山口 勲 騎手(佐賀)
2014年05月12日
佐賀のトップジョッキー山口勲騎手。2006年に初めて佐賀リーディングを獲得すると、その後は毎年のように全国リーディングの上位に名を連ねています。2012年には地方通算3000勝を達成。2013年は、前年惜しくも逃したNARグランプリ最優秀勝率騎手賞を受賞するなど、年々その存在感は大きくなっています。
少し前の話になりますが、NARグランプリ2013最優秀勝率騎手賞おめででとうございます! 受賞された率直な感想は?
前の年がちょっとの差で負けてしまい2位だったので、今回の受賞は余計に嬉しかったですね。特別賞や殊勲賞の時とは気持ち的にも違いますね。
2012年は、最後まで高知の赤岡騎手と勝率を競い合っていましたからね。
いやーほんと、最後まで分からなかったですもん。
聞いたお話ですと、お互いがかなり意識し合っていて、周りもどうにかして獲らせてあげようという状況だったと。実際はどうだったんですか?
自分は意外とそこまで思っていなかったんですけど、うちの調教師は意識していたみたいですよ。他の調教師はあまり知らなかったんじゃないかな。
結果は、山口騎手が勝率30.2%、赤岡騎手が30.8%と、本当にわずかな差でした。
ラスト1日まで分からなかったので悔しかったですね。最後に赤岡騎手が、他の騎手からの騎乗変更で勝つ馬が回ってきたという話を本人から直接聞いたから余計に(笑)
2010年は殊勲騎手賞を受賞されています。ただ、この年は294勝をあげ、地方全国リーディングだったのですが、最優秀勝利回数騎手賞は獲れませんでした(地方・中央合わせた勝利数のため、受賞したのは戸崎圭太騎手)。
地方では最多勝とは言われましたけど......ちょっと腑に落ちない部分はあったし悔しさはありましたよね。
最近は常に全国のトップの位置にいますが、こういった賞は意識されているんですか?
1年が始まった時にはあまり思わないのですが、去年は10月、11月くらいから意識し始めましたね。でも表彰式に行ってあんな華やかな舞台に立つと、来年もここに来たいという思いは出てきます。今年は佐賀でも特別に表彰されましたし、賞をもらうのはやっぱり良いことだなと。佐賀のPRにもなりますし、自分のモチベージョンにもなります。
2013年は200勝、地方全国7位(勝利数)、8年連続佐賀リーディング獲得という成績でしたが、満足はしていますか。
以前は荒尾競馬がありましたから、2010年のような数の勝鞍がありましたけど、今は佐賀だけですからその分は仕方ありません。200勝できたので自分では満足していますね。
2013年にはダイリングローバルで九州ダービー栄城賞を制覇
今年、ここまでの成績や調子はいかがですか?
今年は勝率も低いし、今のところあまりよくありませんね。自分の中では毎年と変わらないのですが、流れがまだ良くないので後半がんばりたいです。
2014年の目標は?
できれば通算3500勝とは思っているのですが、今のペースじゃ厳しいかなあ。でも、とにかくケガなく、騎乗停止なく乗れればいいですね。ここ1、2年騎乗停止があって1年間通して騎乗できていないので、そこは気にして乗りたいとは思っています。佐賀リーディングも続いている以上は獲りたいです。
これまで3000勝以上をあげてきたトップジョッキーの山口騎手。例えば、若手に「どうやったら勝てますか?」と聞かれたら何と答えますか?
「冷静に乗ること」だけですかね。競馬は、自分が走るわけじゃないですから。周りをしっかり見て落ち着いて乗ることです。自分も今でも失敗することはありますが、それを少なくしていかないといけません。
今の若手ジョッキー達に伝えたいことはありますか?
やっぱり努力をしないといけないってこと。まあ、昔とは努力の感覚が違ってきていますが。騎手はチャンスを生かさないといけないから、努力をしていないとそのチャンスも巡ってこないですしね。
山口騎手自身の今後についてはどう考えていますか?
あと何年騎手を続けられるかということは考えるところではありますよね。やっぱり体も硬くなってきていると自分でも感じますし。できるだけ現役を続けていきたですね。
では最後に......今年のNARグランプリでは、どの賞を受賞しますか?
うーん、あと残っているのは、ベストフェアプレイ賞くらいかな(笑)。でもあれもかなり勝たなくちゃいけないからなぁ。がんばります!
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※インタビュー / 秋田奈津子