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木本 直 騎手(兵庫)

2019年07月12日

今春、デビューした木本直騎手(兵庫)。高校時代の友人の一言がきっかけで騎手を目指しましたが、4月11日のデビュー戦では本馬場入場時に落馬し競走除外。自身も骨折し、約1カ月の休養を余儀なくされました。デビュー直後からいきなり試練に見舞われましたが、6月12日に待望の初勝利を挙げたいまの心境を伺いました。

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騎手になったきっかけを教えてください。

兵庫県西宮市出身で園田競馬場近くの工業高校に通っていました。一般的な高校3年間を過ごすつもりだったんですが、友達に「小柄だし、ジョッキーになればいいやん」と言われたことがきっかけです。当時はしょっちゅう美容院に行っていて、パーマもかけていたので「丸坊主か...」とも思ったんですが(苦笑)。1年生の3学期終業式当日に先生に高校を辞めることを伝えました。騎手になれるかどうか分からなかったので、友達には騎手になる直前まで何も言いませんでした。

友人の一言から思い切った決断を下しましたね。競馬は元々好きだったんですか?

いえ、ほとんど知りませんでした。ディープインパクトも知らないくらいで。友人に「ジョッキーになったら?」と言われた後、阪神競馬場にレースを見に行きました。武豊さんの名前しか知らないくらいでしたが、「うわ!これすごいな!」って思いました。

そこから騎手への道はどう手繰り寄せたんですか?

馬の専門学校を経て、いま所属している保利良平厩舎で厩務員をして地方競馬教養センターに合格しました。工業高校を中退した後は通信で勉強をしています。2年生まで単位を取って地方競馬教養センターに入所して、いままた高校3年生の勉強をしています。工業高校を中退する時に親と「高卒資格は取る」と約束したんです。

保利良平厩舎で厩務員をするきっかけは何だったんですか?

親の同級生に馬主さんがいて、その方が(保利)良平先生を紹介してくださいました。教養センターは規則が厳しくて辛かったですが、良平先生がずっと応援してくれていたので、辞めたら申し訳ないと思って頑張れました。

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4月11日にデビュー戦を迎えましたが、ほろ苦いものになりました。

パドックから馬場に向かう馬道で、乗っていたダイシンクワトロが左に寄っていてチャカチャカしていて、馬具を外した時に馬がビックリしたのかひっくり返りました。落馬した瞬間のことは僕もよく覚えていないんですが、後ろにいた厩務員さんによると、馬と壁に挟まれたらしいです。デビューのお祝いに(杉浦)健太さんから「NAO KIMOTO」って名前入りでアメリカ製の鞭をもらったんですが、根っこから折れてしまいました。乗るはずだったダイシンクワトロは競走除外になりました。その後、2鞍に乗ったんですが、直後に良平先生から「もうやめとけ」と言われ、騎乗変更になりました。中学の友達やカメラ好きの友達が応援に来てくれていたので乗りたかったですが、手がすごく腫れあがって痛くなってきていました。

診断の結果、橈骨遠位端骨折で約1カ月休養することになりました。

休んでいる間に同期はどんどん勝っていって、しんどかったです。最初の頃は「早く乗りたい」って思っていましたし競馬も見ていたのですが、途中からしんどくなって見るのをやめました。モチベーションも低くなってきてしまって。プロはモチベーションを保つのが難しいって聞きますが、ホンマなんやなって感じました。でも、久しぶりに馬に乗ったら楽しくて、またモチベーションが上がっていきました。休養中はやっぱり焦っていましたね。

5月22日に待望の復帰戦を迎え、6月12日にエンジェルアイドルで初勝利を挙げました。

スタートから前に行ける分だけ行っておこうと思い、逃げ馬のハコ(直後)に入れました。前の2頭が競り合う形で展開にも助けられました。前走も乗せていただいたのですが、エンジンをかけるのが遅くて脚を余して2着だったので、この時は早めに行きました。それでちょうど良かったです。最後は永井孝典騎手が迫ってきて横を見ましたが、「あ、勝った!」と分かりました。「勝てて良かったぁ〜」と嬉しかったです。

師匠の保利良平調教師からは何か言葉をかけられましたか?

一緒に口取り写真を撮りましたが、その1つ前のレースを自厩舎のグッドアビリティで勝てなかったので...。

自厩舎での初勝利も挙げたいですね。

はい、そうなんです。こないだ(7月3日)、良平先生のお父さんの(保利)良次厩舎で2勝目を挙げることができました。同じ日に自厩舎でもスダチチャンといういい馬に乗せてもらっていたんですが、3/4馬身差2着。タラレバですが、僕がもっとじっと乗っていたら、とも思います。自厩舎でも勝ちたいです。

スダチチャンとは以前から関りがあるそうですね?

騎手候補生の時からずっと調教をつけていて、思い入れがあります。スダチチャンが3歳で名古屋の梅桜賞に遠征した時、厩務員として僕も手伝いに行ってパドックで曳いていました。まさか騎手として乗れる日がくるとは思いませんでした。スダチチャンでも勝ちたいです。

これからの目標を教えてください。

ケガなく、安全と健康第一で頑張って、やっぱり勝ちたいです。僕、ゲートが苦手っていうか下手で、出る時にたてがみを離してしまうんです。いま、ネックストラップで頑張っていて、もうちょっと上手くなりたいです。川原(正一)さんはゲートが上手いですよね。ブラックルシアンに乗った時、僕はゲートを上手く出せなかったんですが、次走で川原さんが普通に出していて、すごいなって思いました。周りの人たちは「ゲートは出る週もあれば、出ない週もあるからそこまで気にしなくていい」と言ってくれるんですけど。

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最後に、オッズパーク会員のみなさんへメッセージをお願いします。

勝負服は所属する保利良平先生のお父さんの保利良次先生の騎手時代のデザインを引き継いで、愛着を持っています。これからも頑張るので、応援よろしくお願いします!

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※インタビュー / 大恵陽子

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