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オートレース選手インタビュー
『鈴木選抜』で一躍脚光浴び地元記念を初制覇!オート界2019話題の一人|鈴木 清選手
2019年12月 2日

2019年は当たり年。『鈴木選抜』を制し最強鈴木の称号を手にした苦節26年の苦労人・鈴木清選手が記念初制覇を地元川口(5月12日)で飾り、飯塚の夜王(ミッドナイト優勝・5月23日)にも輝きました。絶好調・清選手に少し早いですが今年を振り返って頂きました。もちろん12月4日から始まる地元川口GI開設記念への意気込みもお伺いしております。

インタビュー / 内野久照

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内野:選手権お疲れ様でした。どんな開催でしたか?(10月31日から11月4日飯塚開催)

鈴木:自分なりには悪くなかったです。今の自分のレベルで勝つ様な甘い大会ではなかったですね。選手権のレベルの中で勝ち負けを競い合い戦う事は厳しかったです。

スタートだけは何とか残して行きたいと挑んだがそれが不発に終わると最終日の様な結果(8着)になってしまいます。

3日目の準々決勝戦(3着までが準決勝戦進出)は一瞬の判断ミスでした。最終コーナーでインコースから捌かれ4着になり準決勝戦進出を逃しました。悔しさが残るレースになりました。

ただ4日目は1着を獲る事が出来ましたので次に繋げて行きたいです。

内野:浜松オートで行われた『鈴木選抜』で最強鈴木に輝いた清選手ですがその時の事も教えて下さい。

鈴木:初日の12Rに『鈴木選抜』がある事は前の日に知らされました。

もちろん8番の鈴木圭一郎選手(浜松32期)が来るのだと自分も思っていたので2着には入れる様に頑張ろうと思って挑みました。

『鈴木選抜』はこれで3回目。過去に伊勢崎で2回ありました。結果は1着と2着でした。

今回は相手が相手だけにまったく気負いはありませんでした。いつものレースだという気持ちで特別な事ではないと気楽な思いで走りました。

レースは皆が外を走っていたので自分のコースが空いていました。インコースを走り抜け出す事が出来て自分のレース展開になったので先頭に立ちたいなと思いました。

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走り出す前と走り出してからではテンションが違いました。

「よしっ!良い展開になった。1着でゴールするぞ」とあの時は通常モードから上昇モードに切り替わりましたね(笑)

『鈴木選抜』がTVに取り上げられて周りの人からはもちろんですがオートレースを知らない人からも声を掛けて頂きました。

オートレースを知らない人がオートレースを知るきかっけにもなったと思うし『鈴木選抜』は良かったですね。

埼玉県川口出身の鈴木ですが『最強鈴木!』になれて嬉しかったです。

色んな方に注目されていつもと違う一ヶ月間を過ごさせて頂きました。

僕のオートレース人生の中での良き思い出になりました。

内野:苦節26年。地元の川口記念でGII初優勝を成し遂げましたがその時の事も教えて下さい。

鈴木:ゴールした瞬間は「獲っちゃった。自分が優勝した」とすぐこみ上げて来てウィニングランに入る前から目頭が熱くなりました。ウィニングランでは地元川口のお客様の声援が凄すぎて涙が溢れ出ました。

準決勝戦からお話しますとゴール前競る展開になり差しでの2着で優勝戦を決めました。

明日は母の日でもあり他にも色々と思いがあったので優出したいなと思っていました。

優勝戦の前夜に宿舎の同じ部屋で準決勝戦を競り合った地元の先輩で22期の掛川和人さんから「負けて悔しかった。明日は頑張ってよ。」と言われ無駄には出来ないと思いました。

優勝戦の当日朝練習を泉田修佑選手(川口33期)に後ろから見てもらい「全然ついて行けません」と言ってもらった。

タイヤも掛川さんから「初乗りは跳ねが来たら危険なので今回使って結果が出ている物を使った方が良い」とアドバイス頂きました。

2人の助言のもと迷わず3日目の感触良かったタイヤで行こうと決めました。

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準決勝戦が満足いく結果だったので優勝戦は無欲で臨めました。

優勝戦は6号車でした。プレッシャーは無く当然7番8番が来ると思っていました。

優勝戦レースはスタートタイミング0.05から好位置に付くことが出来ていつも通りのインコースを走っていました。先頭に立ってからは気が気ではありませんでした。必ず2人が来ると確信していました。

自分の中での100%走りをしよう。

いつもの自分のスタイルで良い走りをすると決めていました。

いつもは川口では大型ビジョンを走りながら見れるのにその時はビジョンを見る余裕などありませんでした。視界に入って来なかったのです。

7周回1コーナーで入られた時はやっぱり来たかと半分あきらめていました。

ただ曲がれていないとまだやられていないと思い切り返す体制を作り突っ張って行きました。

強引でえげつない事をしてしまい、ごめんと思いながら最終周回に備えました。

8周回1コーナーでまた入られても絶対に回れない様にコースを閉めて走りました。

今度は落ち着いて差し返す事が出来ました。

今思えば浜松のオールスターで下回りエンジンをばらして組み直した事が要因だったと思います。

オールスターの4日目5日目は手応えがありました。そこからエンジンが良くなり結果が出たのだと思います。

令和一発目の記念で優勝しミッドナイトでも優勝出来て嬉しかったですがこのまま死んじゃうのではないかと思うくらい結果が良すぎて怖かったです。

記念優勝をした事を自分だけではなく周りの皆が喜んでくれたので本当に良かったです。

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内野:レース以外の質問もさせて頂きます。清選手はどんな性格ですか?

鈴木:自分の性格は『負けず嫌い・頑固』です。

内野:どんなところがですか?

鈴木:朝は掃除から始めます。几帳面というかこれも頑固なのでしょう。

綺麗好きではないが持って生まれた性分ですかね。(笑)

何をやるにしてもなるべく余裕を持ってしたいです。

この仕事は率先して周りが手伝うのですがバタバタしたくない。自分のペースでやらせて欲しいなと思う事があります。自分のスタイルを崩したくない。

一人でも寂しいとは思わない人間ですし自分の時間を大切にしたいタイプです。

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内野:怪我を乗り越えた時期があったと聞きましたが?

鈴木:1級車に乗り替わったデビュー節に落車。手首の関節の中の骨を骨折しました。

手術をしたのですが経過が良くなくて骨がくっつかなかったのです。

たまたま実家の寿司屋に来ていた整形外科の先生が診てくれてこのまま放っておくと大変な事になると言われ直ぐに再手術を行いました。

凄く痛かったしリハビリが大変できつかったです。

今も思うとあの時に手術してくれた先生に出会っていなければ復帰は無かったのかもしれません。手術をしてくれた先生に凄く感謝しています。

復帰まで8ヶ月程かかりました。その間同期が活躍していたので悔しい思いがありましたが本当に復帰できて良かったと思いました。

内野:整備で必ずやる事は?

鈴木:上回りの整備は日課ですね。毎日ヘッドカバーは開けます。

整備でも自分で思ったことはやるタイプです。

内野:好きなレース場は?

鈴木:好きなレース場はもちろん地元川口です。川口バンクは自分向きで突っ込み勝負な走路です。走り慣れているし声援が好き。友達や知り合いも応援に来てくれるしその中で走れるので気持ちが良いですね。

内野:日中開催・ナイター開催・ミッドナイトとどの開催が好きですか?

鈴木:好きな時間帯はミッドナイトです。消音マフラーも好きというのもありますが時間があるので自分がやりたい事にその時間を使える事です。

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内野:鈴木選手の持ち味でもあるインからインの走りについて教えて下さい。

鈴木:若い時は懐を取って立ち上がるを基本にしていましたが、当時川口四天王と言われていた阿部光雄さん、且元滋紀さん、広瀬登喜夫さんからバンバンインコースから捌かれていてインコースに入らせない様に対応していたら今のようなインからインの走りになりました。(笑)

内野:鈴木選手のどこを見ると調子が分かりますか?

鈴木:試走タイムは他の選手より出ないですが2コーナーの立ち上がりが上手く回っていれば良い状態です。コースを外したりもたもたしていたら良くないと判断して下さい。

内野:好きな言葉は?

鈴木:好きな言葉・大切にしている事は『継続は力なり』です。

小さい事でも続ける事。続けていれば必ず結果はついてくるという事です。

続ける事に意味があります。

26年経った今でも同期(23期)の頑張りが僕の原動力です。

浦田信輔選手(飯塚23期)の努力と比べるとやっている仕事の量から違う。比べても勝てない。ただ自分の出来る事を諦めずやり続ける事です。絶対に諦めない事です。

気持ちも身体も意識して心がけて行きます。

極力妥協しない様にして気になる事はやろう。ダメだったら戻ろう。またひらめいたらチャレンジします。50歳まではその意識をもって手を抜かず頑張って行きたいです。

内野:体のケアはされていますか?

鈴木:最近ですが2ヶ月程前から食事に気を付ける様になりました。

あまり年齢を考えず夜もガッツリ食べていたのですが翌朝身体が重い事が多くなり考えて食事をとる様にしました。

年齢的に体を気にする様になってきたのでストレッチを意識してやる様にしています。

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内野:車名のウィンザーの由来は?

鈴木:学生時代は世界地理が好きでした。イギリスとアメリカにウィンザーという都市がある事を知りました。また飯塚将光さんがフジの時代絶好調だった時の車名でもありますしWIN(ウィン)と付くので勝利・勝つという意味も込めて『ウィンザー』にしました。

この車は約2年前師匠の清水右也元選手から譲り受けたエンジンです。

当時落車が続き何をやってもエンジンが良くならず成績も悪かった時期に乗ってみるか言って頂き今年の結果に繋がっています。

内野:年齢を感じる時はありますか?

鈴木:少し前までは若いなと思っていたのですがアラフィフです。業界でも中堅と思っていたらいつの間にかベテランになっていました。

試走行く前の待機部屋で出走表を見ると自分がメンバー中最年長のレースが多くなっています。(笑)

若い選手にはスピードでは勝てない。テクニック・技でレースを作りたい。簡単に捲らせないしやられない様にしたい。

内野:地元川口のGI開設記念(12月4日から8日開催)がありますが?

鈴木:GIもSGもメンバー的には変わらないし獲れないと思っていたGII記念が獲れたので次は自ずとGIを獲りたい気持ちが芽生えてきています。

地元のGIですしより一層気持ちも入る。一走一走悔いの残らない様に走り準決勝戦・優勝戦と進んで行きたいです。

内野:オッズパークを御覧の皆様へメッセージをお願いします。

鈴木:モニター越しTVの画面越しにも気迫が伝わる様に、一走一走全力でレースに臨んで行きますので応援宜しくお願いします。

インタビュー / 内野久照

MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。

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