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吉村 智洋 騎手(兵庫)

2023年02月09日

小牧太騎手、岩田康誠騎手、木村健騎手など歴代の名ジョッキーが達成した1日6勝。1月11日、吉村智洋騎手が7勝を挙げて園田・姫路競馬における1日最多勝記録を更新しました。さらに翌週には地方通算3000勝を達成。また、2022年は2回目の地方競馬全国リーディングに輝くなど勢いに乗る吉村騎手に記録の数々ついて聞きました。

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話題が豊富すぎる吉村騎手。まずは1日7勝おめでとうございます。

ありがとうございます。1日6勝は何回かしたことがあって(6回)、どこかで7勝ができるな、とは思っていました。

この日は最初の騎乗から直線入口で大きく外に進路を取るようなレースが見られました。

前日にインを狙ったレースを2〜3回したんですけど、伸びないなと感じていて、最終レースで外に行ったらやっぱり伸びたので、「外やな」と気持ちが決まりました。

あそこまで外に出すのは勇気がいりそうですが、逃げたレースでも大外に誘導していましたね。10レースでは廣瀬航騎手との接戦を制して勝ちました。

直線で馬も脚が上がってふわっとしていたんですけど、乗っている感覚としてはアタマ差くらいで勝っていると思っていました。でも、ちょうど僕の馬が頭を上げて、相手は頭を下げたところがゴールだったので写真判定になりました。このハナ差の6勝目はかなり大きかったです。残り2レースで、最終レースはよっぽど下手に乗らない限り勝てるなと感じていましたが、メインレースは強い馬が1頭いたので、10レースを勝たないと7勝には届かないな、と考えていました。

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ということは、このハナ差を勝ったことで「7勝はいける」と?

はい、7勝は来るなと思いました。さらにメインを勝てれば、もしかしたら8勝までもあるかもしれない、と思っていましたけど、順序があるんじゃないですかね。「1日7勝してからじゃないと8勝はダメですよ」っていう。

園田・姫路競馬は1日の騎乗数が8鞍までという制限があるので、1日8勝は全勝を意味しますが、吉村騎手ならいつか達成しそうです。1月17日からは開催が姫路に変わり、「姫路は苦手」と公言していましたが、園田と変わらぬペースで勝っていますね。

苦手は苦手なんですけど、コース形態ではなくて輸送があまり好きじゃないんです。厩舎や調整ルームのある園田競馬場と違って、姫路競馬場は毎日バスで約1時間かけて移動。姫路に着いてからは体重調整などの時間がなくて、あらかじめ園田で全てやらないといけません。

1年のうち8カ月以上は園田開催なのに対し、スケジュールがタイトになるんですね。そうした中でも、姫路開幕日にポンポンと勝ち3000勝も達成。おめでとうございます。

ついていますよね。開幕週3日間のうちに達成できればいいかなと思っていましたけど、まさか初日からポンポンと勝つとはね。流れがたまたま向いただけだと思うんですけど、流れは大事ですからね。

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そして2022年は2回目の地方競馬全国リーディングで、NARグランプリの最優秀勝利回数騎手賞受賞も2度目となりました。

めちゃくちゃ嬉しいです。全国リーディングなんて、一度きりかなと思っていました。

2018年、296勝で初めて全国リーディングに輝いた後、ずっと300勝以上を挙げていましたが、森泰斗騎手(船橋)がそれ以上に勝つという状況でした。

森騎手のことは必然的に意識はしていました。去年は9月頃に20勝前後、森騎手に一度離されたんですけど、10月半ばくらいに僕が一気に勝って「ひょっとしたらまたリーディングが来るか!?」と意識していました。それだけいい馬に乗せていただいていて、このくらい勝って当たり前なんだと思います。むしろ、もっと勝たないといけなくらいだと思っています。それだけ「勝ってきてくれよ」という気持ちで騎乗依頼をいただいていると感じています。

長男・誠之助くんは現在、JRA競馬学校に在学中で騎手を目指しています。息子さんの存在は刺激になっていますか?

間違いなく刺激になっています。周囲の人から「お前の親父、全国リーディングやな」と言われた方が本人も嬉しいでしょうから、そういうところを見せていけたらいいなと思って、励みになっています。

お手馬の中では楠賞を勝ったエコロクラージュがいますし、今年も「親父すごいぞ」というところを見せられそうですね。

エコロクラージュはデビューから無敗で名古屋の秋の鞍に遠征した時、抜け出してからとんでもなく遊んでしまって、3着に負けました。連勝している時でも抜け出して遊ぶ面があったので馬具を変えたかったんですけど、やはり勝っている間はなかなか変えられないですよね。でも、名古屋で負けて、「何か考えないと、次の楠賞は勝てないぞ」となり、ブリンカーを着けることになりました。大目標にしていたのが楠賞で、秋の鞍と両方勝てれば一番良かったんでしょうけど、あの敗戦があったからこそ楠賞を勝てたと思っています。

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11月2日、エコロクラージュで楠賞制覇

バンローズキングスも菊水賞での敗戦からチークピーシズを着けることになり、兵庫ダービーを勝ちました。無敗はもちろんすごいですが、負けて得られるものも大きいですね。

負けて学ぶこともたくさんあると思います。エコロクラージュはまさに分かりやすい例ですね。

最後に、オッズパーク会員のみなさんへメッセージをお願いします。

レースではいつも人気ばかりが先行していますが、その人気にできるだけ応えられるように頑張っていきますので、これからも園田・姫路競馬共々、応援のほどよろしくお願いします。

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※インタビュー / 大恵陽子(写真:大恵陽子、兵庫県競馬組合)

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