが、自ら積極的に勝ちに行ってのものであり悲観することはない。こちらは右回りにも良績を残しており、ある程度の先行力もあるのでコースへの適性は高そう。着差を詰める、あるいは逆転まであっても何ら驚けない。あとは当日の馬体重に注目したい。前走はやや太かった可能性があり、絞れているのが理想的だろう。
ジャスパーロブストは重賞初挑戦で、中9日の日程も気になったのは正直なところ。それでもオープン昇級後も連を外さない安定感は魅力的で、同型の出方次第では控える競馬もできる。距離の2100mも走ってみないとこなせるかはなんとも言えないが、極端に苦にするとも思えない。先行争いがもし落ち着いてペースが緩むようなことがあれば、単の可能性も秘めている。
ピュアキアンは同型メイショウフンジンの存在が気がかりだが、それでも前走の勝ち方が非常に印象的。すんなり先手ならかなりの粘りを見せてくれるし、テンの速さはこちらに分がある。それを生かして先行争いを早目に決着をつけることができれば、粘り込む可能性は大いに考えられる。ただ、逆にガンガン絡まれるようだと苦しくなりそうで、評価としてはこの位置になる。
◎(11)シンメデージー
○(12)カズタンジャー
▲(2)ディープリボーン
△(1)ジャスパーロブスト
△(9)ピュアキアン
※投票の際は、締切間際を避け時間の余裕を持ってご利用ください。
馬単 11→12 11→2 11→1 11→9 12→11 2→11 1→11 9→11