鮫島 克也 騎手(佐賀)
2019年04月24日
地方競馬現役第3位の勝ち星を誇る、佐賀の鮫島克也騎手。キングシャークと呼ばれ、56歳になった今も活躍を続ける秘訣はどこにあるのでしょうか。
地方競馬通算4855勝(2019/4/18現在)、現役第3位の勝ち星です。5000勝も射程圏内に入っていると思いますが、意識はしていますが?
周りからは「5000勝近いね」って言ってもらうんですけど、自分ではまったく意識していないというか、気になってないです(笑)。16歳でデビューして40年やってきて、本当にたくさんの馬たちに乗せていただきました。感謝の気持ちはありますが、数字自体にこだわりはないですね。今まで無事に乗ってこられて、本当にありがたいです。
デビューから40年。ここまで長かったですか?
長かったような気もするけれど、今になって思えば早かった気もします。本当にいろいろなことがありました。一番は?と聞かれたら、やっぱりワールドスーパージョッキーズシリーズ(以下WSJS)で優勝したことです。あの光景は一生忘れないですし、当時は「もう騎手を辞めてもいいかな」とまで思いました。そのくらいの達成感があったんです。その後、モチベーションを維持するのが難しい時期がありましたね。
WSJS優勝は2001年でした。そこからどうやって乗り越えたんですか?
モチベーションが下がったというより、どこを目標にしていったらいいんだろうという時期があって。もちろん1頭1頭の競馬が大事ですし、地元ですごくいい馬を任せていただけることもありがたい。それに、外の競馬場へ遠征に行ったり、今は地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップとして開催されているジョッキーレースに騎乗することが楽しくて。結局僕はレースがすごく好きなんですよ。馬に乗ってレースをしている時が一番楽しい。だから40年も続けて来られたんだなって思います。
2014年、地元佐賀で行われたSJTワイルドカードで優勝
5月21日に金沢で行われるチャレンジステージに出場予定。2014年にはワイルドカード(現チャレンジステージ)を優勝し、本戦でも第2位の成績でした。
あと一歩のところまで行けたので2位は悔しかったですが、また結果を出してワールドオールスタージョッキーズに出場したいです。今年の舞台は金沢なのですごく楽しみですし、まずは本戦に出場出来るように頑張ります。
以前インタビューした時には、親子3人(JRAの良太騎手、克駿騎手)でレースに乗るのが夢だと仰っていましたが、今やその夢は現実になりました。実際に騎乗してみていかがでしたか?
そうですね、夢が叶った時は嬉しかったです。息子たちと3人で一緒のレースに乗れることなんてなかなかないことですから。ただ自分としては、ジョッキーの楽しさも知っているけれど、辛さも知っているので。頑張っている姿を見るのは嬉しいですけど、大変だろうなって思います。デビュー当初は多少アドバイスもしましたが、今は言いませんね。それに、忙しいみたいで全然帰って来ないんですよ。まぁ、元気で頑張っていることはわかりますから、陰ながら応援しています。
では、次の夢は5000勝ですか?
だから、そこは別に夢ではないです(笑)。数字は全然気にしていないので。
ここ数年は騎乗数を絞っているのかなという印象がありますけれども。
絞っているわけではないけれど、今56歳ですし、若い頃のようにたくさん騎乗するというのは体力的に厳しいかなと。ただね、最近佐賀はジョッキーが一気に少なくなってしまって、やたら乗せられるんですよ(苦笑)。レースもそうですし、調教も。こればっかりは、本当にキツイです。
ケガで休んでいる方も多いですし、ジョッキー不足が深刻だと伺っています。
本当に深刻ですよ。みんな大変な状態で。調教もたくさん乗っているし、レースも騎乗制限ギリギリまで乗っているジョッキーが多いです。南関東や他地区から期間限定騎乗で来てくれるジョッキーもいるので助かります。もっとたくさんのジョッキーが来てくれたらありがたいですね。
船橋の岡村健司騎手は、約1年佐賀で騎乗して、地元に戻ってからも活躍していますね。
岡村君は上手くなりましたよね。本人も努力していたし、若手にとってたくさんレースに騎乗できるというのは成長できるチャンスですから。地元の若手はもちろん、他地区の子たちも成長していく姿を見るのは嬉しいですね。
でもまだ乗ったら若い子には負けない?
それは負けないですよ。馬乗りの技術ではまだまだ負けられないですね。でも体力的にはキツイので、早く若手に育って欲しい気持ちが強いです。ぜひ佐賀に乗りに来て、いいきっかけを掴んんで欲しいですね。
鮫島騎手といえば、名馬ウオッカの新馬戦でコンビを組んだことが有名ですが、残念ながら4月1日に天国へ旅立ってしまいました。
想い出の1頭なので淋しいです。僕はたまたま乗せていただいたんですけど、角居先生はじめ関係者に感謝しています。騎手として一生の財産になりましたから。
どんな印象が残っていますか?
もうパワーが違いましたね。返し馬からガーンと行かれて、「すっげえな」って。「押さえて行ってくれ」って言われたけどゲートがめちゃくちゃ速くて、抑えたけどもうとてもじゃないわという感じで。スッと手綱を緩めたら折り合って、本当に強かったです。ただ、ダービーを勝つとは思わなかったですね。だって道中あの掛かり方ですから、まさか2400mのダービーを勝つとは...。馬もものすごく強いし、角居厩舎の仕上げもすごいけれど、四位騎手が本当に上手く乗ったなと。そんなことも思い出したりしていました。
本当にたくさんの名馬とコンビを組んで来て、現在もグレイトパールというすごいお手馬がいますね。
最初の印象は「でっかいな」でした(笑)。JRAで重賞を連勝している実績馬で、佐賀に来ると聞いた時には驚きましたが嬉しかったです。あれだけの馬を任せてもらっているので、結果を出したいという気持ちが強いですね。
佐賀記念JpnIII(2月11日)に出走したグレイトパールは4着
現在の様子はいかがですか?
今は4月25日(木)のオグリキャップ記念に向けて調整しています。脚元と相談しながらの調教になるので、負荷の掛け方がなかなか難しいんですが、出るからには注目されますし、しっかり仕上げて挑みたいと思っています。
では、オッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
いつも佐賀競馬を応援していただき、ありがとうございます。今ジョッキーが少なくて大変な時期なのですが、みんなで頑張って盛り上げていきたいと思っています。これからもよろしくお願いします。
ちなみに、キングシャークって呼ばれることはご自身ではいかがですか?
あれは佐賀の実況アナウンサーが勝手につけたので(笑)。でも別にイヤではないですよ。ファンの方にそう呼んでもらえたら嬉しいです。
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※インタビュー / 赤見千尋