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オートレース選手インタビュー
奮い立たせた存在。そして、女子レーサーが活躍する業界へ!|佐藤 摩弥選手
2019年9月 6日

川口所属31期の女子レーサー。オートレース転向前はモトクロスで活躍。2011年7月に川口オートレース場で44年振りの女子レーサーとしてデビューし、2016年にはGII川口記念を制覇しタイトルホルダーに。昨年はSG初優出を決めファンを沸かせた。今年は年末に行なわれるスーパースタートライアル戦へのポイントを3点獲得中。ルックスだけでは無く、実力共に注目の女子レーサーです。着実にレベルアップをしていく彼女にスポットライトを当てました。

インタビュー / AKI

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AKI:近況は大きな大会でも活躍が目立ちますね!今年は飛躍の年になっているんじゃないですか?

佐藤:そうですね。S級も維持出来ていますし、コンスタントにGIの優勝戦にも乗れています。特に、3月に行われた特別GIプレミアムカップ優勝戦で3着が取れたのが大きかったですね。周りの選手より、自分のエンジン状態が良ければ何とか戦えているし、後ろから追い上げたりも出来ています。

AKI:やはり、佐藤摩弥選手と言えばスタートですよね。

佐藤:ここ最近、周りの選手のスタートが早くなってきてる。新型クラッチになったという事もあると思うけど、全体的な底上げが凄い。なので、昔ほどオープン戦も絶対的に切っていくことができてないですね。とは言っても、スタートは自分の武器だと思うし、切れるのと切れないのじゃ全然違う。それに、オープン戦の方が結果が出ています。

AKI:追い上げたりも出来ている、という事でしたが御自身での捌きはどうですか?

佐藤:んー。少しずつですかね。デビューして急に捌ける人はいないと思っていて。青山くん(青山周平選手 伊勢崎・31期)や鈴木圭一郎くん(浜松・32期)みたいな人もいますけど(笑)普通はそうじゃない。後ろで走り続けて勉強していかないと捌きも上手くならないと思うんです。最近はそういう場面が多くなったかな。捌かないと連に絡めない状態が増えたので勉強になっています。けど、まだまだ切り返しのタイミングとか、車の付け位置とかは下手。勉強中です。

AKI:ここ数年、特にレベルアップされているように感じるのですが、何かきっかけはあったんですか?

佐藤:怪我で引退してしまったんですが、同じ川口所属だった32期の益 春菜さんの存在は自分にとって大きかったです。益さんが1級車に乗り出して、どんどん活躍するのを見て「勝てない。」と思った。活躍する姿をみて危機感を覚えました。それ以前は、「女子なのに凄いね!」と褒めてくれる人が多かったので、このままやっていけば良いのかな、なんて思っている時期もありました。でも、彼女の存在のおかげで、「このままじゃダメなんだ。」と思う様になったんです。彼女は気持ちが違った。男女関係なく、全選手と比べても肝が座っているというか。先に女子初のS級にもなられてすごく悔しかった。けど、それで危機感を持てた。この思いがあったからGII川口記念も優勝出来たと思います。彼女の存在が自分の中での転機になりました。

AKI:益さんの引退を聞いた時は?

佐藤:怪我が原因なので仕方がないけれど、益さん自身まだまだやれたと思うし悔しいだろうなぁと思いました。見てくれてるかも、と思うと情けない走りは見せられない。この話は今だから話せます。今でも一緒に走っていたら闘志メラメラだったかもしれないですしね(笑)けど、その感じが良かったんだと思います。女子選手同士お互いに刺激を受けながら、後輩の女子選手にも頑張って欲しいです。もちろん私もうかうかしていられないのでこれからも頑張っていきます。

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AKI:後輩女子レーサーがここ数年で増えましたが、どう感じていますか?

佐藤:女子レーサーが活躍すると、オートレースが尚更盛り上がると思うんです。この間、伊勢崎GIムーンライト準決で2着に入り、レース後の公開優出インタビューは早川清太郎さん(伊勢崎・29期)と一緒でした。もちろん、地元ですし早川さんへの声援が凄かったんですが、それに負けないくらいアウェーの私の時も凄く盛り上がってくれて「マヤちゃん!」と言ってもらえて凄く嬉しかった。自分に限らず女子選手が活躍するとお客さんが盛り上がるんだなぁ、と感じました。女の子皆、男の人には負けてないと思う。女子だから勝てないと言うことは無いと思います。それに、自分が出ていない女子戦を見ていて凄く面白かった。やりあっていて、ああいうレースはお客さんも面白かったんじゃないかな、と思いました。

そして、最近は他の女子選手と一緒にグレード周りをしたいなと思っています。これは夢では無いと思うんです。自分はバイクの経験があってスタートとかで活かせている部分もあるけど、他の選手にもチャンスはある。ある程度はセンスで乗れると思うけど、あとは自分の気持ち次第。努力が大切だと思います。私もそうでしたが、やっぱり危機感が大事。

地元の後輩、片野選手(片野利沙選手 川口・32期)とは仕事の事もプライベートの事も話すんですが、最近は仕事のことでグループ関係なく面倒見ていて、気にかけている後輩です。なので特に頑張ってもらいたくて。女子一人はやっぱり寂しいですし。なので、「一緒にグレード回ろうよ!」と言いました。本人も頑張りたいと言っていたし、実際頑張っているので期待したいです。

AKI:今年は既に年末のSSトライアル戦へのポイントを獲得していますよね。

佐藤:SSには出たいです。去年が1ポイント。今年は3ポイント。もう一回自力でポイントを取れればSSに大きく近づきますし、ポイント獲得したいですね。去年は、SGの優勝戦に乗った時に、周りの選手からSSポイントの話をされたけど現実味がなくて。SSに行きたいけど厳しいなと思っていました。チャレンジする側だから、優出を出来ただけで満足という気持ち。だから優勝戦の結果は8着だったんだと思います。けど、今年はSGの優勝戦に乗りたい、と思うようになった。現実的に無理ではないと思えるようになったんです。やっぱり凄く気持ちが大事ですね。こういう風に考えれるようになったのは、いつも指導してくれる若井さん(若井友和選手 川口・25期)のお陰です。レースの結果で気持ちがどれくらい大事かを見せてくれています。若井さんは凄い。若井さんは整備が上手ではないけれど、それでも安定してS級の10番代にいる。レース後半の追い上げも若井さんの気持ちが大きいと思うんです。どんなレースでも最後まで仕掛けていく。そういうところを見せてくれています。

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AKI:スタートや捌き、気持ちに関して教えていただきましたが、整備の面ではどうですか?

佐藤:たまに周りの選手にアドバイスをもらったりしますが、基本的に自分の中で考えたことをしていくタイプ。負けたら悔しいけど、自分の整備で負けたなら後悔はない。なので、「よし、これで行こう。」という最後の決断はなるべく自分でくだしたいです。自分で失敗する事が一番成長すると思いますし。そういう風にさせてくれるのが師匠の吉田さん(吉田幸司選手 川口・21期)と若井さん。「自分の好きなように、やりたいと思った事は全部やってみろ。」と新人の頃から言われてきました。整備をやってもらった記憶はあまりないですね。本当に困った時には助けてはくれると思うけど、自分で整備することが経験に繋がると分かっていて、あえてそういう指導方法を取ってくれているんだと思います。それが自分に凄く合っている。合う人合わない人はいると思うけど、自分はのびのびとさせてもらっていて良い環境でやらせてもらっています。凄く感謝しています。自分は周りの選手に恵まれてる。これは大きいです。

後は、自分は思い立ったらすぐにエンジンを扱いたくなるタイプ。パーツ交換なども気になると「今すぐやりたい!」と思っちゃう。昔は、どんどん部品を買っていた。それも悪いことではなく勉強になったけど、パーツ交換が良いとは限らなくて。今までは、その部分で焦りすぎていた。自分でエンジンを悪くしていたこともありましたね。最近は「落ち着け、落ち着け。」と思うようにしています。前よりは我慢出来ているかな。エンジンも安定しているし良い傾向だと思います。扱って駄目なら元に戻して別のところを扱って、ちゃんと1つずつやろうと、前よりは思えるようになりました。乗るだけではなく、整備も勉強していこうと。ランク上位の選手と戦うとなると、実力的に気持ちだけじゃ勝ちきれない。けど、乗る技術は今日明日で速くはならない。乗る技術は普段の姿勢だと思う。まず、今日勝つために整備力を上げていく事も大切なんだと思うようになりました。

AKI:目標は立てているんですか?

あまり目標を立てるタイプではないです。強いて言うなら、今日1着を取ることが目標かな。SG優勝とかはまだ取れないなと思ってしまうと言うか。まずは、どれだけ自分の持ち味を出して走れるか。SGはまず準決に乗ること。乗れたら着を残していきたい。クリアすると次に繋がって行くと思うんです。なので、一個一個クリアしていく感じで。

最終的な目標として考えるなら、SG優勝じゃないですかね。これは選手皆んな、SGを取りたいと1度は思ったことがあるはず。なので、SG優勝が選手としての最終目標ですかね。そういうとSGを取った後のことを思うけど、きっとそのレベルにいる選手は欲深いので次の目標が出てくると思います。

AKI:課題として上げるなら?

佐藤:まだ自分は成長段階。駄目な時にどれだけ踏ん張れるか。良い時は何もしなくても良いから、悪い時にいかに自分を奮い立たせて手を動かせるか。この仕事で大切なことは、悪い時にどうメンタルを保てるかだと思います。そして、上位ランクの選手を見ていると、とにかく立て直すのが早い。上を維持するのってそういうことなんだなと思います。

圭一郎くんなんかは、どのくらいオートレースが好きなんだろうとか、なんでそんなにずっと手を動かしていられるんだろうとか、分からないことが多い。自分では真似できない事が凄くいっぱいあるし、尊敬しちゃってる部分が多い。それは青山くんに対しても。まだ、足に手が届かない存在と思ってしまっています。同じレースの時に自分の方がエンジンが良い時はついていけている時もあるけど、後ろにつけても捌ける感じがしない。それは、自分の気持ち的に相手を格上の選手と思っているからかもしれないし、抜かせないコースを走られているからかもしれないし...なんか抜けなかった。(笑)

ただ、今は自分が成長段階だと思えているんで、仕事が凄く楽しいんです。仕事自体はずっと楽しいけど、去年から今年にかけてはエンジンがよく、結果を残せている事が楽しさに繋がっていると思います。まだまだこれからです!

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AKI:オッズパーク会員の皆様へ

佐藤:一般戦とグレードレースの魅力は違うと思うんです。どっちもオートレースの面白さはあると思います。ハンデ戦を予想するのもオートレースの醍醐味なんですが、私はスタートが活かせる短ハンデ戦が多いグレードレースの方が好きですし結果も残しやすいです。スタート行って強いメンバーの中でも着を残せたりする事があるので、短ハンデ戦の時は特に注目して下さい。オープン戦では3着には入れた方が良いですよ(笑)応援よろしくお願いします。







インタビュー / AKI

福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。






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