この気持ちを持ち続けレースに向かう番田隆弘選手(山陽24期)。
2021年はデビュー26年目。今年は弟子を取る事にもなり、益々仕事に熱が入る番田選手。同期はもちろん先輩や後輩からの信頼が厚い選手の一人です。今回は番田選手の師匠、坊田寿彦選手(元山陽13期)にもお話を聞かせて頂きました。
(取材日3月8日)
インタビュー / 内野久照
内野:身長・体重を教えて下さい。
番田:169cm63kgです。
内野:減量やトレーニングはされていますか。
番田:自宅ではたまにですがウォーキングとランニングです。
走るといってもスローランニングです。少し汗をかきたい時に走っています。
内野:2021年ここまでいかがですか。
番田:今年に入って最初のシリーズが地元山陽でした。ブチ走路で1着が取れました。ここまで振り返ってみると、スタートで失敗したり道中のミスで後退したりするところがあるのでまだまだだなと思っています。
何年も走っていますがレース前はいつも不安になりますね。
自分は緊張するタイプです。練習してもこのままでいいのかなと思ったり大丈夫かなといつも考えてします。
内野:2021年、新しい年に入って目標はありましたか。
番田:いいえ、特にいつも通りでした。気負わず少しでも車券に絡む事ですね。『確定掲示板を目指して走る』は変わっておりません。
自分が着に絡んで喜ぶ人もいれば、飛ぶ事によって喜ぶ人もいるでしょうから...。
複雑ですけどね。お客さんの喜びは様々だと思っています。
期待に応える走りをしたい気持ちが大きいです。
内野:理想の展開、レースは考えますか。
番田:考えていないです。レースは出たとこ勝負です。
内野:レースでのやる気スイッチはどこで入りますか。
番田:やる気というかスイッチはスタートラインについた時ですかね。前にも行けない後ろにも下がれない。止める事も出来ない。そんな勇気はもちろんない。緊張しすぎても行くしかない。失敗しても思いっ切り行くしかないという事です。
内野:その時に理想の展開は考えますか。
番田:いいえ考えません。まずは無事にゴールする事。8人みんなでいいレースをして全員がゴールする事ですね。
もちろん確定掲示板を目指して走っています。勝負の世界なので勝ち負けは仕方ないですからね。
内野:レース場に入る時(前検)はどのようなお気持ちですか。
番田:決め事は特にありませんが...。守衛さんの前を通ったらレース場の管理地区なので、
毎回緊張します。レース場に向かう時も緊張して身が引き締まる思いで前検の受付をします。
内野:レース場での1日の流れを教えて下さい。
番田:起床の時間、部屋の電気を点灯する時間はレース場で違いますが、山陽オートは6時30分に電気が着きます。それからベットの中でゴロゴロして1時間程過ごします。
ロッカーに出てくるのが9時頃です。当日にやる事は前日の夕方にある程度準備します。
内野:ロッカーではまず何をされますか。
番田:缶コーヒー(微糖)を飲みます。リラックス出来る時間です。
内野:ルーティンはありますか。
番田:ルーティンというか待機場(試走前に出場選手が集合する場所)へはフリクスを一粒口に含んで行きます。
口の中をスッキリさせるためです。
試走に行く前に競走車に一礼します。
試走終了後のピットの中では冷たいお茶を飲んで用意されている飴を口に含んで発走を待ちます。
レース前も競走車に再度一礼します。『事故が無いように』という思いで行っています。
内野:ツナギやヘルメット、装着物へのこだわりは。
番田:こだわりはないですが、色は白が好きです。
内野:白は何色にも染められるからですか。
番田:何色かに染めてもらう方かな...。うそですよ。何となくです。何となく。
内野:レース場に必ず持って行く物はありますか。
番田:持ち込むのは雑誌です。週刊誌が多いです。
週刊大衆、アサヒ芸能、週刊現代、週刊ポストです。
『この人はどれだけ買うの』と思われますよね。
出版社から取材がくるかな(笑)
内野:マイブームはありますか。
番田:関東遠征の時は居酒屋巡りをします。
煮込み料理とホッピーが好きなのでお店を探して飲みに行きます。
内野:趣味は。
番田:趣味ではないけどお酒が好きです。家でも毎日飲んでいます。
内野:どのくらい飲むのですか。
番田:意識して飲んでいないですが...。だいだい記憶がないです。
内野:そうなるとストレス発散方法は。
番田:お酒になりますよね。(笑)最終日に美味しくお酒を飲みたいのでレース頑張ろう。仕事を頑張ろうと思う一つにもお酒がありますね。
内野:レース場出たら何を最初にされますか。
番田:缶ビールが飲みたいですね。あてはその時の気分ですが、刺身を買って帰ります。
内野:飲みながらレースを振り返るのですか。
番田:飲んでいる時はレースを忘れています。緊張感から解放されたとういうことで
ホッとして飲んでいます。(笑)
内野:好きなレース場は。
番田:山陽と川口です。山陽は地元ですし自分のロッカーもあるし、いっぱい走っているので景色慣れしていますし。
川口は宿舎のお風呂が広い。2人部屋がいいですね。
内野:川口でのレースはいかがですか。成績がいいとか走りやすい等はありませんか。
番田:成績がいい事はないです。景色なのか他のレース場よりコースが一回り小さく感じます。建物の景色なのかレースでは小さいコースを走ってしまいます。
内野:番田選手の売りは。調子の良さはどこを見たらいいですか。
番田:自分の売りは無いんですよね。ここが良ければ調子がいいですよと言って来なかったら車券に絡まなかったら申し訳ないですしね。ただ同ハンで試走タイムを比較した時に、タイムが良かったり同じだったら納得します。
内野:一番の思い出のレースは。
番田:そうですね...。(考える...。)
内野:デビュー2年目のSGオールスター優勝戦では。
番田:いいえ。お恥ずかしい結果で。(笑)1番の思い出は1級車に乗り換わって少し経った時の雨のレースです。加納好和元選手(山陽6期)に勝ったレースです。自分の心の中と、施行者さんが撮ってくれたVHSテープにそのレースのことが残っています。
内野:2番目は
番田:初Vのレースです。平成9年8月6日でした。0m4人並びで2番手からのスタート。そこから先頭に立って逃げ切ったレースです。
内野:選手になるきっかけは。
番田:選手になるのが小さい頃の夢でしたし、小学校の時に七夕の短冊に『オートレーサーになる』と書いてみたり、小学校の時の将来の夢に『選手になる事』を書きました。それで笑われたりもしたけど...。
内野:憧れの選手は。
番田:小林啓二元選手(山陽8期)、西村義正選手(山陽17期)です。いや〜格好いいですよね。金網の外から見ても迫力がある公営競技です。
実際に選手になって仕事にすると、オートレースは外から見るのと違って、本当に難しい仕事だなと思いました。
内野:今年は番田選手もお弟子さんを取られるのですね。その35期生が養成所でデビューに向けて頑張っていますが。
番田:弟子をもらうので養成所に見に行きました。皆、選手になる為に一生懸命でした。
内野:どのように指導しようとかシミュレーションはありますか。
番田:乗るフォームだったり、元気一杯にグリップを開けて回る事もそうですが、1級車に乗っても通用するようなコースを走れるように指導して行きたいです。
内野:番田選手の走り方『バンスタイル』が好きです。体を揺らすところ一生懸命さが伝わってくる。
番田:故意に体を揺らすというかではないです。尊敬する小林啓二元選手(山陽8期)もそうでしたが、バランスを取るために体を動かしています。一生懸命に走るというスタイルは続けて行きます。
内野:これからはどんな走りをしたいですか。どのような選手生活を送って行きたいですか。
番田:特にないのですが...。『目の前のレースに集中する』ですかね。喜んでもらえる走りができればいいですね。
内野:番田選手の師匠、坊田寿彦選手(元山陽13期)の教えを継承して行きますか。
番田:山陽の教えは『綺麗に抜いてこい』です。坊田さんには感謝しかない。大変良くして頂いた。2級車、1級車で言われた事、走り方を伝えて行きたいです。
内野:番田選手の師匠、坊田選手にお話しを聞きました。
番田選手はどんな方ですか。
坊田:見ての通り真面目です。仕事に真摯に取り組むし、レースはもちろん私生活でも色んな面でバランスが取れていていいと思う。セア(現行の競走車)デビュー期なのでもう25年ですよね...。ある意味作ったり飾ったりしない素のままなので付き合ってこれた。お互いに変な気を遣わず素でやってこれたのでここまで続いている。次は弟子が来るけど相手に応じて柔軟に接して行けば大丈夫なので頑張って欲しい。
内野:番田選手に取っての山陽オートとは。
番田:山陽オートは自分にとって何ですかね。修行の場とか言ったら怒られるなあ。(笑)
お客様あってのオートレースなので...。お客様が見て楽しい、車券が当たって楽しいがありますからね。
内野:オートレースファンの皆様、オッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
番田:毎レース一生懸命走りますので車券を買っても買わなくてもいいですので、オートレースを見て下さい。宜しくお願いします。
MCうっちぃ!こと内野久照 オートレース歴16年。好きな選手は浦田信輔選手。現在飯塚オートでMC、山陽オートで実況を行っています。年間約180日間選手ロッカーに潜入し取材もこなすMCです。オートレースを盛り上げたくFBでは飯塚オート盛り上げ隊、Twitterではオートレース盛り上げ隊にてロッカーフォトや選手情報配信しております。 最近では場外車券売り場にてオートレースの解説予想を披露し自腹車券勝負に挑んでいます。オートレース大好き九州男児が展開する魂の大胆予想にご期待下さい。