斎藤修の重賞ピックアップ

【6/20高知優駿】この距離で強さを発揮するトゥルスウィー

 他地区からの遠征馬4頭はいずれも中距離で実績を残してきた馬たち。中でも佐賀のトゥルスウィーは北海道から移籍後8戦7勝で、3着に負けたのは1400メートルの飛燕賞だけ。2000メートルの九州ダービー栄城賞は、2番手から3コーナー過ぎで前をとらえると、直線は後続を寄せ付けないまま圧巻のレースだった。山口勲騎手には、2018年スーパージェット以来の佐賀所属馬による高知優駿制覇がかかる。
 園田・のじぎく賞で直線抜け出し3馬身差で完勝となったのがクレモナ。パールプレミアが掛かりぎみに緩みのないペースで逃げ、それを勝負どころでみずからとらえに行って競り落としたレースぶりは評価できる。父クラグオーは父系で4代続く内国産の貴重な血統ということでも、このレースだけでなく今後の活躍を期待したいところ。
 金沢のビルボードクィーンは、中央1勝クラスのダート1800メートル戦でも好走していた実力で、石川ダービーでは3番手以下を大きく離してのアイバンホーとの一騎打ちに敗れたが、レース直前から襲来した雨と強風に直線であおられてのクビ差。この馬もスタミナ勝負で能力を発揮する。
 地元高知の期待は、目下4連勝で黒潮皐月賞に続く二冠がかかるハルノインパクト。距離延長がどうかと言われ、前走初めての1800メートル戦を勝ったとはいえ、人気薄の逃げ馬が2着に粘るスローペースでのもの。中距離での実績がある遠征馬相手では楽なレースにはならないと見て連下候補まで。
 ブラックマンバは前がやりあって末脚勝負になっての期待だが、これといった逃げ馬がいないメンバーでその展開が期待できるかどうか。ただ遠征有力馬が互いを意識して早仕掛けになればそういう展開を望めなくもない。
 ◎12トゥルスウィー
 ○2クレモナ
 ▲7ビルボードクィーン
 △1ハルノインパクト
 △11ブラックマンバ
 
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NAR『ウェブハロン』、『優駿』、週刊『競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』『地方競馬中継』解説。ドバイ・香港・シンガポール・アメリカなどの競馬にも足を運ぶ。1964年生まれ。
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