大みそか31日メインは岩手競馬グランプリ・桐花賞。ノーブルサターンが2連覇を飾る
2023年12月30日
大みそか31日メインは岩手競馬の恒例行事・岩手版グランプリ「第47回桐花賞」(水沢2000m)。今年度は正月競馬を実施しないため、桐花賞がレギュラーシーズンの1年を締めくくる(11Rはあるが)一戦。
岩手競馬の根幹レースはシアンモア記念、一條記念みちのく大賞典、桐花賞。以上3レースすべて出走はヴァケーション、ゴールデンヒーラー、ノーブルサターン、そしてフレイムウィングスの4頭のみ。今年1年、紆余曲折があったが、オープン重賞戦線は3強で推移したことを裏付けるメンバー構成となった。
本命はノーブルサターン。昨年12月、南関東A1から転入。いきなりトウケイニセイ記念、桐花賞と重賞2連勝を飾ってシーズンを終了した。今年は赤松杯から始動して4着からシアンモア記念へ臨み、好位キープから直線抜け出しを決めて完勝。今年も健在をアピールした。
続く一條記念みちのく大賞典では1番人気に支持されたが、後方のまま。ヴァケーションに2秒3差7着に終わった。それが尾を引いたのかマーキュリーカップも二けた10着。その後は秋田の牧場で完全放牧に出た。復帰まで思った以上にかかったのは夏負けがひどかったため。ご存じのように今年は岩手も猛暑続きだった。
10月22日にようやく戦列復帰したが、2番手キープから直線一杯5着。年齢的な衰えかと思わせ、北上川大賞典は屈辱の5番人気だったが、鮮やかな逃げ切りを決めた。前走・トウケイニセイ記念は出遅れながらも貫禄の2連覇。2600mから一気に1600m短縮もまったく問題にしなかった。
今回のテーマは桐花賞2連覇だが、もう一つ重要な仕事がある。連覇はイコール年度代表馬の座を盤石にすること。昨年の年度代表馬はヴァケーションだったが、今年は絶好のチャンスとなった。
ヴァケーションは重複するが、昨年度の年度代表馬。白星はシアンモア記念優勝のみだったが、マーキュリーカップ3着、盛岡開催のJBCクラシック挑戦など年間を通して活躍したことが評価された。
今季始動はノーブルサターンと同じく赤松杯でグローリーグローリの2着。上々の滑り出しだったが、連覇を狙ったシアンモア記念でまさかの7着。逃げたゴールデンヒーラーの2番手につけたが、共倒れになって2頭で撃沈した。
一條記念みちのく大賞典4番人気もやむなしだったが、逃げの手に出て8馬身差で圧勝。シアンモア記念7着から一転、見事な復活劇を演じた。マーキュリーカップは7着、川崎遠征・スパーキングサマーカップ12着。"らしさ"をまったく見せることができず、3ヵ月半休養。トウケイニセイ記念は何とか間に合った格好だったが、見せ場を作って2着。
この一戦を使えたのが陣営にとっては心強い材料。ぶっつけで桐花賞は不安が大きかったが、2着連対は大収穫。昨年はノーブルサターンに完敗2着だったが、今年こそ雪辱。2年連続で年度代表馬へまい進する。
ゴールデンヒーラーも苦難の1年だった。昨年、JBCレディスクラシック出走取り消し後、北海道へ帰郷。"一回り大きくなった"と渡辺正彦きゅう務員が語り、復帰戦の栗駒賞を完勝。今年の主役を予感させたが、シアンモア記念6着、一條記念みちのく大賞典8着に凡走した。
佐藤祐司調教師「フェアリーカップは引退も覚悟した一戦」だったが、ゴールデンヒーラーは1秒4差で圧勝。続く青藍賞も完勝で堂々の2連覇を達成し、マイルチャンピオンシップ南部杯へ2年連続で挑戦。昨年は5着、今年は7着だったが、ようやく本来の動きを取り戻した。
2度目の挑戦となった船橋・クイーン賞8着の評価に迷うところだし、今回の水沢2000mは本質的には向かないが、2着1回。こなせない条件ではない。仮に優勝すれば悲願の古馬ビッグタイトルを獲得することになる。
フレイムウィングスは中央ダート2勝、南関東1勝・B1級から転入。ピリッとした脚がないため未勝利だが、一條記念みちのく大賞典3着、北上川大賞典2着など重賞で馬券対象を果たしている。よく言われることだが、三強は成り立たず—の定説を考えれば一角を崩す可能性は十分にある。
ホッコーライデンは中央ダート4勝、北海道1勝・A1級から転入。初戦のトウケイニセイ記念でメンバー最速の上がりを披露して4着。スロースターターで展開に注文がつくが、3着候補には押さえたい。
マイネルアストリアは前回快勝。自分の競馬ができれば強じんな粘りを発揮する。三強がけん制し合い、マイペースに持ち込めれば残り目一考。
◎(4)ノーブルサターン
〇(8)ヴァケーション
▲(5)ゴールデンヒーラー
△(7)フレイムウィングス
△(10)ホッコーライデン
△(1)マイネルアストリア
<お奨めの1頭>
7R ササキンローズ
前走2着は勝った馬が強く仕方なしの結果。このメンバーなら首位を譲れない