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メイセイオペラがくれたもの

2008年10月08日

 1998年10月10日、【メイセイオペラ】が勝利した南部杯当日。実は私の記念すべき、騎手デビューの日でもあるのです。

 16歳で初めて競馬を見てから約4年間、ただただこの日を夢見て頑張ってきたわけですが、いざレースがスタートすると、何がなんだかわからないうちに終わってしまい、私自身は何もすることが出来ませんでした。

オカノファイヤー.jpg
 〔デビュー戦:オカノファイヤー号〕

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 〔2戦目:クラダイアナ号〕


 この日は2頭の騎乗でしたが、どちらのレースも自分が思い描いていたようなことは全くできず、ただただ先輩騎手たちの間で縮こまって乗っているだけ。自分自身の不甲斐なさに、涙が出るほど悔しかったし、このままでは一生勝つことなんてできない・・・と本気で思いました。


 緊張から開放されたことと、精神的な落ち込みによって、控え室に戻って来た時にはもうぐったり。みんなの前では抑えていた涙が、次から次へと流れていきました。

 そこで南部杯のファンファーレ。場間場外発売により、高崎の場内テレビでも南部杯が放送されたのです。1番人気は【アブクマポーロ】。その年は1月の『川崎記念』から6連勝中。特に6月の『帝王賞』では並み居る中央馬を退けて、強い勝ち方を見せてくれました。
 『帝王賞』当時、私はまだ地方競馬教養センターの生徒で、同期たちと一緒にテレビを食い入るように見たものです。「地方競馬にも、こんなに強い馬がいる!」と本当に勇気をもらいました。 
しげ.jpg
 〔地方競馬教養センター終了式にて、同期の繁田健一騎手と〕 

 そんな【アブクマポーロ】が出場するということで、泣いてはいられないわ!と真剣にレースを見たんですけど・・・なんとなんと、3馬身もの差をつけられて、【メイセイオペラ】に負けてしまったではないですか!しかも【タイキシャーロック】にもハナ差負けて3着。
 この時は【メイセイオペラ】が勝ったことよりも、【アブクマポーロ】が負けたことの方が衝撃でした。

 「あんなに強い馬でも、負けることがあるなんて・・・」勇気と感動をもらった馬だけに、本当にショックだったんですけど、衝撃が去って落ち着いてくると、考え方が変わりました。
 「あんなに強い馬でも、負けることがあるなんて・・・競馬ってやっぱり面白い!!」

めいせいおぺら.jpg
 〔メイセイオペラ:写真提供NAR〕
 


 その時は、本当におこがましいんですけど、【アブクマポーロ】が先輩騎手たち、【メイセイオペラ】を自分に置き換えて、「いつか私も、上の騎手たちを負かすんだ!」とさっきまで泣いていたことも忘れて、「早くレースに乗りたい!うまくなりたい!」という気持ちになりました。


 騎手として最初の障害にブチ当たっていた私を【メイセイオペラ】が救ってくれたのです。デビュー戦の苦い思いと重なって、この年の南部杯は一生忘れられない思い出です。

 今年もいよいよ南部杯が迫って来ました!今年は【ブルーコンコルド】の3連覇がかかっていますよ?。どんなレースになるんでしょうか♪

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