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オートレース選手インタビュー
皆の前で走れる喜びを感じながら、いざスタートラインへ!|角南 一如選手
2020年7月31日

2020年4月から山陽オート支部長になった27期の角南一如選手は「これからはお客様との交流も大切にして、ファンサービスを考えて行きたい」と話していました。

27期は来年4月でデビュー20年を迎えます。角南選手にここまでの選手生活を振り返って頂きこれからの山陽オートをどのように盛り上げていくのか本音を聞いてきました。(取材日7月12日山陽オートレース場)

インタビュー / 内野久照

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内野:有観客となった今節どのような思いがありましたか?

角南:お客様がいる中で走れる事はありがたいです。

お客様あってのオートレースを再確認できました。改めてそう感じました。

無観客の時もいつもと変わらない気持ちで走っていましたが、有観客になり、試走から手を振って下さったり声援を送ってくれたりと、ファンの皆様の暖かいお気持ちが伝わってきました。それを感じると気合いが入りますね。

内野:小林啓二杯最終日優勝戦はどんな状態でしたか?

角南:朝練はブチ気味の走路だったので参考にしていなかったです。朝のスタート練習は2回の内1回は空回りせずに切れました。

試走に行く前まで3日目の雨のセッティングで行くか、乾きかけていたので4日目の晴れのセッティングで行くか迷っていましたが、レースの時間帯は雨が降りそうな読みと、3日目のイメージが良くメンバー的にも雨の方が優勝できる可能性が高いのではと思い、3日目のセットを選択しました。

スタートラインについては「朝練のイメージで切ろう!空回りしても外が効けば追い込める。目一杯切ろう」と思いました。実際は空回りもせずに自分なりにいい展開が作れたと思います。

序盤の展開は中のコースに入ってしまい、2番手に立ってからは自分の得意な外コースに持ち込んだのですが、突っ込んでから滑りが凄くて、2回滑って内側に岩見選手のロントタイヤが見えてからはコースを切り替えて前を走る有吉辰也選手(飯塚:25期)を追いかけました。

追いつくどころか3番手の岩見貴史選手(飯塚:29期)に抜かれないようにするのに必死でした。

内野:戦い終わって感じた事は?

角南:後ろを抑えて走るのは準決勝戦の2番手だったらありだと思うけど優勝戦の走りではないという思いもあり終わってからは少しの葛藤がありました。

今節は何よりお客様の前で走れたことが嬉しく皆様の声援と想いを乗せて走る事ができました。

エンジンとスタートも安定してきているのでこの後の続く開催も頑張ります。記念レースも続くので良い流れで行ける事を楽しみにしております。

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内野:今節もレース場でランニングされている角南選手を毎日拝見しておりました。

角南:はい、ランニングは朝と夕方と行っています。

内野:朝はどんなメニューですか?

角南:体操をします。柔軟をしてからランニングです。朝は20分程走り込みます。4周走っています。

内野:夕方は長い距離走っていますよね。

角南:外線の外を6周です。約5kmをじっくり走ります。

内野:毎日ですか?

角南:毎日やっています。

体力維持です。さぼると落ちるので続けています。なるべくさぼらないようにしています。3日間休んでしまうと取り戻すのが大変です。

若い選手に勝つためにも体力が基本です。

内野:ご自宅での健康法を教えてください。

角南:家では朝、子供を送り出してから、ドラクエウォークを何となくしながら河川敷を歩いています。1時間程歩いています。

内野:ご出身は?

角南:岡山県岡山市です。

内野:子供のころは何をしていましたか?

角南:小学生の時はソフトボールです。何となくしていました。

内野:中学校では何をしていましたか?

角南:中学校では卓球です。個人戦はもっぱら弱かったです。

団体戦では結果を残せていました。

シングルでは勝てなかった選手に、団体戦では力を発揮し、勝つ事ができました。

内野:高校では何をしていましたか?

角南:高校の時は陸上です。200mを走っていました。

普通科に通っていたので文系か理系か決める時は、何となくですが理系に進みました。

内野:大学では何をしていましたか?

角南:大学は地元の岡山理科大学機械科です。将来、何かになろうと思って入ったのではなくエンジンが好きで、機械いじりが好きだったので機械科に進学しました。

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内野:オートレースとのきっかけを教えてください。

角南:森且行選手(川口:25期)です。オートレースという競技があるのだなという程度でした。

選手の事は一切知らなかったので誰にあこがれてとか誰を目指してとかはありませんでした。

内野:オートレーサー試験の対策は?

角南:大学4年生の時が年齢的に最初で最後の試験になったのです。

大学在学中は中華料理店でアルバイトをしていました。

レース選手になると決めてからはバイク屋にアルバイトに行き整備を勉強しました。

内野:オートレースを選んだ理由は?

角南:普通に就職するのではなく、何か自分の好きな事を仕事にしたいと思いました。オートレースは乗る事も整備もできるので、これだと想い選手を目指しました。

内野:友人の行動が決意させたと聞きました。

角南:高校時代のツーリング仲間がお笑いの道に進みました。松竹に入ったのです。

近くにいる友人が夢を追いかけて上京した事も、自分がオートレーサーになると決心した大きな出来事でした。友人が後押してくれたのも事実です。

内野:養成所ではどうでしたか?

角南:3次試験は養成所でした。軽い気持ちで行きました。3泊分ほどしか荷物を持って行きませんでした。そこから拘束され養成所生活が始まりました。

同期27期での落車王です。10回落ちました。

養成所では本当にへこんでいました。

原因はエンジンの底が当たっての落車です。

車を寝かせたら落車していたので自信をなくしていました。

実地訓練でフレームの不具合を見つけて頂いてから走れるようになりましたが検定は下から5番目のタイムでした。

内野:師匠、田斎英世選手(山陽:13期)についても聞かせて下さい。

角南:見た目は怖い感じですが優しい方です。沢山面倒を見てくれました。色々と細かい所までお世話して頂きました。自分の成長にあった環境を作ってくれました。

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内野:デビュー戦の事は覚えていますか?

角南:デビュー戦は雨の7着でした。1周目の2コーナーで滑らせて落ちそうになりました。

内野:初勝利についてお聞かせください。

角南:覚えていないですがデビュー10走以内で1着取っていると思います。

初優勝は1級車に乗り替わっての川口でした。

同期が集まった開催だったのでうれしかったですね。

初めての記念優勝が山陽オートの、グランドウィナーズフェスタでした。田斎さんとの繋がりで、小林啓二さんからワンポイントアドバイスを受けその結果優勝する事ができました。

たしか小林啓二さんの30m前で優勝しました。

内野:過去にはGI黒潮杯連覇があります。

角南:船橋の黒潮杯です。嬉しかったです。表彰式では思わず涙が出ました。

内野:思い出に残っているレースは?

角南:初めての選手権で1着を取ったレースです。

全レース8番手からになりましたが追い上げて1着を取った時は嬉しかったです。

7車抜きは気持ち良かったです。逃げたレースは覚えていないけど追いが届いたレースは覚えていますね。

番組的に覚えているのは浜松の2005年3月のSG全日本選抜です。

SG決勝に初めて乗りました。

優勝戦での0mは自分だけ、後7名は10mでした。その優勝戦で4着に入り年末のスーパースターに出場しました。

その後最重ハンデで走らせてもらっています。そういう意味でも覚えています。

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内野:レース場での過ごし方を教えてください。起床は何時ごろですか?

角南:家でも宿舎でも日中開催でもミットでも関係なく、朝6時に起床です。6時に目が覚めます。

ナイターや特にミッドでは睡眠不足になりますね。

内野:朝起きて、一番に何をしますか?

角南:コーヒーを飲みながら洗濯物をたたんでいます。

NHKの朝ドラを見るのが日課です。そしてロッカーに移動です。

毎朝同じリズムで過ごしています。

練習の準備は基本前日にします。もちろん練習前に最終チェックはします。

内野:練習目前に運動をしますか?

角南:練習前に体を温めるようにしています。体を温めること、ほぐすことは腰痛防止でもあります。 

内野:ルーティンを教えて下さい。

角南:そうですね、いくつもありますが...何故かブーツは左から履きます。スリッパが付いているからでしょうか。

いくつかあるルーティンができてない時は悪い結果になってしまう。

ルーティン通りになっていない時は、自分の気持ちや何か状態が違うという事を気付かせてくれますね。

いつもやっている事と違うなと思った時は、気を引き締め直す事ができます。

内野:車名からディズニーがお好きなのがわかりますね。

角南:家族がディズニー好きです。

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内野:大事にしている言葉は何ですか?

角南:「日々努力すること」です。急に何かできるようになる訳ではない。

40歳を過ぎてから体の衰えを感じています。体力に関しては走って補うようにしています。気になるのは特に目ですね。ピントです。見えづらくなってきています。

今、やれる事を続けて行く。一つ一つやっていく努力しかありません。

内野:レース場に必ず持っていくものは?

角南:マスクです。これは必要です。耳栓を持参しています。宿舎が4人部屋なのですがぐっすり眠れるように耳栓を持ってきています。

内野:前検日(受付)はどのような気持ちで行くのでしょうか?

角南:特に気持ちを入れて受付をする事はありませんが、急に気持ちは換えられないので、1日を通して徐々に気持ちを切り換えるようにしています。

内野:前検日にスーツ姿の角南選手をお見掛けします。

角南:船橋ファイナルの時にスーツで行きました。船橋の閉場がきっかけです。その時からレース場に入る時はスーツで行くようにしています。ボート選手とのお付き合いもあり、ボート選手はスーツでレース場に行くので、自らやっていこうと思って行動しています。

貢さん(高橋貢選手 伊勢崎:22期)や、聡(荒尾聡選手 飯塚:27期)もそうしているので。

仕事場ですし、これからも続けて行きます。

内野:好きなレース場は?

角南:船橋が好きでした。GI獲ったのも船橋ですし、最後の優勝(2014年2月28日)も船橋です。

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内野:角南選手の調子はどこを見たら良いですか?

角南:そう言われると僕も分からないのですが、近況は試走タイムが出ています。コーナー重視の整備なので、コーナーが他より乗りやすそうだったら良いと思います。

内野:雨に関しては?

角南:外が効く雨は好きですね。

内野:どんな走路が苦手ですか?嫌いですか?

角南:黄砂の時期が嫌いです。雨上がりの走路も嫌ですね。黒潮(タイヤの跡)が雨で流れて自分の走るコースが効かないので...。外が効かない新走路も苦手です。

内野:デビューから続けていることは?

角南:「練習だけは誰にも負けない」を新人時代から続けています。

内野:昨年はどのような1年でしたか

角南:昨年2019年はA級に落ちたりして、結構苦しんだ時期もありました。

内野:2020年ここまではいかがですか?

角南:選手生活で初の9走中2回のフライングをしてレースに集中できていなかった。だからスタートに関しては、自信を持って切れていない状況でした。

スタートは行けないけど、追い抜けるエンジン作り追い込んで行ける整備を目指してます。

ミスなくタイヤも選んで行きます。

支部の仕事を考えたりして、レース以外で忙しかった自分に、集中できていなかった自分をフライングが気付かせてくれました。

内野:来年の4月でデビュー20年です。

角南:最近思う事は若い選手が増えたなと...。

相性が悪い選手もいますけど、整備のやり方を変えたりスタートをはりこんでして行くわけでもありません。

メンバーを気にせず、そのレースそのレースをベストの状態で挑んでいきたいです。

タイヤは5日間戦えるように準備すること。予選で使った物で1番良い物を準決勝戦で使う。常に良いタイヤをレースで使う。

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内野:ここまで選手として走ってこれた理由は?

角南:体格は恵まれていなかったので動体視力を身に付けました。この仕事は自分との闘いです。精神力も鍛えました。

その時その時を一生懸命やってきたので、今があるのだと思っています。

今、振り返るとその時々の経験があったので、今日こうして走れているのだと思っています。

またここまで続けて来られたのは同期のおかげでもあります。ライバルがいたから頑張れています。

内野:ライバルはどなたですか?

角南:前田淳(前田淳選手 山陽:27期)です。同期と切磋琢磨してきた事が今に繋がっています。

前田淳選手を取り上げて下さい。熱い男ですのでぜひインタビューして下さい。

内野:好きな仕事ができるというのは、仲間の存在も大きいのですね。

角南:選手はだれ一人知らずこの世界に入りました。大好きなバイクに乗れる。好きなバイクのエンジンを扱える。整備ができる。好きな仕事をさせて頂いています。

この環境を大事にして20年目を迎えたいと思います。

内野:オートレーサーになって良かったと思う事は?

角南:見られている仕事です。やりがいがありますね。努力して結果に結び付かない事もあるけど逃げ出さず積み重ねて行き結果が出た時は、やっていて良かったと思いますね。

内野:オートレースの魅力は何ですか?

角南:スピードがあり音の迫力が魅力ですね。バイクとバイクの競走ですが競り合うところが魅力ですね。

もっともっと競い合って皆様に伝えて行きたいです。

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内野:この度山陽支部長になりました。

角南:良いタイミングでバトンを受けました。責任感ができます。

コロナ感染という大変な時期で無観客が続いていたので大変でした。

開催が終わると今までとは違ってどっと疲れる事が多いです。

内野:山陽オートへの思いをお願いします。

角南:やっぱり育ててもらったレース場なので思いは強いです。

今の自分があるのはこれまでお会いした支部のみんな、ファンの皆様、関係者の皆様、山陽オートを通じてこれまで出会った皆様のお陰です。

無観客になって実感しました。ファンあってのオートレースです。無観客でのレースは寂しすぎました。

みんなの前で走りたい、歓声が欲しいと思いました。

内野:支部長としてどのような事を考えていますか?

角南:支部長として周りの選手に協力して頂きながら本場を盛り上げていきたいです。

すぐにイベントはできませんが色々と考えています。

これからファンの皆様との交流は大切にしていきたいです。

内野:オッズパークをご利用の皆様へ、メッセージをお願いします。

角南:2年前の年末のトークイベントで自ら言ったのが「ひも付け選手の角南一如」ですと...。スタート遅いので頭は少ないですが、頭から買って頂きたいです。まずは2、3着を狙って買ってみて下さい。いつもご投票ありがとうございます。これからもオートレースをよろしくお願いします。

インタビュー / 内野久照

MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。

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