最後のダービーグランプリ
2023年10月02日
10月1日(日)、最後の開催となったダービーグランプリに行って来ました。
盛岡競馬場は途中で激しい雨が降り、夕方には肌寒いくらいの気温になりましたが、たくさんのファンの方々が見守る中でレースが行われました。
もちろん注目は、無敗の南関東三冠馬ミックファイア。
圧倒的な1番人気となりました。
これまで大井競馬場のみの出走だったため、今回が初めての長距離遠征。
前日輸送で到着し、この日の馬体重は484キロ。前走から比べるとマイナス3キロですが、休養を挟んで出発時には約500キロあったそうです。
休養明け初戦、初の長距離輸送という難しい条件でしたが、パドックに現れたミックファイアは堂々と歩き、羽田盃や東京ダービーで見せた激しい入れ込みはありませんでした。
ジャパンダートダービーの時にも落ち着いた歩きでしたし、レースを重ねて精神的な成長を感じます。
2番人気はホッカイドウ競馬三冠馬ベルピット。
こちらも初の遠征競馬でしたが、落ち着いた足取りで堂々と歩いていました。
3番人気はサンタアニタダービーで2着に好走した大井のマンダリンヒーロー。
さすがにアメリカまで遠征した経験がありますから、初の盛岡もマイペース。
すぐ後ろを歩くミックファイアに煽られ気味でしたが、全然気にしていない様子でした。
いよいよ最後のダービーグランプリの発走。
東京トゥインクルファンファーレ隊の皆さんの生演奏が響き渡り、7頭がゲートイン。
ゲートが開くと、逃げるかと思われた最内枠のベルピットがまさかの出遅れ。
すると外からミックファイアが先頭に立って逃げる展開、2番手にはぴったりとマンダリンヒーロー、3番手にはタイガーチャージが付けました。
サベージはいつも通り、最後方をポツンと追走する形。
勝負所でタイガーチャージが早々に脱落し、ミックファイアとマンダリンヒーローの一騎打ちムード。
しかも手応え的にはマンダリンヒーローの方が優勢で、4コーナー立ち上がりではいったん先頭に立つ場面もありました。
しかしそこから加速したミックファイア、結局1馬身半差をつけて先頭でゴール。
正直、ヒヤヒヤする場面もありましたが...、終わってみれば強かったです。
引き上げて来た時、御神本騎手は大きなため息をついていました。
戻って来た時は、まさにホッとした、という表情でした。
御神本訓史騎手
「秋初戦、無事に勝ててホッとしています。
スタート直後、ベルピットが出ていなかったので、他にも内の馬は見えなかったですから、切り替えてすぐに主張しました。
けっこう早めに来られて、思ったよりも手応えが怪しかったのは事実です。
内容的にはもう少し強い競馬を見せたかったですけど。
その辺りは休み明けで、見た目よりも余裕のあるつくりだったのかなという印象です。
左回り、初コースをクリアできたことは大きいですね。
この後は古馬の壁があるので、自分ももっと成長して、いい競馬ができるようにしていきたいです」
渡邉和雄調教師
「ホッとしました。
秋初戦でまだ余裕のあるつくりでしたし、その中でメンバーが揃っていましたから、不安な気持ちもありました。
今回は頭数が少なく、ミックファイアはスタートのいい馬ですから、もしかしたらハナになる可能性もあると御神本騎手とは話していました。
頭数が少ないというのは、普段後ろで競馬をしている馬が直付けしてくる可能性があると。ミックファイアはスタートが良く、多頭数ではそこがアドバンテージになるわけですから、今回それがないという部分にも不安を感じていました。
案の定、吉原騎手がぴったりマークしてきて、4コーナーで並ばれる展開で、心臓に良くないレースでした(苦笑)。
この後は順調であれば、地元開催のJBCクラシックを目指します。
古馬は強いですから簡単ではないと思いますが、チャレンジャーとしてさらにパワーアップして挑みたいです」
初の遠征競馬もクリアして、無敗で3歳チャンピオンとなったミックファイア。
この先の古馬との戦いもとても楽しみです!!!
第36回にして最後のダービーグランプリ、ずっと語りたくなる良いレースを見せていただきました。