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オートレース選手インタビュー
今、人生最大の目標はSG初制覇です|平田 雅崇選手
2020年3月19日

デビューから飯塚所属で8年、川口に移ってから8年が過ぎた平田雅崇選手は選手生活16年を迎えました。SGでの活躍、年末の大一番に懸ける思いを川口29期『ガッツマン 平田雅崇選手』にお話を聞きました。飯塚オートで開催のプレミアムカップ、更にはオッズパーク杯SG第39回オールスターオートへの意気込みを語って頂きました。

インタビュー / 内野久照

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内野:2020年3月に入りましたが昨年2019年はどんな1年でしたか?

平田:現状維持のようなレースが多かったですね。

内野:どういうところがですか?

平田:近況は若い選手が増えて厳しい状況が多くなっているが。。ただ、何かが劣っているとは思っていない。気持ち、バイオリズムを大事にして一つ一つ底上げしていくことしかないと思っています。

内野:今年はここまでどのような流れできていますか?

平田:あまり良い流れではありませんでした。エンジンと乗る方のかみ合わせをもう少し良くしたかったです。噛み合わないと結果に結び付かないので。

やる事をやって良い方向に持っていければ流れをつかめるので、流れを作れるようにしたいです。

内野:具体的には?

平田:ダメな時を少なくする事です。難しいですが...。

ダメな時は絶対にあるので良い時とダメな時のバランスが重要です。

内野:2月26日に39歳になり30代最後の年になりましたが?

平田:やっと40歳になれます。大人になれますね。(笑)ただ全く実感はありません。

師匠の松尾学(飯塚22期)さんが37歳の時に僕を弟子にとられました。

その事を考えると僕はその時の師匠の年齢より上です。

師匠と比べても自分は全然大人じゃないです。見せられる人間にならないといけない。

人としての成長が足りないです。

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内野:選手になるきっかけは?

平田:近くのボートレース場に客として通っていました。その時に知り合ったおじ様が、僕の背格好を見て選手になったらと勧めてくれました。

ボートレースは2度受けましたが不合格。2次試験のやまと学校で武藤博臣選手(川口28期)と会った時に『自分はオートレーサーになる』と聞いて、その時にオートレースを知りました。武藤さんは28期に合格していたのでびっくりしました。

ボートレースは当時年齢制限があり、3度目は受験資格がなくてオートレース試験を受けました。オートレースは2回目で合格しました。

内野:車名に『トラノスケ、キヨマサ』とありますが?

平田:はい。加藤清正です。家の近くに『清正公』で知られる『覚林寺』があります。清正公は勝負事にご利益があるとされていますので、オートレースを受検する時に神頼みではないですが勝守ということもありお参りに行きました。藁にもすがりたい思いでした。そのご利益もあってオートレース選手になれました。これも縁だと思うので車名に『トラノスケ・キヨマサ』を選びました。

選手になっても『清正公の勝守』はいつも身に付けています。

内野:あこがれの選手は?

平田:当時はオートレースを詳しくなかったので特にあこがれの選手はいませんでした。

ただ選手になってから高橋貢選手(伊勢崎22期)のオーラは凄かったです。

貫禄があり僕ら新人選手に対しても目を見て挨拶してくれました。その時にナンバーワンになる人、絶対王者は凄い人だなと思いました。

内野:飯塚での8年間はいかがでしたか?

平田:飯塚ではオートレースの基礎を教わりました。もちろん色んな事を教えて頂きました。学ばせて頂きました。一人前にして頂き川口に送り出してもらいました。

内野:ロッカー移動から8年です。

平田:川口でも皆さんに良くしてもらっている。自分のやり易い環境で仕事をさせてもらっています。

今日までに川口でナンバーワンになって爪痕を残したかったです。

まだ恩返しが出来ていないので、その気持ちは持ち続けています。

内野:デビューしてから続けている事は?

平田:整備日(前検日・受付の前日のこと。)には、ほぼ必ず行っています。

自分の事はもちろんですが他の人の事も手伝えるので整備日に行くようにしています。

同期やグループの人達がエンジンをバラして大きな整備をする時が多いのが整備日です。

ですからどこのレース場にも整備から行くようにしています。行くのが習慣になっています。

この業界は持ちつ持たれつになっていますから。

内野:座右の銘を教えて下さい。

平田:『努力は裏切らない』です。僕はもともと大した人間ではない。天才タイプではないので、ダメだったら人よりやらないと...。人に置いて行かれないように努力すること。

出来ないからやるのであって出来るのならやらないです。

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内野:ルーティンはありますか?

平田:何かをすると決めたら必ず実行する。出来なかったら流れがおかしくなります。

それが嫌なので決め事はしません。何かを無意識でやっているのかもしれませんが気にしていません。

たた家族の写真に『行ってくるね。頑張ってくるよ』と声を掛けています。

レースに行く事で、もしかすると最後になるかもしれないので...。

ロッカーを離れるとき試走待機場に行くときには必ずやっている事です。

子供も大きくなってあまり父親のことは気にならなくなっているでしょうが(笑)

内野:『ガッツマン』の愛称はいかがですか?

平田:今はガッツが無い訳ではないけど若い時は無理していましたね。勢いで突っ込んでいたことが多くて事故に繋がることもありました。前に人が居れば何も考えずに『捌いてやろう』と気持ちが入っていました。

今は冷静に走っています。9対1で行けないと思えば無理して行きません。ある程度エンジンが良くてしっかりと抜ける体勢が整えばきっちり抜くということです。

若い時に人よりガッツがあるように見えたので『ガッツマン』と付けて頂いたのでしょう。

今も負けたくない気持ち、勝ちたいという気持ちは誰よりも強いと思って走っています。ガッツを見せて諦めないレースを心がけて行きます。

内野:試走からガッツが見られますね。(笑)

平田:試走はいつも出したいと思っていますが上手ではないですね。試走が出ていない時は今でも力んでいる事が多いのかな...。

直近でも3.31秒で1着があれば3.36秒で1も着もありますね。試走タイムを出して安定させたいですね。

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内野:約16年の選手生活ですが思い出に残るレースは?

平田:SGオートレースグランプリ船橋の準決勝戦です。

10mオープンでした。スタート後8番手になりましたが追い上げて2着になりSG初優出を決めたレースです。

その時は新人の延長で勢いもあったのかもしれませんが、浦田信輔選手(飯塚23期)をインコースから捌いて2着に入ったので本当に嬉しかったです。SGの舞台で活躍出来たので凄く印象に残っています。

内野:悔しかったレースは?

平田:そのSGグランプリの決勝戦です。

優勝は武藤選手でした。選手になるきっかけの武藤選手とSGファイナルで戦うこともあり気持ちも入っていました。準決勝戦で使ったタイヤが凄く良かったのですが、低くなってもう1回走れるか走れないかという物でした。

選手紹介の時に雨がぽつぽつと落ちていたので、タイヤは少し高めのものに交換して優勝戦を走りました。準決勝戦のタイヤは低かったこともあったので交換したのですが、追い上げて優出を決めた準決勝戦のタイヤで行くべきでした。その時は後悔しました。これも勉強です。

内野:スーパースター王座決定戦のステージも経験していますが。

平田:もう一度あの中で戦いたいですね。いつもとは違う環境ですし選手同士の圧が凄い。いつも以上に闘志が表に出ている開催です。気持ちが直に伝わってくる現場です。

そのステージに立つ為には特別GIそしてSGへの結果が求められます。

内野:気持ちが伝わってきます...。今の目標を教えて下さい。

平田:SGで優勝する事です。『人生最大の目標』です。トータルのゴール地点はそこにあります。選手になった以上は、『一回は勝ちたい。優勝したい。』です。皆もそこを目標に選手になったと思います。

結果を残していないので言っても響かないし届かないでしょうが。

しっかりアピール出来るところまで努力していきます。

この気持ちは持ち続けます。気持ちが無くなったら選手は続けられないです。

内野:今節の調子は?(インタビュー収録日は3月14日現在)

平田:飯塚開催でしかも親父さん(松尾学選手)がいると100%安心して仕事が出来るので成績にも繋がりました。前検日に作ったタイヤも良かったです。

初日の1着はエンジンが良くてしっかり捌いて行けたので、落ち着いて乗ることが出来ました。

準決勝戦も凄く感じ良く優勝戦に進めました。

内野:29期・同期対決は?

平田:同期対決に関して昔ほど意識はしていない。今はないかな...。まぁ一緒に走る事は楽しいです。

でも負けたくないかな。やっぱり意識していますね。(笑)

内野:同期の話がでましたが?

平田:SGで活躍している選手が多いです。SGタイトルに清太郎(伊勢崎29期・早川清太郎)や飛竜(山陽29期・丹村飛竜選手)は一番近くにいると思う。

2人はSGの優勝戦に出場し続けている。

今はランクも負けていますが急にランクを上げるのは難しい。

でも何かで負けているとは思っていない。僕はまずSGの優勝戦に出場するところからスタートです。

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内野:SGとは違うフィールドですね。

平田:目標が『SGで優勝すること』と言っても説得力がないと思います。

これからはスキルアップしかない。今の自分にはもちろん満足していない。やり続けるだけです。

お客様には結果しか見てもらえない。結果で判断される世界。結果を残せるように努力する。これしかないです。

内野:この後飯塚で『プレミアムカップ』『オールスター』とビッグレースが続きますが?

平田:8年前のプレミアムカップが飯塚所属での最後のレースでした。ポスターモデルになり優勝戦に出場しましたが、落車してファンの皆様を裏切ってしまった。

プレミアは色んな気持ちがこみ上げてくる飯塚での開催です。ファンの皆様、育ててくれた飯塚へ恩返ししたいと思っています。

オールスターはファン投票ではなく施行者推薦での出場です。

ファンあってのオートレースなので、ファンの皆様の声援が活力になります。

次回はファンの皆様から信頼され投票して頂けるように結果を残していきます。

内野:これからオートレースとどのように向き合っていきますか?

平田:一番は気持ちです。気持ちが大事です。気持ちでカバーできる職業です。

肉体のピークを超える時が必ずくると思います。その時に一番必要なものが気持ちだと思っています。

内野:オッズパークを御覧の皆様へメッセージをお願いします。

平田:いつもオートレースへのご投票ありがとうございます。これからも車券対象になれるように一走一走気持ちを込めて走りますので、応援宜しくお願いします。

インタビュー / 内野久照

MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。

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