吉村 智洋 騎手(兵庫)
2020年10月08日
今年も断トツの兵庫リーディングを快走中の吉村智洋騎手。8月12日には園田競馬で、3度目の1日6勝(兵庫競馬1日最多勝タイ記録)を達成しました。
3度目の1日6勝、おめでとうございます。この記録は意識していますか?
騎乗するからには全部勝つつもりでいますが、なかなかそうもいかないので、6勝という数字は意識はしていますね。
兵庫競馬のルールでは、1日の騎乗制限は何鞍ですか?
基本的には8鞍まで、連続騎乗も8鞍までになっています。あと当日の急な乗り替わりはプラス1まで認められています。なので、全部勝つとなると基本的には8勝までいけるなと。これまで園田で1日6勝を挙げた先輩方はすごい方ばかりですし、その記録に並べたことは嬉しいですが、6まで来たら7までいきたいし、そこまで行ったら8までいきたいです。
今回は3R、4Rと勝って、8Rから4連勝で6勝を挙げました。どのあたりでいけると思いましたか?
すごくいい馬たちに乗せていただいていたので、上手いこと行けば何個かは勝てるかなと思っていましたが、気づいたらこれも勝っていたという感じで。馬も頑張ってくれましたし、展開も上手いこと向いたのが大きいです。
もともといつも勝っていますが、6勝する日は何か違うんですか?
多分ですけど、人間が勢いづいていると思いますね。勢いづいて、気持ちが上がる。他の騎手の方もそうだと思いますが、馬に乗っていて「あれ?今日は鞍はまりが良くないな」という日もあったりするんですよ。乗った感じが何かフワフワしちゃっているなという時もあって。体調とかそういうことだけではなくて、メンタルの部分もあると思うんです。それが、「今日はバチっとハマるな」という時に勢いづくと、ポンポンといける感じですね。
その勢いづいた時を見極めたいのですが、前2回がナイター、今回は薄暮での達成ということで、そこは関係ありますか?
いや、多分関係ないかな(笑)。たまたまその日にチャンスある馬ばっかりが集まって、自分のリズムも良かったんだと思います。一つ言えるとしたら、その日自分が騎乗する最初のレースで勝つと、リズムが良くなりますね。最初のレースを勝つのと負けるのとでは、気持ち的にも違うと思います。初めに勢いづいちゃうと余裕が生まれて、展開も見えるようになるというか。
確かに振り返ってみると、1日6勝を挙げた3回とも、一番最初に騎乗したレースで勝っています。
そうでしょ。おそらく僕だけじゃなくて、たくさん勝っている騎手も人間なんでね、メンタルは大きいと思いますよ。
今回は11Rで6勝目を挙げて、最終の12Rでは初の7勝目が懸かっていました。かなり意識されましたか?
意識しないといったらウソになりますね。周りからも「7勝目だな」とすごく言われましたから(苦笑)。ただ、僕がバタバタしたところでいい結果には繋がらないですから、いつも通りの平常心で挑んだつもりです。負けて悔しいですけど、7勝目を意識してのレースを経験出来たことも大きいと思っています。なかなか6勝までもいかないですから。
今後、7勝達成を期待しております!馬の話題も伺いますが、園田チャレンジカップをナリタミニスターで勝利、吉村騎手と組んで5連勝ですね。
強いですよね。大人しくておっとりした性格で、体も440〜450キロくらいとそれほど大きな馬じゃないんですけど、4コーナーで間を抜けて来ましたから、根性ありますね。以前は砂を被ってしまうと進まないと聞いていて、僕が乗ったそれまでの4連勝は砂を被っていないんです。でも園田チャレンジカップの時は行く馬が揃っていたので砂を被るのを覚悟していたんですけど、思っていたよりも砂を被っても進んでくれました。
園田チャレンジカップを制したナリタミニスター(写真:兵庫県競馬組合)
この馬の武器は何でしょうか?
一番は根性があることだと思います。金沢スプリントカップの時でも、ずっと3番手外で、自分から前を追いかけて行くというタフな競馬だったんです。直線を向いて2着の馬が追い込んで来て、交わされるかなと思ったところから粘ってくれる。今までたくさんいい馬に乗せていただきましたが、その中で短距離馬で3本の指に入るくらい、高い能力を感じています。
今後の距離の可能性はいかがですか?
僕はまだ1,400mしか乗ったことないんですよ。園田は1,230mがあるけど、ちょっと忙しいかなという印象です。僕は1,400m以上、1,700mや1,800mも行けるんじゃないかと思っていますが、今は1,400mで連勝しているので、しばらくこの距離に専念していくと思います。
もう1頭、イチライジンについても伺いたいのですが、西日本ダービーはアタマ差2着と惜しいレースでしたね。
あと1完歩で変わっていましたから、あそこまで行ったらなんとか出来たじゃないかって、反省の方が大きいです。外枠はちょっと痛かったかなと思いますし、あの位置からよく2着に来てくれたなと。この馬はけっこう粗削りなところがあって、新馬の頃は内側に馬がいると外に外に逃げたりしていました。最近はだいぶ成長しましたけど、出来れば内枠の方がレースしやすいんです。でも重賞になると必ず外枠ばっかりで......。こればっかりは与えられた枠なので仕方ないですけど。
2歳時には園田ジュニアカップを制したイチライジン(写真:兵庫県競馬組合)
内枠を引いた時はチャンスが大きいですね!
乗っている方としては、競馬がしやすいですね。力のある馬なので、また重賞を獲らせてあげたいです。
では、オッズパーク会員の皆さまにメッセージをお願いします。
いつもオッズパークで馬券を買っていただき、ありがとうございます。今コロナで日本中が大変な中、僕らいつもと変わらず競馬をさせていただいていること、とても感謝しています。無観客開催が続いて、声援もヤジもないので淋しいです。また状況が許せば現地に来ていただいて、オッズパークで馬券を買って応援していただけたら嬉しいです。
(※園田競馬場では9月30日からお客様の入場を再開しました)
-------------------------------------------------------
※インタビュー / 赤見千尋