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落合 玄太 騎手(北海道)

2019年05月08日

2018年、ホッカイドウ競馬から3季ぶりの新人としてデビューした落合玄太騎手は、 ルーキーイヤーから57勝でホッカイドウ競馬の新人騎手最多勝記録(1977年以降)を更新。その活躍ぶりが認められ、同年度の日本プロスポーツ大賞新人賞を受賞しました。昨年末に大井・中山競馬場で行われたヤングジョッキーズシリーズ(YJS)ファイナルラウンドでも全国各地のホープとしのぎを削りました。2年目のさらなる飛躍が期待されています。

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1年目から57勝(北海道のみ)を挙げ、阿部龍騎手が持つホッカイドウ競馬新人騎手の最多勝記録(52勝)を塗り替えました。

阿部さんの記録を抜くことを目標に1年間やってきたので、達成できてよかったと思います。馬主さんや調教師さんをはじめとする関係者のみなさんが、いい馬に乗せていただいたおかげです。うちの先生(田中淳司調教師)も勝てる馬をたくさん用意してくださいましたし、他の厩舎でも1頭でも多くの馬に乗せていただけるよう、調教を手伝わせてもらったり、自分なりに努力してきたつもりです。

1年目で印象に残っているレースはありますか。

初勝利(2018年5月3日門別2R・クィーンアリス)ももちろんなんですけど、やっぱり初騎乗(2018年4月18日門別2R・エンジェルアイズ・3着)ですかね。スタートで立ち遅れてしまって、「そんなにうまくいかないな」とプロの厳しさを感じました。

アポロストロングとのコンビで1年目から道営記念にも出走しました。

6勝もさせてもらいましたが、先生とも「ここまで勝つようになるとは思わなかった」と話しています。レースでは結構トボけるところがあって、出だしはけっこう前に行けるんですけど、隊列が落ち着くと気を抜くんです。2番手の馬が追い付くとまたハミを噛んで、僕が離したらまた抜いて...というのを繰り返して。でも、道中抜いて走るぶん、逆に最後の脚が溜まったのが好結果につながったんでしょうね。

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昨年、落合騎手で6勝を挙げたアポロストロング

所属先がリーディングの田中淳司厩舎、兄弟子の服部茂史・岩橋勇二両騎手もリーディング獲得経験があるということで、身近なお手本にも恵まれていると思います。

1年目はレース後によく先生の家にお招きいただき、レースのVTRを見ながら「ここはこうだった」「ここはこうすればよかった」とアドバイスをいただいたのがとても助けになりました。レース前に乗り方を細かく指示されることは少ないですが、「落ち着いて乗れ」ということはよく言われますね。競馬が始まる前には、自分が乗る馬の過去のレースを観て、前回のことを思い出しながら「今回はこうしようかな」と考えたりします。あらかじめ馬の情報を入れておくことが、落ち着いて乗れることにもつながると思うので。

服部さんや岩橋さんは、ゲートを出るときから道中の運び方まで、もう自分とは全然違います。これまで前に行っていた馬でも後方から追い込んで結果を出したりするのは、なかなか真似できないですね。

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2018年10月9日、落合騎手騎乗のドラゴンハートで田中淳司調教師が通算1000勝達成

オフシーズンは浦和競馬場・野田トレセンでも調教に騎乗したとのことですが、門別との違いはありましたか。

門別の開催が終わってすぐに、「休みに入るから、少しでも多く馬に乗っていた方がいい」という先生からの勧めもあり、小久保智厩舎で1週間ほどお世話になりました。ちょうど浦和でのYJSトライアルラウンドも控えていたので、1頭でもエキストラ騎乗があれば、ということも考えてくださったみたいです。門別では基本的に坂路での調教が主体なので、馬場での調教とか、馬の抑え方を勉強することができたのかなと思います。

その浦和でも騎乗したYJSは、トライアルラウンドが東日本4位という成績でファイナルラウンドに進出しました。川崎(10月16日)で3、2着とポイントを加算できたのが大きかったと思います。

左回りコースの実戦自体が初めてだったのですが、当日エキストラで乗せていただいたのがプラスになりました。1レースでブースターという馬に騎乗して勝たせてもらったんですけど、1コーナーでうまく回り切れなかったんです。門別とコーナーの回り方が全然違うなと思って、YJSではなるべく膨らまないよう意識することができました。

そして年末のファイナルラウンドへ。JRAでの騎乗も初めてでしたね。GIデーということもあり、多くのファンの方が来ていたと思いますが。

楽しかったです。それほど緊張もしませんでしたし、自分ではあまりプレッシャーとかは感じない方なのかなと思います。元々仲が良かった同期の吉井(章・大井)や、学校ですごく良くしてくださった渡邊(竜也)さん(笠松)とも一緒に出られましたしね。あと、JRAの服部(寿希)君のお父さんとうちの父が同じ職場で、少し話しました。レースの合間とか表彰式の前とかもいい雰囲気で、みんなでワイワイしていましたね。

総合成績は10位でしたが、ファイナルラウンド中山・第2戦(ダート1800メートル)ではマルヨシャバーリーに騎乗し3着。あわやの場面もありました。

コーナーでちょっと外を回りすぎてしまいました。あれがなければ少なくとも2着はあったと思いますし、ちょっと悔いが残ります。今年もYJSに参加させていただきますが、またこの舞台に立って今度は1着を獲りたいですね。

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いよいよ2年目が始まりました。どのような目標をもってシーズンに臨みますか。

昨年はNARグランプリの優秀新人騎手賞を取ることができなかったので、今年はそれを目標にしています。今年までは受賞の対象になっているようなので。去年の渡邊竜也さんがシーズン64勝だったので、それくらいの勝ち星を目指したいです。

オフシーズンの門別競馬場で、初めて馴致に関わった2歳馬もデビューします。

それまで乗ってきた馬は全部「出来上がっている馬」で、そういうところを教えなくても動いてくれる馬だったので、まだ何もわからない馬に人が乗るところから教えて、1頭の競走馬を作っていく過程の難しさを感じました。ただ人を落とさずに乗るだけでは勝てませんし、扶助を使って前に行かせることを教えるのが特に苦労しました。全部が全部というわけにはいかないかもしれませんが、やっぱりそういったところから苦労してきた馬でフレッシュチャレンジを勝ちたいですよね。今シーズンは船橋での期間限定騎乗もあるので、門別で跨ってきた馬にも乗れるんじゃないかという楽しみもあります。

では、オッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。

これからも頑張ってホッカイドウ競馬を盛り上げられるようなレースをしたいと思いますので、応援よろしくお願いします。

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※インタビュー・写真 / 山下広貴

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