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中村 太陽 騎手(ばんえい)

2024年06月07日

2022年12月にデビューし、今年の4月23日第3レースにはドウナンテンリュウで通算100勝を達成しました。馬がいる環境で育ったばんえい騎手最年少の21歳は、落ち着いた騎乗で次世代のトップジョッキーを目指します。

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1年4カ月での100勝です。おめでとうございます。

まわりから100勝の話が出ていましたが、あまり気にせず、いつも通りに1戦1戦その馬のベストを尽くしていました。振り返るとうまくいったレースはなかなかないですね。デビューして当初は焦っていましたし、馬とけんかしてうまく乗れなかった。勝ってもどこか課題がありました。レース展開や息の入れ方、障害の上げ方など、まだまだ勉強中です。負けても次に生かせるように、と考えています。
(所属する)今井調教師やほかの調教師までもが指導してくれます。レースでは落ち着いて、教えてもらったことができるように心がけています。

100勝して、年度が替わって復活していた10キロの減量特典がなくなりました。影響は感じますか。

多少はありますが、(減量は)ないのが普通ですし、まわりには「早くなくせ」と言われていました。昨年度、6月に50勝して一度なくなっていますが、それでもいろいろな馬に乗せていただき感謝しかないです。

ヤマノコーネル(牡5)では重賞にも騎乗しました。

ヤマノコーネルはキャンターで障害にかかったら、山を上がれないんです。常歩でうまく越えないといけないのですが、島津騎手が調教してくれました。常歩で障害にかかるようになってから、自分が乗っても安定するようになりました。今も難しくて、キャンターに持っていかれてしまう。ハミ使いが難しい。持っていかれたらタイミングが合わなくなり、降りてからの脚にもかかわってきます。

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ばんえい十勝オッズパーク杯(2023年)に出走したヤマノコーネル(7着)

力というよりはハミ使いなんですね。祖父である中村光雄さんの生産馬で、よく知っている馬でも難しいんですね。

競馬場に入ったのは同じくらいの年だと思います。幼いころから調教をつけていたし、騎手試験の練習でも乗せてもらっていました。練習ではキャンターを踏まなかったんです。(キャンターで手綱を持っていかれる経験は)レースに行って本番の重量を引いて初めてでした。

ほかに思い出に残る馬はいますか。

100勝したドウナンテンリュウです。2歳のころから鼻水が出るなど、夏過ぎまで調子が上がらず苦しんできた。涼しくなってようやく馬体重も増えて、この馬のレースができるようになりました。馬主さんもこの馬で100勝して喜んでくれました。

名前が残りますから、よかったですね。今井厩舎はみんなで馬の世話をしている印象です。

調教師も明るいし、若い人が多い。みんな年上だけど協力しながら仲良くやっています。減量も苦労していないので、調教師と焼肉に行くこともあります。休みの日はなにもせず、ゆっくり過ごしています。

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チャチャクイーン(5月5日、カーネーションカップ・8着)

同厩舎には同時にデビューした今井千尋騎手がいます。子どものころから馬に携わるなど境遇も似ていますが、今井騎手は先に100勝し、素晴らしい活躍ぶり。悔しい思いはありますか?

レースではライバルと思っていますが、女性のハンディがあることはわかっていますので、気にしないようにしています。厩舎に帰ってもお互いの馬の情報交換をするなど、いろいろと話せる間柄だからこそ、気にしないです。

2歳戦も始まりました。

折り合いが重要になってきます。テスト(能力検査)は、レースに向けて教えながらうまく乗ろう、という気持ちです。馴致で馬は変わるから難しい。匠さん(藤本騎手)はうまいですね。「うまく馴致できたらいい騎手になる」と言ってくれました。騎手の先輩方には、アドバイスをしてもらいありがたいです。
自厩舎のほかに、他厩舎の調教をやって、レースも乗せてもらって、いろいろな馬を触れるのが、騎手としてすごい経験になっています。早めに攻め馬に来て特徴をつかむなどして、学んでいければと思います。

子どものころから草ばん馬に乗ってきましたが、よかったと思うことはありますか。

高校生の時に、本走路で行う祭典ばん馬(1歳馬決勝大会)に乗ったことが一番大きかったです。草ばん馬ではないくらい緊張して、自分のメンタルの弱さに気づかされ、頑張らなきゃ、という気持ちにさせてくれました。

子どものころから、騎手の夢は揺らぐことなかったんですね。

なかったですね。もし何か思ったとしても、馬小屋に行って馬を見たら、やめられないな、という思いになりますね。

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期待している馬はいますか。

大友厩舎のエクセルホース(牡2)は、行きたい、という気持ちがすごい。折り合いに苦労するが、落ちついてレースができるようになったら楽しみです。

オッズパークの会員の皆様に一言お願いいたします。

一人でも多くの人がばんえいに興味を持って、ファンになってくれたらと思います。最近若い人が来てくれて、いいことだと思います。本場もにぎやかになってきた。その中で応援してくれる人もいるから、期待に応えたいです。みなさんの応援のおかげで乗れていると思います。

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※インタビュー・写真 / 小久保友香

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