河内 桜雪選手
2024年08月08日
今年の『女子オールスター競輪』のファン投票で11位になり初めてビッグレースに出場することが決まった河内桜雪選手(群馬122期)。ファン投票の結果を受けての今の心境やビッグレースへの意気込み、現在の調子をお伺いしました。
山口みのり:まずはファン投票11位での『女子オールスター競輪』出場決定おめでとうございます。
河内桜雪選手:ありがとうございます。
山口:中間発表が今年は出ましたがチェックしていましたか?
河内:もちろんチェックしていました。中間発表では6位だったので、それを見たときはかなりびっくりしました。去年より票数も伸びていたんです。去年の自分からしたら「たった1年で自分のことを応援してくれている方がこんなに増えて嬉しい」という気持ちです。
山口:1年を通して全国の競輪場での走りで覚えてもらった証拠ですね。
河内:そうですね。後は、私はありがたいことにテレビ出演も多くさせてもらったので「テレビで私(河内選手)を見て初めてガールズケイリンを知って興味を持ちました」と言ってもらえることも多くありました。それで競輪を始めた方が増えるのも嬉しいです。
山口:河内選手きっかけで始めたよ、という方がいるのは嬉しいですね。
河内:はい!私を応援してくださっている方は「最近競輪を知って始めた」という方が多い気がします。テレビを見てくれたり、記事を読んだりなどで、どんどん広まっているのかなと思うと嬉しいです。
山口:そうですよね。ファン投票の最終結果は11位でしたが、この結果はいかがでしょうか。
河内:いくら中間発表が良かったとはいえ、その後は競輪場に実際に足を運んでいただいている方が投票している期間だと思ったし「長く続けている選手には勝てないのかな」と思っていたんですが、最終的に11位ということでとても嬉しいです。
山口:女子オールスター競輪への出場も叶いましたもんね。
河内:はい、それが一番嬉しいです。でも同期の又多風緑選手(石川122期)も中間発表では14位にいて、一緒に出場できたら良いなと思っていたのですがそれは残念でした。また来年一緒に出られるように私も頑張りたいです。
山口:お二人、仲良しですよね。
河内:はい、プライベートでも連絡を取り合ったりします。
山口:来年は『女子オールスター競輪』はGIになりますし、また特別な大会になりますね。
河内:はい、今年から3日間に変わったということで、出られるのは嬉しいです。
山口:出場が決まったということで、練習はどんな感じでしていますか?
河内:ガールズグランプリ出場の選手たちもたくさんいるので、それにびびってしまっています。練習量を増やしているし、追加も積極的に受けてできるだけ経験を増やすようにしています。
山口:オリンピック出場のナショナルチームの選手たちも戻ってくるようですよね。
河内:はい、そうみたいですね。オリンピック後なので相当仕上がっていると思うので、私もしっかり仕上げて恥ずかしい思いをしないようにしたいです。緊張は今からかなりしています。
特にナショナルチームの選手達とは近況は一緒に走っていないので、どんな強さなのか想像もできないですね。
山口:そうですよね。河内選手はビッグレースは初出場ですが緊張の方が大きそうですね。
河内:はい、めちゃくちゃ緊張しています。やばいです(苦笑)レベルが違うことは目に見えているので、どこまで食らいついていけるかですね。
山口:デビューして2年でのビッグレース選出はいかがですか?
河内:自分では全然予想がつかなかったのでびっくりです。去年のファン投票もデビューして1年半の私にとっては「たくさん投票していただけて嬉しいな」と感じていました。
実は私が競輪選手を目指したのは、2014年前橋で行われたオールスター競輪でのガールズケイリンコレクション(『ガールズケイリンコレクション2014 前橋ステージ ドームクイーンカップ』)を見たのがきっかけだったんですよ。小学校6年生のときで今でも覚えています。だから自分がまさかその舞台に立てるとは思っていなかったので凄く嬉しいです。10年越しの夢が叶ったということなので。
山口:そうだったんですね。夢の舞台ですね。
河内:はい。
山口:近況、追加を受けたりというお話がありましたが、何か試したいことがあったんですか?
河内:一番はレース勘を途切れさせないためです。久しぶりにレースを走るとき、私はすごく緊張をして震えてしまうんです。だから私はたくさん走っている方が良いタイプですね。でも成績は伴わないのが反省です。どうしても疲労はたまりますから、そのバランスは難しいです。
ただ8月はちょうどよくレースの間隔が空いているので、オールスターへは練習とケアとでバランス良くできそうです。メンタルも強化していきたいですね。
山口:緊張もするというお話でしたもんね。
河内:過度にしすぎるという訳ではないと思うのですが、緊張すると自分に自信がなくなってしまい力を出せないから、それを改善していきたいなと思っています。レースを走って慣れていくしかないと追加も受けて走っているんです。
でもオールスターでは私は挑戦者なので、その気持ちでいけば緊張せずに食らいついていけるのかなと思います。
山口:今年は単発レースではなく3日間の開催ですが、緊張は徐々に抜けていくのではないでしょうか。
河内:単発だとチャンスは一走だけですが、3日間だと「初日にだめでも次の日にもチャンスがある」と思える気がしますね。今想像しているよりもより緊張をするはずなので、初日よりも2日目とだんだん普段のように走れたら良いですね。
他の選手のアップを見たり、学べることもたくさんあるはずだから、挑戦と学びをこめた開催にしたいです。
山口:全員が先輩なんですね。
河内:はい、122期も一人だし、私は高校卒業後すぐに養成所に入ったので年も一番下です。
山口:このメンバーで、気軽に話せる方はいますか?
河内:開催に行くと皆さん話してくれますが、最近イベントで一緒になったのは荒川ひかり選手(茨城110期)です。吉川美穂選手(和歌山120期)もレースでよく一緒になりその時にたくさん話します。日野未来選手(奈良114期)とはこの間、後泊を一緒にしました!
山口:少しでもレース以外は普段のように過ごせると良いですね。
河内:はい、皆さん優しいです。
山口:たくさん得るものがありそうですか?
河内:はい。たくさん皆さんを観察します(笑)
山口:アップのやり方とか過ごし方は皆さん違うと思いますが、他の選手を見て「自分も取り入れよう」ということも多いんですか?
河内:ケアグッズは特にみんな持っているものがバラバラで、見たことのないものを持っている方もいます。最近の流行りは「シャクティマット」というインドの鍼ベットのマットです。小さな鍼がたくさんついていてそこに寝てケアをします。この間それを持っている方がいて試させてもらいました。
山口:検索したら出てきました!たくさんトゲトゲがついているんですね。
河内:はい。これをすると良く寝られるんですよ。選手はアドレナリンが出て夜はなかなか寝られないことも多いので、ケアグッズはどんなものを使っているのか気になりますね。
山口:練習方法とかの意見交換などはしますか?
河内:ライバルなので「どんな練習をしているのか聞いて良いのかな......」と心配になることもあるんですが、日野未来選手には聞いちゃいました。脚質が私と同じでダッシュタイプなので、どんな練習をしているのか気になって聞きました。
山口:教えてくれるのは良いですね。河内選手は女子オールスター競輪のある平塚競輪場は、過去に一度走っていますね。印象はいかがですか?
河内:デビューしてすぐだったのでそこまでは鮮明に覚えてはいないのですが、風が強かったですが軽かった印象です。キラキラしていて綺麗でした!
山口:お客様も多い競輪場だと思います。
河内:そうですよね。GIだしかなり入りそうですよね。
山口:ご声援は力に変えられるタイプですか?
河内:嬉しいです。特にこんな大きなレースで自分の名前を呼んで応援してもらえたらめちゃくちゃ嬉しいです。
山口:では行く方は「さゆきー!」とご声援してください(笑)
河内:お願いします!このメンバーで私に声援があると想像するとテンションが上がります!
山口:では近況について伺います。ずっと決勝に乗っていますが、振り返っていかがですか?
河内:決勝には乗っているんですが、優勝をまだしたことがないんです。優勝をできるチャンスというのは今まで何度もあったと思うのですが、そこで自分がヘマをして優勝には手が届いていません。3日間の集中力を決勝に一番高められるようにしたいです。まだまだ決勝に進むのにいっぱいいっぱいになって、予選の2日間で精神的にも疲労が積み重なってしまい、余力がないんだと思います。安定してずっと決勝に乗れればいいんですけどね。
山口:成績だけを見ると安定しているように思えますが、そうじゃないんですね。
河内:はい。成績は1月から決勝を外していないので安定しているように見えるんですが、初日に外枠になって強い選手が内枠にいると「ヤバい!」と思ってどう展開を作ろうかめちゃくちゃ考えています。焦っていることもたくさんあるんです。
山口:そうなんですね。最近は1着の回数も増えていますね。
河内:はい。3日目一般戦での1着は今までもあったんですが、最近は予選で1着を取れることも少しずつ増えてきました。その辺りは良いのかなと思います。
山口:あとは優勝、なんですね。
河内:はい。もし一度優勝ができたらそこからは波に乗れるのかなとも思います。でも今、「流れに乗れない」と落ち込んでいる気持ちはあまりなく、去年よりは競走得点は上がっているので「少しずつでも成績が上がっているから大丈夫」と自分を励まして頑張っています。
山口:一気に、というのではなく徐々に上がっていきたい、ということですね。
河内:はい。レースが詰まっているとレース勘は良い感じなんですが、その分練習時間はどうしても少なくなってしまいます。そのバランスが難しいなと最近は感じています。オールスターまではちょうどよくレースが入っているので、次までにたくさん練習をして別府で感覚を掴んで、オールスターへいきたいです。
山口:大きいレースということで、そこで初めて競輪を見る方もたくさんいると思うのですが、どんな部分を見て欲しいですか?
河内:本当にまだ未熟ですが、そんな私がどこまで食らいついていけるかというところですかね。私を信じて車券を買ってくださっている方もいると思うんですが、私が3着までに入ったら絶対高配当になると思うので、車券を買ってくださった方に恩返しできるように追い込んで頑張るので、期待しすぎずに応援して欲しいです。
山口:ファン投票で入れてくださった方は買ってくださいますよ。
河内:そうですよね。頑張りたいです。
山口:練習面での強化ポイントは何ですか?
河内:女子オールスター競輪はスピードが普段と全然違うと思います。私がいつも練習している前橋ドームはスピードが出るバンクなので、男子で一緒にオールスター競輪に参加する小林泰正選手(群馬113期)をはじめ群馬の選手もかなり追い込んで練習をすると思うので、私も男子選手に付いていけるようにスピードを強化していきたいです。
山口:小林選手は今年、GIの決勝に乗って、その後に前橋記念(GIII)を完全優勝されましたもんね。
河内:はい。泰正さんは誰よりもたくさん練習をしていると思います。見ている方が、練習をやり過ぎて気持ち悪くなりそうなくらいキツイ練習もしています。私も見習っていきたいです。
山口:練習環境は抜群なんですね。
河内:はい。強い選手もたくさんいますし、私を面倒見てくださる方もたくさんいてありがたいです。女子が少ないので、男子と練習する機会がどうしても多いです。自分がいることで皆さんに迷惑をかけていることもあると思うんですが、皆さん優しく一緒に練習してくれます。時にはマンツーマンでもがいてもらったりもします。女子よりも男子はスピードがあるので、ビッグレースに向けては良い環境で練習ができていると思います。
山口:ありがとうございます。それでは最後に女子オールスター競輪へ向けての意気込みを、オッズパーク会員の皆様へお願いします。
河内:かなり緊張をしていますが、オールスターへ向けて仕上げて強い選手に食らいついていくので、いっぱい応援していただけたら嬉しいです。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
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