岡部 誠 騎手(名古屋)
2010年09月27日
今年も2位以下に70勝以上もの差をつけて、リーディング独走中の、名古屋・岡部誠騎手。
9月15日、名古屋競馬第5レースで、地方通算2000勝を達成!現在の心境をお聞きしました。
赤見:2000勝達成、おめでとうございます!
岡部:ありがとうございます。
赤見:この積み上げた数字、ご自身ではどんな風に感じますか?
岡部:そうですねぇ。最近では年間200とか勝たせてもらっているので、区切りの数字というか、通過点という感じですね。
赤見:今年はすでに172勝(9/18現在)ですし、昨年は怪我もありながら209勝でしたもんね。
岡部:いや〜実は年間の勝ち鞍って、きちんと覚えてないんですよ(笑)。
1鞍1鞍、頑張って乗るという意識で。
たくさん乗せていただいて、たくさん勝たせていただいて、周りの方々には本当に感謝してます。
赤見:現在33歳ですが、かなりお若い時からリーディングを獲っていらっしゃいましたよね。
岡部:運もよかったんですけど(照)。馬乗りの勉強はたくさんしました。
今でもそうですけど、何度も何度もレースのビデオを見たり。上手な人のレースを見て、研究しました。
僕がデビューした頃は、名古屋だけでも50人くらい騎手がいましたから。
赤見:特に参考にした方は?
岡部:やっぱり、吉田稔騎手ですね。すごく上手だと思います。
具体的には、レース中に焦るところがないし、周りが見えているんですよ。追う時のフォームもブレないし、カッコいいんです。
騎手は見せる商売ですから、汚いフォームで勝ってもな〜と僕は思うんです。綺麗にカッコよく勝ちたいですね。
赤見:その吉田稔騎手を抜いて、2004年に初のリーディングを獲得しました。その時のお気持ちは?
岡部:もちろんずっと、1位獲りたいと思って頑張って来たので、嬉しかったですよ。
ただ、数字の上で勝ち星が上回ればリーディングにはなるけど、技術的に見て、本当に自分が1番なのか...自分がリーディングでいいのかと、考えるようになりましたね。
赤見:これだけ勝っていても?
岡部:稔さんをはじめ、上手い騎手はまだまだいますし、名古屋だけじゃなくて、全国、日本だけじゃなくて、世界を見ても、たくさんの上手いジョッキーがいますから。
もっと上手くなりたい!自信を持ちたい!っていう思いが強いです。
リーディングの2位や3位にいた頃は、「とにかく1位になりたい」と思ってがむしゃらに頑張ってました。
でも、いざ1位になると...続けるのも大変なんだなと感じます。
自分は名古屋の代表というか、顔になるわけじゃないですか。だから、より技術を磨かないといけないなって。
色んな人の期待も大きくなるし、あんまり悩むタイプじゃないんですけど、色々考えるようになりましたね。
名古屋でリーディング獲ってても、いまいちネームヴァリューもないし...。
ダートグレード勝ったり、ジョッキーレースで優勝出来たら、自信に繋がると思うんです。
赤見:今年も来月に、スーパージョッキーズトライアル(SJT)がありますね。
岡部:ジョッキーレースは2位や3位が本当に多くて...(苦笑)。
そこそこ来るんだけど、パンチ力がないんですよね〜。
まぁ、まだ優勝するのは早かったということです。そこからまた、勉強も出来ましたし。
ジョッキーレースは、特殊なレース展開になって普段とは違いますから、逆に普段通りに乗れればと思ってます。
SJTや佐々木竹見カップで優勝出来れば、大きなアピールになりますから。
昨年はSJT2戦目の時、怪我で出場出来なかったんですよ。
半月くらい前に、その時の怪我の治療で腕に入れていたプレートをやっと取り除きました。
心身共に身軽になった気がするので、今年も頑張ります!
赤見:それでは、これからの目標を聞かせて下さい。
岡部:今は、地方全体が低迷している時なんで、騎手の1人として競馬を盛り上げたいという気持ちが強いです。
日程とか色んな問題はあると思うけど、全国の騎手たちとファンイベントとか出来たらいいですね。
中央ではファンイベントとかやってるじゃないですか。
個人としては、海外で乗ってみたいです。
1度マカオに遠征したんですけど、今度は誰も乗ったことのないような場所で乗ってみたいですね。
それと、来年くらいは南関東の短期免許に申請してみようかな、とも思うんです。
大井や南関東で、一定期間腰を据えて乗ってみたいですね。
やっぱり、ずっと東海だけで乗っていると他の人たちと比較することも出来ないし、マンネリにもなりますから。
地元を大切にするのはもちろんですが、それだけじゃなく、積極的に刺激を求めて行かないと!!
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※インタビュー / 赤見千尋