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御神本 訓史 騎手(大井)

2010年05月31日


2002年に益田競馬場が廃止になり、若きリーディングジョッキー御神本訓史騎手が大井競馬場に移籍しました。


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あれから8年。大きな落馬事故、地方馬による初のJBC制覇、そして度重なる騎乗停止...輝かしい栄光と、大きな挫折を繰り返す激動のジョッキー人生を歩んでいます。
今年2月から始まった3ヶ月の高知遠征。最後の騎乗日に、現在の心境をお聞きしました。


赤見:高知遠征最終日ということで、この3ヶ月を振り返ってみてどうでしたか?


 

御神本:騎乗停止になってレースに乗れなくなって、色んなことをリセットしたかった。そういう意味で、この場所が一番いいなと思ったので、自分から申請をしたんです。
3ヶ月という短い期間でしたが、いい意味でリセット出来たと思ってます。


いろいろあってこっちに来て、ゼロからのスタートだったけど、ものすごく温かい人たちに恵まれて、この遠征を終えることが出来ました。


  

赤見:高知では南関東や他地区からの修行的な遠征を多く受け入れていますもんね。ここで修行して大成したジョッキーもたくさんいますが、実際どんな生活をしていたんですか?


 

御神本:朝は2時半から10時くらいまで調教をして、午後は厩務員さんたちの作業を手伝っていました。

南関東だと毎日競馬があるので、午後の作業を手伝うことはなかったけど、こっちは人手も少ないので、1日動いてる感じですね。

 

赤見:かなり濃厚な厩舎生活を送ってたんですね。

半年ぶりの騎乗初日にいきなり4勝と大活躍でしたが、実際レースに復帰することに不安はありましたか?


 

御神本:そうですね。身体はトレーニングをしていたので全く不安はなかったけど、レース勘を取り戻せるのかな、とは思っていました。


でも初日からいい馬にたくさん乗せていただいて、結果を出すことが出来ました。本当にありがたいです。


 

赤見:見ている方も、いきなり4勝は衝撃的だったし、さすが御神本騎手と思いましたよ。

高知のレースは南関東とはまた違った面白さがあると思いますが、その辺りはどうでしたか?

  

御神本:高知のジョッキーたちは1人1人個性も強いし、今までずっと一緒に乗って来たわけじゃないので、色んなことを勉強したし、刺激も受けました。

 

赤見:そして...4月7日には、久しぶりに大井で騎乗しましたね![ポートジェネラルで東京スプリントに騎乗]逃げてあわやの4着!!スタンドはかなり盛り上がりましたけど、あの時の心境は?

 

御神本:今までも一緒のレースに乗ったことがあって、かなりスピードのある馬だな、とは思ってたけど...まさかあそこまで頑張ってくれるとは思わなかったです。直線向いた時は、ちょっとやったかなと思いましたよ。

正直、最初に話を聞いた時には行きたくない気持ちもあったんです。

でも実際大井に行ってみて、パドックとかで声援をもらって...すごく温かかったですね。待っててくれる人がいる...今は本当に行ってよかったと思ってます。

 

赤見:ヤジはなかったんですか?

 

御神本:そう、なかったんですよ1つも!たくさんの方が声援を送ってくれた。本当に温かくて...ありがたかったです。あの時の経験があるから、また南関東で頑張ろうって思えますね。

  

赤見:高知での所属の雑賀正光調教師も、あのレースの直後に「これで南関東に帰れるな...」と仰っていました。 これまでを振り返ると、他の誰も経験したことのない、すごいジョッキー人生を送ってますよね。

 

御神本:本当にそうですね。色んなことがあったけど...。デビュー2年目でリーディングを獲ったし、益田が廃止になってすごく辛かったけど、大井に受け入れてもらえました。努力もして来たけど、上手く行く事の方が多かったんですよ。そういう意味では、大井に移籍して半年後に起こった落馬事故が、初めての大きな挫折という感じでした。

 

赤見:あの時はくも膜下出血で意識不明だったんですよね?

 

御神本:そうなんです。怪我して半年で1度復帰したんだけど、その後また休んだり復帰したりを繰り返していて...。なんてゆうか...それまで順調に来てただけに、躓いた時の対処の仕方がわからなかった。鬱みたいに落ち込んで、調教以外はずっと部屋に引きこもってました。人と話をするのも、接するのも嫌でしたね。

 

赤見:そこから、どうやって立ち直ったんですか?

 

御神本:所属の三坂盛雄調教師が、親代わりとしてとにかく親身になって支えてくれたんです。しばらく休んでいた時に、三坂先生のアドバイスで、高橋三郎先生のところで勉強させてもらった時期があって。騎手としても調教師としてもすごい結果を残している偉大な方ですから、近くでいろいろ教えてもらいました。その頃に、復帰の糸口を掴んだんです。

一時は引退も考えたけど...もうダメなんじゃないかって...。本当に、周りの人たちに感謝しています。

 

赤見:三坂盛雄調教師、高橋三郎調教師、そして高知での所属だった雑賀正光調教師と、たくさんの関係者に支えられているんですね。 今日(5月10日)で高知での騎乗は終わりますが、今後についてはどんな気持ちですか?


御神本:来週福山で騎乗して、その後は南関東に帰る予定です。 帰るキッカケをくれた高知の関係者には、本当に感謝しています。


厩舎関係者みなさん温かく迎えてくれて...益田に戻って来たような感覚もありました。高知と交流が深い福山にも益田から移籍したジョッキーがいるし、そういう人たちと久しぶりに話せたのも大きかったですね。

たくさんの人たちに感謝して...今は、早く戻って1つずつ恩を返していきたいです!



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※インタビュー/赤見千尋

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