3/16ばんえい記念回顧
2025年03月17日
メムロボブサップが昨年2着の雪辱
3月16日(日)には重賞・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、断然人気のメムロボブサップが優勝。障害4番手から早々に前をとらえ、2年ぶり2度目のばんえい記念制覇となりました。
【出走馬】※カッコは負担重量、右の数字は単勝最終オッズ
1.インビクタ(1000) 46.1
2.キンツルモリウチ(1000) 競走除外
3.コウテイ(1000) 5.2
4.メムロボブサップ(1000) 1.2
5.ミノルシャープ(1000) 68.8
6.コマサンエース(1000) 7.9
7.ダイリンファイター(1000) 58.8
8.タカラキングダム(990) 10.3
開催最終日の最終第12レースに行われた今年のばんえい記念は、キンツルモリウチが競走除外となり7頭立て。今季10戦9勝(うち重賞6勝)、2着1回とシーズンを通して圧倒的な成績を残したメムロボブサップは、阿部武臣騎手の負傷により、レース前日、渡来心路騎手に騎乗変更の発表。それでも3年連続で連対中とあって単勝1.2倍の断然人気になりました。帯広記念で今季唯一メムロボブサップに土をつけているコウテイが5.2倍で2番人気。同3着のコマサンエースが7.9倍で3番人気と、ばんえい記念経験馬が上位人気。今季4歳シーズン三冠を制し、ばんえい記念初挑戦となるタカラキングダムが10.3倍で4番人気となりました。
夕方過ぎから降り始めた雪のなかレースがスタート。第1障害を先頭で越えたのはメムロボブサップでしたが、ひと息入れるとインビクタ、コマサンエースが交わして先行。コウテイとダイリンファイターも位置取りを上げ、メムロボブサップはそれらを見ながらレースを進めていきます。最後方のタカラキングダムが少し置かれますが、ほか6頭はそれほど離れず進むと、第2障害下にはダイリンファイターがわずかに先頭で到達。ここまで1分17秒と昨年のばんえい記念より28秒も速いペースで流れました。
6頭がそろった第2障害では各馬じっくり息を入れると、コマサンエース、ダイリンファイター、インビクタ、コウテイの4頭がほとんど同時に仕掛け、コマサンエースが先頭でクリア。コウテイが差のない2番手で、インビクタ、メムロボブサップまでがひと腰で続きます。
障害を降りてからは、手ごたえ十分で前に迫ったメムロボブサップが残り30メートル手前でコマサンエースを交わし、後続を突き放す堂々たる歩みで完勝。勝利の瞬間、渡来騎手は小さくガッツポーズ。2着にはコマサンエース、3着にはコウテイが入り、上位人気3頭による決着。これが引退レースとなる7着ミノルシャープまで全馬完走となりました。
メムロボブサップは23年に続き2度目のばんえい記念制覇で、勝ち時計の2分17秒5はばんえい記念史上最速。またこの勝利で通算収得賞金が1億135万7500円となり、06年に達成したスーパーペガサス以来、19年ぶり史上8頭目の"1億円ホース"誕生となりました。偉業を達成したメムロボブサップですが、来季は古馬重賞完全制覇を目指し、唯一制していない帯広記念制覇が目標となるようです。
また急遽乗替りで大役を果たした渡来騎手は、ばんえい記念初騎乗での制覇となりました。
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渡来心路騎手「(騎乗が決まった時は)本当に自分でいいのかなと思いました。プレッシャーを感じすぎて、1周回って『やるしかないな』という気持ちになりました。雪が降っていましたが、荷物が1トンなので焦ることなくしっかりと溜めていこうと思いました。武さん(阿部騎手)がしっかり仕上げてくれて、スタートを出た瞬間に本当に完璧な馬だなというのが分かったので、焦ることなくしっかり馬に任せて乗ることができました。5年前(20年4月)に一度初めて乗った時から強いなと思っていましたが、やっぱりこの馬は強いです。障害を上手く上がれれば降りてからはしっかり歩き切ってくれると思っていたので、焦ることなく馬の呼吸を見ながら乗ることができました。降りてからの勢いがありましたので勝てるなと思いました。(ゴールした瞬間は)すごく嬉しかったですし、武さんと坂本調教師、馬主さんと応援してくださったファンの皆さんに感謝しています」