6月に行われた地元山陽「GI令和グランドチャンピオンカップ」でグレードレース初優出を決めた青木隆浩選手。選手になるきっかけや、ここまでの選手生活を振り返って頂きました。(取材日:2020年8月2日)
インタビュー / 内野久照
内野:身長・体重を教えて下さい。
青木:身長168cm58kgです。人生これまでで、1番痩せていた時が56kgです。
ここをキープできるように目指して行きたい。
内野:トレーニングは、どのように取り組まれていますか?
青木:自宅では筋トレを行ってからジョギングです。40分から45分走っています。
選手になってから続けています。毎日はできないですができる時は必ずやる様にしています。
内野:今開催(8月2日山陽開催)から、ハンデが軽化しました。
青木:今の自分の実力です。
もちろんですが、また10m前に戻れるようにしたいです。
内野:10m前の位置はどうでしたか?
青木:地元山陽のGI令和グランドチャンピオンカップ準決勝戦からハンデが下がりました。
そこから3節10m前を経験させて頂きました。
今まで同ハンで走っていた人を抜かないといけない。20m前で走っていた時もほぼ捌く事がなかった人達をこの位置から抜かないといけないので厳しかった。
20mの内側からスタート切って前の1人2人を捌く。これが出来た時は結果に繋がるというのが今までの自分のスタイルでした。
10m前になって分かったことは同ハン皆がスタート早かったです。
内枠でしたが毎回必ず先行するということは難しかったです。
内野:沢山、学びましたね。
青木:はい。後ろから走るという事は、捌かないと上位着を獲れないという事です。
10m下がっただけで全然違う。
ちょっとでももたつくと最重ハンデ後ろの選手にやられます。
3節程でまた前に戻りましたが学びが多かった10mでした。
内野:選手になって4年目ですが、選手になるきっかけは?
青木:両親がバイク屋を営んでいます。
父が古橋隆志(川口:15期)元選手と交流があったので、山陽オートに父と観戦に行ったのが初オートです。岡山県から行きました。小6の時でした。
初めてのオートレースは衝撃的でした。音とスピードに圧倒され一瞬で好きになりました。格好良いなと思いました。
まだヘルメットキャップが装着されている時でしたのではっきりと覚えています。
その時は選手になりたいとかなれるとか、まったく思っていなかったです。
次に見たオートレースはそれから5年の月日が経っていました。
5歳上の兄との観戦は17歳の時です。生涯2回目となる山陽オートは自分にとって人生を変える出来事になりました。小6で見た時とは違っていました。次に見たオートは別世界に感じ、特別であこがれの場所になりました。
「やっぱりオートレースは格好良いな」と改めて感じました。
「選手になりたい」と真剣に思うようになりオートレース選手を目指す事を決意しました。
2回目の山陽オート観戦がなかったら今の僕はいませんね(笑)
内野:試験は何回受けましたか?
青木:僕は3回です。兄弟4人全員が試験を受けました。
内野:えっ!4人兄弟ですか?
青木:はい、7歳上の長男は29期を、5歳上の次男は31期、33期を受けました。
三男の自分は19歳の時に31期を、22歳で32期を、25歳で33期を受け合格しました。
5歳下の弟も34期を受けています。
父に影響を受け、兄弟皆がバイクを経験してオートレースを受けました。
僕だけ選手になったので兄弟の気持ちも乗せて頑張って走りたいです。
もっと頑張らないといけないと思っています。
内野:合格は3度目の正直だったのですね。
青木:33期の募集が始まってから合格に向けて61〜62kgあった体重を56kgまで落としました。
筋トレもやりました。走る事も続けました。
内野:合格した時はどうでしたか?
青木:試験に受かった時は嬉しかったです。家族も喜んでくれました。
夢だった職業に就く事が出来ました。本当に嬉しかった。
内野:養成所での思い出は?
青木:5番の競走車をもらった時は興奮しました。凄く嬉しかったです。今でもはっきりと覚えています。
養成所は缶詰状態で、早寝早起きで決められたカリキュラム、スケジュール通りに生活するので、凄く辛くてきつかったです。
内野:前職は何をされていましたか?
青木:高校を卒業してからは溶接の会社に勤めました。会社員を続けながら試験を待って、オートレース選手を目指しました。
内野:同期の仲良しは?
青木:同期では年上組の3人が仲良しですね。伊藤正真(伊勢崎:33期)と山本将之(山陽:33期)です。まずは2人に追いつきたい。
内野:二人はすでに優勝を経験しています。
青木:はい。将之が優勝した時は正直悔しかったです。僕も優勝できるように頑張ります。
内野:黒川京介(川口:33期)選手についてお聞かせください。
青木:同期は意識しますね。黒川が同期の中では1番です。そこにも追いつきたいです。
内野:ご結婚されたと聞きました。
青木:昨年12月に結婚しました。この事をきっかけに自分自身が変わって今まで以上にオートレースと向き合い、頑張って稼ぎたいです。
内野:お家での過ごし方は?
青木:家では半身浴です。長い時間入っています。
趣味は映画鑑賞です。少し古いですがアニメ映画の「リメンバー・ミー」はおすすめです。
僕はインドア派ですので家でテレビを見る事が多いです。深夜のバラエティ番組、お笑いなどを録画して良く見ています。
岡山県出身なので千鳥の二人が好きですね。ミルクボーイの漫才も大好きです。
内野:プライベートでのライディングは?
青木:バイク屋に生まれ、5歳からミニバイクにまたがり、モトクロスをしてきました。大会にはほとんど出ていませんが、今でも250ccのバイクに乗っています。
内野:有観客再開となりましたが、いかがですか?
青木:久々にお客さんの前で走りました。待ちに待った再開でした。
自分達を見てもらっているのでここで活躍したいですね。
お客さんの前で良い着を取って、買って頂いた方へ貢献したいと思っています。
内野:2020年はどこに目標を置いていましたか。どこに向かっていましたか?
青木:今年は4つの目標を立てました。
①10m前になる。
②A級の100番以内になる。
③年間20勝する。
④そして初優勝する。
内野:目標の中に初優勝もしっかりありますね。
青木:まだチャンスはあると思っているので初優勝は絶対にしたいです。
優勝してこれまでお世話になった皆さん、教えて頂いた先輩方に恩返しがしたいです。
内野:今年は初めてGI優勝戦を経験しましたね。
青木:2020年GIの決勝に乗れたことはビックリです。
初めての8周回は長かったです。集団について行くだけのレースになりました。
内野:緊張しましたか?
青木:もちろん優勝したいと思っていましたが、そんなに甘くない。
と思ったら、楽な気持ちでスタートする事ができました。
上位の人達、強豪メンバーと走れましたし、いつもと違うレースになりました。
大舞台のファイナル、8周戦を味わって走る事、余裕は一切ありませんでした。
結果は8着でした。GI優勝戦を走っている実感はなかったです。前を追いかける事で精一杯でした。
それまで20m前では勝ったり負けたりと、捌きや抜き方が上手く行かず、車の位置取りやタイヤの付け方が良くなくて、後ろからやられて、着を取れない日々が続きました。
令和グランドチャンピオンカップでは、逃げただけなので、GI優勝戦に乗った事もハンデが10m下がった事も、誇れるとは思っていません。でも自分自身の中で確実にプラスになったと思っています。
普通のレースの8着とGI決勝の8着は違うと思っています。
この経験を必ず次に繋げられるようにしたいです。そして力を付けたいです。
内野:デビュー4年目になりますが、課題などありますか?
青木:1級車に乗ってすぐに20m前のハンデになりました。人を抜くこと捌くことが一番の課題です。これはずっと思っていることです。
20m前のインコースから逃げて勝つレースがいくつかあり、ハンデが下がってたまたま着をとり10m前になっただけです。
もちろんチャンスだったのですが、この位置をものにする事はできなかった。
今の課題は「基本的な技術を身に付ける事」です。
エンジンが良くて展開が向かないと1着が取れない。それではダメです。
しっかり捌いてレースをして認められて一般戦で初優勝してハンデが下がりたいです。
内野:改めて今後の目標は?
青木:まずは、着実に一歩一歩前進する事、成長する事です。
言うのは簡単ですよね。しっかり達成していきます。
内野:オッズパークを御覧の皆様にメッセージをお願いします。
青木:いつもオッズパークを利用頂きありがとうございます。自分は最近調子が良くなく車券に貢献できていませんが、自分を買って下さったお客様の為に一走一走頑張って走ります。
穴狙いの方々に喜んで頂けるように穴を出せる様に力一杯走ります。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。